日本物流団体連合会「物流の2024年問題」に関するアンケート調査を実施 2024年問題に対する消費者の認知度は?
一般社団法人日本物流団体連合会(以下:日本物流団体連合会)は2023年12月26日、朝日新聞に「物流の2024年問題」に係る意見広告を掲載。日本物流団体連合会はこの意見広告を活用し「物流の2024年問題」についてアンケート調査を実施、調査結果をとりまとめた。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査方法:2023年12月26日に朝日新聞に掲載した意見広告の中に、広告を見た方々の意識を聞くアンケート調査の仕組みを組み込み、読者から回答を募集。
◆調査期間:2023年12月26日〜31日
◆回答数:1133名
◆回答者属性:40歳から59歳:53%、60歳以上:約40%
今回の結果は主に中高年層の意識や考え方を反映したものとなる。
◆出典:「物流の2024年問題」に関するアンケート調査結果について
9割以上が「物流の2024年問題」を認知
「物流の2024年問題」についての認識について「聞いたことがあり内容も知っていた」が74.8%「聞いたことがあるが内容は知らない」が18.8%という結果に。合計すると93.6%と「物流の2024年問題」の認知度は非常に高いことがうかがえる。
一方、「物流の2024年問題」への対策については「物流の効率、生産性を上げる」が74.7%、「賃金を上げて、人手を確保する」が62.4%となっているほか、「サービスが多少低下してもやむを得ない」との回答が55.9%となっているなど、物流業界の厳しい現状に理解を示す回答が目立った。
自由回答としては「置き配の強化」「自宅以外の場所での受取り」など受取り方の工夫や「配送料の値上げ」「再配達の有料化」など料金の見直し「外国人、女性、学生等新たな人材の発掘」など担い手の発掘「輸送の大切さをもっと世の中に伝えるべき」など様々な意見が寄せられた。
再配達防止の工夫として、配達日時の指定が最も多くなる
宅配の再配達の削減のための工夫として、最も多かった回答は「事前に配達の日時を指定」で69%、次いで「置き配の利用」59%「宅配ボックスで受取り」54.7%「駅、コンビニ等で受取り」が44.4%という結果となった。
「再配達の回数を制限し、回数を超えたら料金を徴収」という料金の見直しを許容する回答が57.2%あったことも注目される。
自由回答としては「再配達の有料化」「再配達無料は1回までなど料金の見直し」「宅配ボックスの設置の促進」「翌日配送はプレミアム料金、急がない配送はポイント付与」「受取人への事前通知の充実」「盗難対策のため保険を掛けるなどして置き配の促進」などの意見が寄せれらた。
「送料無料」の表記について最も多かったのは「表記を工夫して『送料込み』などとする」で81.9%。一方「今まで通り『送料無料』で問題ない」が7.7%「これまで無料でモノが届くと思っていた」が1.8%といった意見も。
「物流業界で働く人への感謝や労いの言葉」が寄せられる
本調査では物流業で働く人へのメッセージ、物流事業者への意見も自由回答で寄せられた。アンケートの回答1133件のうち、974件(86.0%)と多くの回答があり、最も多かった内容は以下のような「物流業界で働く人への感謝や労いの言葉」であった。
◆暑い日、雨や雪の寒い日もご苦労様です
◆早朝から深夜まで本当にご苦労様です
◆どうぞお身体、ご自愛なさってください
◆身体を大事に、家族を大事に仕事をしてください
◆感謝しております
「届くことが当たり前でなく、物流に関わる沢山の人によって届けてもらっているということを改めて考えさせられた」といった意見も寄せられており、本調査は消費者側の意識改革にも繋がったといえるだろう。目前に迫る2024年4月に向けてより一層の周知、理解が求められるはずだ。