ツルハHD、イオン、ウエルシアHDが資本業務提携契約を締結 アジアNO.1のグローバル企業への成長、より高次なヘルス&ウエルネスの実現を目指す
株式会社ツルハホールディングス(以下:ツルハHD」)とイオン株式会社(以下:イオン)及びウエルシアホールディングス株式会社(以下:ウエルシアHD)は、地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスの実現を目的として、経営統合の協議を開始することに合意。資本業務提携契約(以下:本資本業務提携契約)の締結を決定した。
アジアNO.1のグローバル企業への成長を目指す
現在は医療格差、健康格差及び地域間格差の拡大が大きな社会問題となる中、ドラッグストア業界においても出店余地の減少、薬価の引き下げ、価格競争の激化など、事業環境の厳しさは増し続けている。
どのような環境下においても、誰もがヘルス&ウエルネスのサービスを等しく受けられる社会を実現するためには、既存の業態の枠組みの中での成長にとどまらず、自らの業態の抜本的な変革を推進していく必要がある。
このような認識の下、ツルハHD、イオン及びウエルシアHDは各社の持つ経営資源を最大限に活用、連携することにより、様々な分野でシナジーを発揮した日本最大のドラッグストア連合体を創成。
競争力の獲得、アジアNO.1のグローバル企業への成長を目指すとともに、地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスの実現を目的として、本資本業務提携契約を締結、経営統合の協議を開始するに至った。
DX・ECの推進等に関する相互協力も
本資本業務提携契約において、ツルハHD、イオン及びウエルシアHDが合意している業務提携の範囲は以下の通りとなる。
◆店舗開発、調剤併設化等に関する相互協力
◆商品や電力の仕入れ・開発等の相互協力
◆物流効率化の相互協力
◆決済・ポイントシステム・デジタルマーケティング・保険等に関する提携
◆プライベートブランド商品の共同開発や相互供給の推進
◆DX・ECの推進等に関する相互協力
◆経営ノウハウの交流
◆フード&ドラッグ業態の研究と推進
◆人材及び人事情報の交流
なお、実際の実行項目の選択、時期及び条件等の詳細については、別途3社間で協議し決定。詳細が決定次第、開示するとしている。
EC活用による相乗効果に期待
イオンはDXを急速に推進しており、2026年までにデジタル売上高1兆円という目標を掲げている。22年度の決算では1300億円と、20年2月期から1.85倍に拡大。その後4年間で7.7倍の規模に成長させる見込みだ。
ツルハHDはコロナ禍で消失したインバウンド需要を取り込むため、2020年に越境ECを立ち上げ。中国向け越境EC内に「ツルハドラッグ館」をオープンするなど、主に中国市場を対象にEC市場の拡大を続けてきた。
そして、業界最大手であるウエルシアHDは「地域No.1の健康ステーション」を掲げ、調剤併設店舗を柱に「地域の健康支援」につながる事業を拡大し続けている。しかしEC事業に関しては道半ばであり、2023年4月の決算説明会においては検討課題の1つに「EC・海外展開の検討」があげられていた。
今回、3社はそれぞれの強みを活かした相互協力を推進する。経営ノウハウから仕入れ、ポイント連携からプライベートブランド開発とその対象は多岐に渡る。
中でもDX・ECに関する相互協力による相乗効果は様々な効果が期待される。日本最大のドラッグストア連合体が、アジアNO.1のグローバル企業へと成長するためにEC活用は必須となる。今後の取り組み、動向に注目したい。