Salesforceが新たに生成AIに関するツールを提供開始 自社ニーズに合わせた生成AIの活用、顧客体験の向上が可能に
株式会社セールスフォース・ジャパン(以下:Salesforce)は2024年3月8日、企業が生成AIを活用する上で求められる信頼性および柔軟性を高める「Einstein 1 Studio」と「Salesforce Data Cloud(以下:Data Cloud)」を日本市場で提供開始することを公表した。
ノーコードでカスタムされた再利用可能なAIプロンプトを作成
「Einstein 1 Studio」は、Salesforceの管理者や開発者がEinsteinの体験をカスタマイズし、全ての顧客や従業員体験のためにあらゆるCRMアプリにAIをシームレスに組み込むためのローコードのツールセットである。2024年3月8日より、Salesforceが国内で提供を開始する「Einstein 1 Studio」の機能は以下の通りだ。
◆プロンプトビルダー(Prompt Builder):カスタムされた再利用可能なAIプロンプトを作成
管理者や開発者がノーコードでカスタムされた再利用可能なAIプロンプトを作成。CRMアプリおよびData Cloudに統合した顧客データなど、企業の信頼性の高いデータをプロンプトに容易に埋め込むめるため、企業データの価値を最大化し、より優れたAIコンテンツを生成する。
◆モデルビルダー(Model Builder):ユースケースに合わせて適切なLLMを選択
さまざまなAIモデルに接続できる柔軟性を提供。Salesforceが標準で提供する大規模言語モデル(LLM)から選択することも、自社で使用するLLMを使用することもできる。モデルビルダーは予測AIモデルにも対応しており、主要な外部のSalesforceパートナーの予測および生成AIモデルを、データを移動またはコピーすることなく、Data Cloud上で活用することが可能となる。
生成AIのプロンプト上でグラウンディングして活用可能
「Data Cloud」は、Salesforceに組み込まれたハイパースケールデータプラットフォームである。2024年3月中旬より日本市場でのパイロット、一般提供が予定されている。主な機能は以下の通りだ。
◆データフェデレーション
SnowflakeおよびGoogle CloudのBigQuery上のデータを、SalesforceのData Cloudに実データのコピー作業なし(ゼロETL)で連携し、データを統合することが可能。
◆Data Cloudベクトルデータベース、およびEinstein Copilot Search
Data Cloudベクトルデータベースにより、PDF、メール、会話記録などの非構造化データを含むあらゆるビジネスデータや、製品在庫などの構造化データが統合。生成AIのプロンプト上でグラウンディング(※)して活用可能となる。
また、Einstein Copilot Searchはユーザーのリクエストを受け取り、Data Cloud ベクトルデータベースに埋め込まれたデータに対して類似性検索を実行。関連性が高く正確な回答を作成することが可能となる。
※グラウンディング:AIの分野で用いられる概念で、AIが言葉や概念を、具体的なものや実際の世界と結びつけて理解する能力のこと
提供開始時期未定の「Copilot Builder」も予定
「Einstein 1 Studio」ではあらゆる企業がEinstein Copilotを自社のビジネス向けに設定、カスタマイズできるようになる「Copilot Builder」も予定。こちらは日本での提供開始時期は未定となっており、今後の進展に期待があつまるだろう。
生成AIの活用はビジネス現場で欠かせないものになりつつある。自社ニーズにカスタマイズされたAIプロンプトや大規模言語モデルの利用は、これまでの業務の多くを効率化させ、さらなる売上を生み出すはずだ。Salesforceが提供するサービスの動向、展開に注目したい。
出典元:「日本におけるFacebookとInstagramでの広告配信 」(Sensor Tower)