各社が打ち出す年末商戦への戦略
この記事のまとめ
・楽天、Amazon、BUYMAの三社が実施中の年末キャンペーンを比較。
・それぞれ自社の強みを活かす施策をおこなっている。
・EC事業者にとって年末の位置付けは…
三社それぞれの戦略を展開
◆楽天株式会社
楽天株式会社は、全ショップ対象で最大20倍のポイントがもらえるなど豪華特典を押し出す「楽天大感謝祭」を12月13日より開催すると発表した。
期間中は買えば買うほどポイントがアップしていく。ショップ買いまわりで最大で10倍、ポイントアップ商品を選んで最大9倍、楽天カード利用で1倍、最大で20倍の楽天スーパーポイントが付与される仕組みだ。
また、楽天感謝祭当日に使用可能なクーポンも配布中。3,000円以上購入時に使用可能な300円OFFクーポン、5,000円以上購入時に使用可能な500円OFFクーポンなどのほか、対象ショップ限定で店内全品に使用可能なクーポンなど、豊富なラインナップで限定サービスを提供している。
商品ポイントが高い品物をたくさん楽天カードで買う、という買い方が一番お得となりそうだ。専用サイト内には注目アイテムのピックアップコーナーなどもあるため、自分のお気に入りを探すのも楽しそうだ。
◆Amazon.co.jp
Amazon.co.jpは「届ける」という今年のテーマに則り複数のキャンペーンを展開する。
「Cyber Monday7日間限定セール」
2014年12月8日~14日の7日間限定で行われるセール。毎日400万点以上の商品がタイムセールの対象となり、割引セールやAmazonポイントが還元される商品のほか、福袋などの企画商品が登場するWinterセールも同時開催されるとのこと。
「期間限定Amazonトレイン」
2014年12月8日~12月23日の期間限定で、JR東日本中央快速線にAmazonトレインが登場する。車内でAmazonサービスを視覚的に体感できるほか、Amazonオリジナル動画などを楽しむことができる。車両は10料編成のE233系、時刻表の公開は行なっていないが、プロモーション用の紹介ページをオープンしている。
その他、ユーザーが選んだ「クリスマスに欲しいものランキング」を発表した他、クリスマスプレゼントをイヴまでに届けたいユーザーのため「お急ぎ便」を利用した場合の、地域ごとの注文締め切り日時の目安を知らせるなど、「届ける」というテーマを切り口にした展開で年末商戦に備えていることがうかがえる。
◆BUYMA
株式会社エニグモが運営するソーシャルショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」は、2014年12月8日より3日間限定で「HAPPY HOLIDAY SALE」を開始した。
対象商品が777円OFFになるハッピークーポンや、BUYMA内で様々なページを見ることでランダムにポイントが付与されるハッピーポイントが出現するなど、ユーザーの興味を惹く仕掛けを導入している。
また、海外通販を安心してうまく利用するためのBUYMAのサービスなども紹介している。
サイズや色など少しでも不明点がある場合は、世界各国で活躍するBUYMAのパーソナルショッパーを経由し、出品者に日本語で手軽に問い合わせることができる。気になる点は購入前に確認できるので、安心してショッピングを楽しめる。
充実の安心保証制度を導入。本物保証、返品、紛失保証など、万が一トラブルがあってもBUYMAが全額保証してくれる。なお、保証サービスを利用するには注文時の「あんしんプラス」に加入することが必要となっている。
楽天、Amazon、BUYMAの年末サービス比較
9,556万人の会員数を誇る楽天はポイントに特化した施策を行い、物流に強いAmazonは「届ける」を切り口としたサービスを展開、海外通販に特化したバイマはユーザーの不安感払拭に尽力したサポートを押し出すなど、各社それぞれ得意分野を強みにした独自の戦略で年末商戦を迎え討っている。
様々なイベントが続き、消費者の財布のヒモも緩みがちとなる大きな書き入れ時な年末。小売り事業者にとって、自社の強みを活かした施策で戦略を練ることは必須であろう。もしかしたら、話題性を狙ったサプライズ企画などを想定している企業もあるかもしれない。
EC事業者にとって、年末はキャンペーンによる認知性アップやブランディング施策などの面でもチャンスが多い期間となりそうだ。