クリスマスプレゼントにまつわるEC事情
この記事のまとめ
・ECのミカタ編集部で、「現在恋人がいる男女400人にクリスマスプレゼントに関する意識調査」を行った
・クリスマスプレゼント購入には、消費者の購買行動に特徴が見受けられる
・気になる消費者心理とその実態は……
クリスマスプレゼントはネットで探すがトレンド
96年に公開されたクリスマス映画の名作「ジングル・オール・ザ・ウェイ」では、A・シュワルツェネッガー扮するパパが子供のためにクリスマスプレゼントを探し求め、イヴで賑わう街中のおもちゃ屋さんを駈けずり回る姿がコメディタッチで描かれている。ブライアンセッツァーが歌うゴキゲンなロックンロールアレンジの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」とA・シュワルツェネッガーのドタバタが対照的で笑いを誘うコメディ映画だ。子供へのクリスマスプレゼントを用意していなかったがために次々大変な目にあってしまう内容だが、同様のことは我々の日常でも十分に起こりうるハプニングである。なんとなく買う物を決めていても、日常に忙殺されつい後回しにしていたらクリスマス当日……という方も多いのではないだろうか。
映画公開から18年経った現在では、忙しい人にもネットショッピングという強い味方がいる。仕事中ちょっと一息がてら情報収集も可能だろう。そこで今回、ECのミカタWEB編集部では、20代~50代の恋人がいる男女400人を対象に、クリスマスプレゼントに関する意識調査を行ってみた。
※元プレスリリース
現在恋人がいる男女400人に聞いた 「クリスマスプレゼントに関する意識調査」
http://ecnomikata.com/pr/detail.php?id=4282
準備開始期間、予算、情報収集手段、購入チャネルまで、数多くの回答が提出された。今夜はクリスマスイヴ、ご自身の体験と不特定多数の男女を比較してみてはいかがであろうか。
クリスマスの予定とプレゼントについて
今年のクリスマスは週の真ん中ド平日であるが、そもそもクリスマスをどのように過ごす方が多いのか。今年のクリスマスの過ごし方についての質問を見てみたい。
ご覧のように、「自宅で過ごす」が最多を占めた。「仕事をする」という回答も多くあり、やはり平日ということもあり普段通りの過ごし方をする方が多いようだ。次いで、「レストランなどで食事をする」「イルミネーションを見に行く」などの催し謳歌パターンも多く見て取れる。
普段通りの過ごし方をする方が多くいても、恋人へのプレゼントを用意する場合も多いだろう。プレゼントの準備開始時期について質問したところ、
・第1位「1週間前」33.8%
・第2位「2週間前」26.3%
・第3位「1ヶ月前」16.8%
このような結果が出ている。「当日」という回答も8.3%ほどあり、個人的にはそちらを掘り下げてエピソードを拾ってみたいのだが趣旨がズレてしまうので自粛しておこう。
次にプレゼントの予算について尋ねたところ、「5千円~1万円未満」が最多で39.5%であった。次点が「5千円未満」28.5%であり、恋人へのプレゼントは1万円以下の予算感で捉えている方が多くいるようだ。筆者印象としては、意外と少ないな、という感じである。
以上の質問結果から
「普通に過ごすけど、1週間くらい前から1万円くらいのプレゼントを探そう」
これがクリスマスを目前にした、恋人のいる不特定多数の男女に見られる最も多い思考パターンであることが分かるだろう。
さて、クリスマスやプレゼントについてみんなどのように考えているかが分かってきたところで、気になる「探し方」や「購入方法」についての質問へと移っていこう。
情報収集と購入チャネル
プレゼントを買う際の情報収集手段についての質問では、以上のような結果が出ている。圧倒的にインターネットで情報収集をする方が多いことが分かった。モールなどECサイトは言わずもがな、レビューや価格比較サイトなどで容易にお得な情報を探せる利便性を考えればある意味当たり前の結果とも言える。
次いで、インターネットで情報収集する際に利用するWEBサイトやサービスについての質問。
Yahoo!JAPAN、楽天、Amazonが上位3位を占めている。僅差でYahoo!が首位獲得。ポイントによる会員囲い込み戦略を展開する楽天がわずか0.3%の差で2位。豊富な品揃えと配送スピードが魅力のAmazonが続いている。
クリスマスプレゼントのお金が落ちる場所は
最終的にクリスマスプレゼントを購入するチャネルに関する質問では、実店舗が6割以上を占める結果となった。
情報収集手段としてインターネットが7割以上を占めた結果に対し、この結果は驚きである。実店舗で商品を手にとって見て購入はネット、といういわゆる「ショールーミング」と呼ばれる消費行動が実店舗購入率を下げる傾向が強い中、ことプレゼントに限っては真逆の現象が起きているということだ。
ここには一体どのような消費者心理が働いているのだろうか。思うに、人に渡すプレゼントでは、失敗したくないという気持ちが自分の買い物時よりも強く働くのではないか。準備開始期間は1週間前が最多ということで、万が一インターネットで購入して失敗した場合、返品もしくは購入しなおしを図っても、発送時間など考えるとクリスマスに間に合わないという事態も考えられる。そういった懸念材料の払拭には、多少手間でも実際に店舗に向かい実物を確認するのが一番だ。インターネットで情報にあたりを付けておき、最終確認で自分の目で見たいという方が多くいることが分かる。
あとは単純に、気持ちを込めるという意味で自らの足を使い自らの手で選びたい、という心理も働いていることが想像できるだろう。
購入に誘い込む一工夫を
こうして見てみると、意識的にか無意識的にか、消費者はネットの利便性と実店舗の強みのいいとこ取りをしている印象を受ける。EC事業者はそのどちらも活かした戦略を練り、商品購入に対し賢くなっている消費者達にアピールすることが大切であるだろう。実店舗を持っている場合、しっかりとしたオムニチャネル化を組み込むことはもはや必須である。
また、最終的な購入は実店舗が多い傾向にあるが、購買行動の入り口の7割はインターネットからだという点も忘れてはいけない。プレゼントを買う目的を持った消費者の7割がタッチしているポイントで、何かしらの工夫をこらし購入まで落とし込めるフックを用意しておけば、「検索されて終わり」という状況から脱却することも十分可能であろう。消費者が不安に思うであろう点を払拭するため、商品画像の精度や枚数を上げる、または3D画像で360度回転して商品を見ることができるシステムを導入するなど、実店舗に近い商品アピールをインターネット上で展開できるようにしていけば結果に違いも出てくるように思う。
いかがであっただろうか。
クリスマスプレゼントに関する消費者の心理と購買行動に関する調査であった。クリスマスプレゼント用のキャンペーンなどを行ったEC事業者の方々には、興味深い内容であったと思う。消費者は日々進化しており、大きな商機である時期イベントの際に、売り手はその進歩の先をいかなければならない。
次なるイベントは年越しと年始、戦略対策はバッチリでしょうか?ひとまず今夜は、この記事を読む全ての人に素敵なクリスマスイヴがおとずれますように。