今後の国内アフィリエイト市場規模はどうなる? アフィリエイト市場に関する調査を実施(2024年)

ECのミカタ編集部

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2024年)

株式会社矢野経済研究所(以下:矢野経済研究所)は、国内のアフィリエイト市場を調査し、市場概況、アフィリエイトサービス事業者(ASP)の動向を明らかにした。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2023年12月~2024年2月
◆調査対象:アフィリエイトサービス事業者(ASP:アフィリエイトサービスプロバイダ)、業界団体等
◆調査方法:矢野経済研究所専門研究員による直接面談(オンライン含む)ならびにアンケート調査、文献調査併用
◆出典元:アフィリエイト市場に関する調査を実施(2024年)(株式会社矢野経済研究所)

2023年の市場は前年度比7.3%で成長見込み

2023年度は、インフレや円安などの市場環境や一部広告主の広告予算の縮小、広告出稿の方針変更などのマイナスの影響を受けた事業者もいる一方で、取扱商材によっては大きく伸びた事業者も存在した。

また、アフィリエイト市場全体の成長率が以前に比べて穏やかになっている中、参入事業者間において占有率を競う状況が続いているとみられる。新規顧客や新規分野の開拓に注力するケースや、クリエイティブ制作などのサービス領域を拡張するケースもあると見受けられる。

こうした状況を背景に、2023年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比7.3%増の4116億1000万円が見込まれている。

「アフィリエイト市場に関する調査を実施(2024年)」(株式会社矢野経済研究所)をもとにECのミカタ編集部で作成

AI技術の活用は発展途上にある

矢野経済研究所は現在の注目トピックスとして、「主要ASPのAIを活用した取り組み」をあげた。

アフィリエイト市場全体におけるAIの活用はメディアのコンテンツ制作や情報収集、SNSを通じたユーザーとのコミュニケーションなどが考えられる。広告主に対しては最適な広告素材の制作、ASPにおいては社内業務(オペレーション、営業管理などの作業的な業務)の効率化や広告審査に生成AIを活用する方法などが想定されるだろう。

しかし、現状はAI技術にまだ不確定要素が多いことから、各事業者はデータを蓄積しながら研究している段階にあるとみられる。

今後AI技術が進展すれば、徐々にAIを活用した最適化がアフィリエイト市場に広がっていくことが想定されるだろう。

法規制の整備、新規参入により確実に拡大する

2023年は動画プラットフォームやSNSでの不正広告や違反行為が急増。そのため、特にアフィリエイトでは先駆けて法規制が行われ、健全化に向けた取り組みが進んでいる状況だ。2024年以降、さらなる健全化が進めば、既存のインターネット広告プラットフォームへの広告予算がアフィリエイト広告に振り向けられる可能性もあるだろう。

また、今後のアフィリエイト市場は、新規ジャンルの広告主や新興アフィリエイトサービス事業者(ASP)、SNSを中心に活動する若い世代のアフィリエイターの参入が増加し、着実に拡大すると考えられる。

こうした背景から2027年度の市場規模は、5862億2000万円に達すると予測。さらなる伸長が期待される国内アフィリエイト市場の動向に注目、期待したい。


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