登録した覚えのないメルマガは迷惑メールに!? EC事業者は要注意 ユミルリンク×ライトアップ共同調査

三浦真弓【MIKATA編集部】

「登録した覚えのないメールマガジン」は迷惑メールと判断 グラフ出典:ユミルリンク株式会社

ユミルリンク株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:清水亘)と株式会社ライトアップ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:白石崇)は、ユーザーがどのようなメールマガジンを迷惑メールとして報告するのかについて、共同調査を実施。EC事業者は配信頻度、配信内容、登録時の意思確認に注意が必要だ。

Gmailの「メール送信者のガイドライン」でメール拒否の可能性

今回の調査目的を、ユミルリンクでは2023年10月にGmailの「メール送信者のガイドライン」が更新されたことだと説明。同ガイドラインでは、迷惑メール率が0.30%以上になっている場合、メールが拒否されたり、受信者の迷惑メールフォルダに配信されたりすることがあるとしている。今回のユミルリンクとライトアップによる共同調査では、ユーザーがどのようなときにメールマガジンを迷惑メールに分類するのかを調べている。

この調査リリースから一部を紹介する。

【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象:20歳以上の男女
企業やブランド、店舗などのメールマガジンを登録している方
有効回答数:1138人
調査期間:2024年4月15日~2024年4月16日

出典:ユミルリンク「『登録した覚えのないメールマガジン』は迷惑メールと判断!?~メールマガジン登録ユーザーの動向調査に関するレポートを公開~」

「意図・登録の覚えがないメルマガ=迷惑メール」と報告される危険性

今回の調査では、意図しないメールマガジンを受け取った場合、「メールを配信停止する」「メールを削除する」を選択するユーザーとともに、「迷惑メールフォルダに入れる、迷惑メールとして報告する」と回答したユーザーが25.6%存在していることが分かったという。

では迷惑メールフォルダに入れたり報告したりする理由は何か。

最多は「登録した覚えのないメールマガジンだったから」の56%。先の設問と合わせて見ると、「受け取りたくない」とユーザーに思われてしまうメルマガは迷惑メールと判断されていることが分かる。

「受け取りたくない」という気持ちが配信停止ではなく、迷惑メールフォルダに入れる・報告することにつながっているのは、「配信停止ができない」「面倒」と考えるユーザーが多いからと考えられる。調査によれば、オプトアウト(Opt-out:メルマガにて「配信停止」「配信解除」すること)の分かりにくさや、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する近年の傾向が影響しているようだという。

出典:ユミルリンク株式会社

また、「登録した覚えがないメールマガジンだったから」という理由で迷惑メールフォルダに入れる・報告するユーザーもいる。メルマガの迷惑メールフォルダ入りや報告を避けるためには、オプトイン(受信者が「メルマガの購読登録すること」や「受信許可すること」)・オプトアウトの分かりやすさが重要になってくるといえる。

配信停止・迷惑メールだと判断されないメルマガ配信を

では、どのようなメールに対して、ユーザーは配信停止または迷惑メールフォルダに入れる・報告するのか。

これはメルマガの“内容”と“頻度”が関係するという。

配信停止の理由として最も高かったのは「自分の興味がない情報ばかり届いたとき」で81.1%、次いで「配信頻度が多いと感じたとき」が52.3%。リコメンド機能などでパーソナライズされた情報を受け取ることが多い昨今、メルマガの内容の重要性が上昇。

配信頻度は迷惑メールだと判断する基準でも43.6%と高い数値になっています。「送られてきた内容に心当たりがない」「登録した覚えがない」などオプトインに関する項目にも票が集まっているため、配信頻度とオプトインの分かりやすさについては徹底的に注意するべきということだろう。

出典:ユミルリンク株式会社

なお配信頻度が多いと判断されるのは、1日2~3通以上の配信で全体の33.8%が多いと回答。伝えたい情報があったとしても、配信頻度は1日1通までに抑えたほうがいいようだ。

メールマガジンを配信停止したい(迷惑メールフォルダに入れる・報告する)と思われることは単にメールマガジンの効果が下がるだけではなく、ブランドイメージの毀損につながることもある。アンケート結果を見ると、配信停止したいと感じたユーザーの40%近くが企業やブランドへの好感度が下がったと回答している。

若い世代は気軽な感覚で迷惑フォルダに1クリック!?

メルマガが迷惑メールと判断されれば、その後のメール配信そのものに大きなダメージがあるのは間違いない。「迷惑メールフォルダに入れたり報告したりするのは1クリックでできるため、とりわけ若い世代は気軽な感覚で利用している」と考えられるとユミルリンクでは指摘。今回の調査結果を参考に迷惑メールとみなされないよう、新たなルールに対応し、ユーザーに好まれるメルマガを制作・配信する必要がある。

変更履歴:本文・図表を一部変更いたしました。(2024年5月30日 9:40)