リテラシー向上でインフルエンサー自身がステマに気がつく傾向に【ステマ依頼に関する実態調査】
SNS・インフルエンサーマーケティング事業を展開するLIDDELL株式会社(以下:リデル)は、インフルエンサーを対象に、ステマ規制施行後における企業などからの「ステマ依頼」に関する調査を実施した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆インフルエンサーの「ステマ規制施行後の企業などからのステマ依頼」に関する実態調査
◆調査時期:2023年11月
◆サンプル数:100
◆調査方法:オンライン
◆対象者:SNSで活動するインフルエンサーやクリエイター
◆出典:ステマ規制施行後の「企業からインフルエンサーに対するステマ依頼」に関する実態調査
インフルエンサー自身のステマや規制に対する知識が深まっている
ステマ規制がスタートした2023年10月以降「ステマの不安や懸念がある依頼」の増減について質問したところ、35%が「減少した」と回答し、規制による一定の効果がみられる結果となった。一方で、15%が「増加した」と感じていることも明らかに。
「増加した」と感じる理由を聴取したところ「ステマ依頼の可能性があると気が付けるようになった」との回答が大半を占めており、インフルエンサー自身のステマや規制に対する知識が深まっていることがうかがえる結果となった。
よくある「ステマ依頼」5選
本調査ではインフルエンサーが感じる「ステマ依頼」を5つ抜粋。それぞれの内容は以下の通りとなった。
◆ギフティングはPRではない
ギフティングやサンプリング(無償で商品を提供すること)であったとしても、「投稿を依頼する(発注者・受注者の関係がある)」場合には広告表示が必要となる。「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」より1つ以上記載する広告表記か「〇〇社から▲▲を提供/招待された」と関係性を明記しなければならない。
◆罰せられないから大丈夫
現在、ステマに関する法規制の罰則対象は企業(広告主)だが、炎上などの火の粉が自分にもかかってくる場合も考えられる。フォロワーの信頼を失うことはインフルエンサーとして大問題。さらに今後、ステマに加担したインフルエンサーやクリエイターも罰則対象になってしまう可能性もあるだろう。
◆オーガニックで投稿して
タイアップ投稿のために提供されたアイテムを使っている間は「○○社から提供を受けました」などと表記しなければならない。「投稿の依頼」のため広告表記が必要となる。
◆イベント同行者は広告表記不要
依頼者が「投稿内容に関与」しているため広告表記か「招待されました」などの関係性の記載が必要。誰もが参加できるのではなく「インフルエンサー限定ご招待のイベント」は提供されたサービス以外に「メリット」を提示したことに該当する。
◆今後仕事は紹介しません
「PRをつけたら今後仕事は紹介しません」は「デメリット」を提示したことに該当する。このような依頼をされた場合は断る必要があるだろう。
適切な活用によって独占的に高い効果を発揮している事例も
リデルは本調査の結果について、以下のようにコメントしている。
「ステマ規制がスタートしてから、インフルエンサー施策に躊躇されている企業が見受けられます。一方で、ステマ規制を深く理解し、コンプライアンスを遵守しながらオーセンティックにSNS・インフルエンサーマーケティングを展開している企業は、競争が沈静化している市場において、独占的に高い効果を発揮している事例もあります」。
規制以降、内容の理解度によって企業間にPR格差が生まれているといえるだろう。今回の調査では、ステマ規制を機にインフルエンサーのステマに対するリテラシーが向上し「ステマに加担しない」意識が高まっている傾向がうかがえた。中にはSNSで「ステマではないか」と話題になっているのが散見されるため、企業は一層の注意が必要となる。
リデルが述べている通り、適切な運用を行うことでこれまで以上に高い効果を発揮することも期待できる。今後も市場の活性化が期待されるインフルエンサーマーケティングは、適切に活用すれば効率的な販促に繋がる。今一度ステマ規制に対する理解を深め、訴求方法を検討する必要があるだろう。