インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表 EC・小売事業にクレームが集中する状況が明らかに
アラームボックス株式会社(以下:アラームボックス)は「2023年下半期インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計し発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査期間:2023年7月1日〜2023年12月31日
◆対象企業:アラームボックスでモニタリング、業種登録がされていた11212社
◆対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの
◆出典:インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表
EC・小売業界がランキングトップに
本調査によって明らかとなった2023年下半期の「インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」は以下の通り。
通販事業を指す「無店舗小売業」は、過去の調査に引き続き1位という結果に。また、昨今は小売業を営む多くの企業が通販事業を展開している。こうした状況を背景に多くの小売業が上位にランクインした。
クレームの内容としては「購入した商品の不具合や購入前の印象との違いに関する不満」「配送トラブルに関するもの」が多い傾向にあった。
また、今回の調査は贈答品の需要が高まる年末にかけて実施しているため、商品の到着日や梱包に対する不満が多くなったことも考えられる。そのため、前回調査より1社あたりのクレーム数が増加したともいえるだろう。
通販事業の展開は場所や時間を問わず販売活動を行えるメリットがあるが、クレーム件数が増えることも念頭においた評判管理を行う必要がある。
「商品」に関する単語が最も多く使用される
悪評・クレーム投稿で頻出する単語についての調査も実施されており、EC・小売業では以下のような単語が並んだ。
最頻出単語は前回と同じく「商品」であり1100回以上使用されていた。その他は「購入」「発送」「残念」「対応」といった単語が続き、購入した商品へのクレームや、購入後の発送や連絡に関する対応に関する言及が頻出する結果に。
多くのECサイトには、商品やサービス品質に対して投稿・レビューできる機能が付いている。そのため他業種と比較して、悪評・クレームが投稿されやすい傾向にあるといえるだろう。
クレームに適切に対応し、サービス改善へ繋げる
消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(※2)」によると、様々な情報収集手段がある中でSNSを情報収集目的で活用している人が84.1%と最多となった。
企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切な評判管理を行い、社会からの評判を維持・向上させる必要があるといえる。こうした状況を背景に、アラームボックスはAI与信管理サービス「アラームボックス」の提供を通して得た膨大なネット上の口コミから、インターネット上で悪評・クレームが多い業種やその口コミの傾向を定点調査している。
EC事業は前回調査に引き続き、業種ランキングでトップとなった。スマホの普及とともにECサイトの数、市場規模は爆発的に増加している。業界としてまだ若く発展途上である一方、改善の余地が多く残されているともいえるだろう。クレームは適切に対応すれば顧客満足度の向上、サービス改善など事業にとってメリットとなる。顧客の不満を汲み取り、売上に変える意識が重要となるはずだ。
※2:2022年6月7日消費者庁「消費者意識基本調査」