ヤマト運輸、越境EC事業者向けに「日本向け海上小口輸送サービス」を開始 韓国発最短4日・中国発最短5日の配達が可能に

ECのミカタ編集部

ヤマト運輸株式会社は、2024年1月11日から越境EC事業者が利用できる日本向け海上小口輸送サービスの提供を開始した。株式会社リバティコム(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:後藤英一)と共同で開発した海上小口貨物の輸入通関・保税システム「OBOS(オーボス)」により、韓国からは最短4日、中国からは最短5日で日本の購入者へ届けられるという。

越境EC市場規模の拡大により、求められる輸送方法も変化

日本向け越境ECの輸送方法に関しては、マニフェスト(※1)などを利用した簡易的な輸入申告手続きが適用されている航空輸送が主流だ。しかし、2021年の越境EC市場規模は7850億USドルと推計され、2030年には7兆9380億USドルにまで拡大する(その間の平均成長率約 26.2%)と予測されている(※2)。この需要増加に伴い、海上輸送で輸送コストと温室効果ガス排出量を抑えながら短時間で大量の通関・保税手続きを可能にする仕組みが求められているという。

※1:船積みされている貨物の明細書のこと。船会社が船積み完了後に船荷証券に基づいて作成し仕向地へ送付するもの。
※2 出典元:令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p103(経済産業省)

韓国からは最短4日、中国からは最短5日で配達可能に

今回、ヤマト運輸がリバティコムと共同で開発した「OBOS(オーボス)」はコンテナ単位の船荷情報を小口通関が可能なデータに自動で仕分け、荷物に貼付した送り状番号と紐付けされる。これにより、データと荷物の照合ができるため、スピーディーな通関・保税業務を実現するという。

出典元:ヤマト運輸株式会社

また、「NACCS(※3)」を通じて税関に申告用のデータを自動で作成。輸入通関の申告が煩雑な課税対象荷物については、税額の自動計算機能などを用い、輸入通関業務を効率化する。これらのシステムの活用と国内宅急便発送業務が同一システムで管理されるため、日本の購入者に注文から最短4日~5日(フェリー輸送の場合)と短い期間で輸送が可能だという。サービス開始は2024年1月11日から。越境EC事業のビジネス拡大に寄与していく狙いだ。

※3:出入港する船舶・航空機および輸出入される貨物について、税関など行政手続きおよび民間業務を処理するシステム


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