ヤマトHD、CVCファンド「KURONEKO Innovation Fund 2号」をグローバル・ブレインと共同で設立
ヤマトホールディングス株式会社(以下:ヤマトHD)は2024年5月15日、独立系ベンチャーキャピタル大手のグローバル・ブレイン株式会社(以下:グローバル・ブレイン」)と共同で、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(以下:CVCファンド)「KURONEKO Innovation Fund 2号」(以下:KIF2号)を設立した。
物流および関連市場における成長モデル創出等目的
ヤマトHDは2020年4月、グローバル・ブレインと共同で物流および関連市場における成長モデルの創出やオープンイノベーションの加速を目的に、CVCファンド「KURONEKO Innovation Fund」を設立。様々な分野でポートフォリオを構築するとともに、投資先の企業が保有するテクノロジーやビジネスモデルなどの知見を幅広く得ることで、相互の事業成長につなげてきた。
今回、KIFの新規投資枠が終了したことを受け、新たに設立されたKIF2号の概要については、以下の通りとなる。
◆名称(登記上の名称):YMT-GB2号投資事業有限責任組合(英文表記:KURONEKO Innovation Fund II L.P. )
◆運用総額:80億円
◆運用期間:10年間
◆投資対象
▷物流およびサプライチェーンに変革を起こしうる革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップ企業
▷ヤマトグループとの協業が見込めるスタートアップ企業
◆対象ステージ:全ステージ(シード・アーリー・ミドル・レイター)
◆対象地域:日本を中心に、北米、欧州、アジアなどで投資を行う
◆無限責任組合員:グローバル・ブレイン株式会社
◆有限責任組合員:ヤマトホールディングス株式会社
オープンイノベーションをさらに加速
ヤマトグループは「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定め、2024年2月に中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」(以下:SX2030 ~1st Stage~)を策定。
「SX2030 ~1st Stage~」では、持続可能な未来の実現に貢献するため、多種多様なパートナーとともに、イノベーションを起点とした「新たな物流」「新たな価値」の創造を目指している。
今回「SX2030 ~1st Stage~」の実現に向け、ヤマトHDにおけるオープンイノベーションをさらに加速させるべく、KIF2号を設立。「SX2030 ~1st Stage~」で掲げる環境戦略の推進を支える気候テック(Climate Tech)など、新たな領域を投資対象に加えるとした。
◆投資領域イメージ図
※画像出典元:CVCファンド「KURONEKO Innovation Fund 2号」を80億円で設立(ヤマトホールディングス株式会社)
協業やシナジー効果による事業拡大も期待
KIF2号設立にあたり、ヤマトHD代表取締役社長、長尾裕氏以下のようにコメントしている。
「今回設立したKIF2号では、投資領域を広げるだけでなく投資対象ステージにレイター期を加えることで、協業やシナジー効果による事業拡大も期待しています。また、ヤマトグループが保有する物流の知見や経営資源を活用いただける体制も構築しました。引き続き、グローバル・ブレインさまのご支援をいただきながら、パートナーの皆さまとともに相互の企業成長を目指します。そして、新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります」
さらに投資対象ステージを拡大し、社会課題への解決や事業と親和性が高くシナジーが見込める企業でポートフォリオを構築する姿勢を見せる。持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業を目指した取り組みに注目したい。