2024年問題の後、EC利用者が事業者側に求めることとは?【DMソリューションズ調査】

ECのミカタ編集部

【ECヘビーユーザー500名の消費者意識調査】物流2024年問題に関する価格転嫁や到着遅延など、消費者の本音を紹介

ディーエムソリューションズ株式会社(以下:DMソリューションズ)は、物流の2024年問題が開始する2024年4月を前に「物流2024年問題に関する消費者意識調査」を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2024年2月〜3月
◆調査対象:月に1回以上ECで買い物するへビーユーザー
◆調査人数:全国の20-60代男女500名

◆出典元:2024年問題による暮らしへの影響に対する消費者意識調査(ディーエムソリューションズ「ウルロジ調べ」)

約8割が認知、今後も上昇する可能性

物流の2024年問題に関する認知度については「知っている(41.0%)」「なんとなく知っている(35.0%)」と約8割の人が認知している結果となった。

TV等のマスメディアを中心に2024年問題について触れる機会が多くなってきていることが要因として考えられる。消費者が自らの生活に直接影響を及ぼす可能性のある問題として、一定の関心を持っていることも示しているだろう。こうした背景から、4月以降も認知度はさらに向上し社会課題となる可能性は高い。

引用元:ディーエムソリューションズ「ウルロジ調べ」

日本の物流サービスの品質を再認識する考え

「2024年問題により、今後商品価格や届くまでの日数に影響が出るかもしれません。この時の心情を教えてください」と2024年問題からくる暮らしへの影響に関しての心情を聞いたところ「当然だと思う(18.8%)」「今までが便利すぎたから仕方がないと思う(49.6%)」と、商品価格や届くまでの日数に影響が出ることに対して肯定的な意見が約7割という結果になった。

引用元:ディーエムソリューションズ「ウルロジ調べ」

また「現在よりも商品価格が上がる場合、商品価格の何%の値上がりまで受け入れられますか?」という質問に対しては、値上がり自体を「受け入れられない」と回答した人は16.2%であるのに対して、「5%以下」は44.2%、「6~10%」が25.6%となった。

消費者の多くが商品価格の上昇に対して一定の柔軟性を持っていることがわかる結果となった。こうした回答から、2024年問題を通じて日本の物流サービスの品質を再認識する考えが生まれている可能性も考えられるだろう。

EC事業者に対してより広範な社会的責任を果たすことが期待?

「今後のEC・通販での購買時にEC運用側に求めることを教えてください。」に対しては、「商品価格や梱包、届くまでの日数といったサービス品質の維持」と品質の維持を求める声が33.0%だった。

一方「ドライバーへの配慮といった2024年問題解決に向けた理解・取り組み」と物流課題解決に向けた姿勢といった、倫理的な行動を求める声が45.2%と約半数を占める結果に。

引用元:ディーエムソリューションズ「ウルロジ調べ」

今後、EC事業者側に求められることは、単なる商品提供だけでなく、ドライバーや労働者への配慮や物流課題への取り組み、さらには持続可能な取引の実践など、より広範な社会的責任を果たすことも含まれていくかもしれない。

顧客は企業が自社の利益だけでなく、社会や環境への責任を認識し、積極的に行動する姿勢を評価して支持する傾向があるなど、今後は物流業務でEC事業者が考える必要のある業務は複雑化していくことが見込まれる。

こうした状況から今後は世の中のトレンドを捉え、常に消費者に選択される事業者であり続けるための取り組みが重要となる。常に最新状況を確認しつつ、最適な対応を心がける必要があるだろう。


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