詐欺サイト検知数は約700万件に? BBソフトサービス調査
BBソフトサービス株式会社(以下:BBソフトサービス)は、詐欺ウォール®️によって調査・収集したデータを分析し、2023年のネット詐欺の状況をまとめた「2023年 年間インターネット詐欺リポート」を公開した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
イオン銀行を騙ったフィッシングサイトがトップに
本調査による、2023年の詐欺ウォールによる詐欺サイト検知数は約700万件にのぼる。前年比で約1.34倍、2021年比では約2.04倍と大きく増加した(※1)。
※画像元:2023年 年間インターネット詐欺リポート(BBソフトサービス株式会社)
また、フィッシングサイト(※2)で最も多かった事例は、イオン銀行を騙ったもの。近年、同じ内容のフィッシングサイトが短期間で集中的にばらまかれる傾向にあり、イオン銀行のフィッシングサイトも2023年の6~7月に短期集中的に多く確認された。
えきねっとやETC利用照会サービスといった、交通系のフィッシングサイトは短期集中型ではなく、毎月多く報告されていることから、2023年全体で見ても上位10位内に入る。
こうしたブランドには規則性がないため、時期や需要などを考えず、すべてのブランドに注意する必要があるとした。
※1:Windows版:3.3.0/macOS版:3.5.0/Android版1.7.0/iOS版3.2.0.4のアプリバージョン以上の詐欺ウォールを利用している顧客アクセス数値を集計
※2:実在する銀行やECサイト等を装って個人情報を詐取する可能性のあるサイト
「偽販売・違法販売」が増加傾向
2023年に詐欺ウォールで収集したネット詐欺の手口で最も多かったものは「偽販売・違法販売」で約63.53%。破格の値段設定などで興味をそそり、偽販売サイトへ誘導する手口である。
サイトで購入手続きを行っても、粗悪品が送り付けられる、そもそも何も発送されないなどの被害に遭う可能性があり、実数で前年比2倍以上に増加。またサポート詐欺が増加した影響で「ワンクリック詐欺/不当請求」の構成比も高くなっている。
EC市場の拡大につれてユーザー数が増加していることから、こうした被害が拡大していることも考えられるだろう。各事業者はユーザーに対して適切なアナウンスを行う必要がある。
サポート詐欺の増加傾向は今後も継続
2023年はサポート詐欺が急増。情報処理推進機構(IPA)が公開しているデータによると、2023年に寄せられたサポート詐欺関連の相談件数は4145件と、前年の1.7倍以上になった(※3)。
このサポート詐欺の増加傾向は今後も継続する可能性が高く、被害を防ぐために日頃からサポート詐欺の手法や対処法を理解しておくことが求められる。実際に遭遇した際には警告画面の指示には従わず、冷静にブラウザを閉じるなどの対応が重要だ。
また、フィッシング詐欺被害防止についても「URLが正規のURLか確認する」「個人情報やクレジットカード番号の入力を促すメール・SMSに注意」「ログインID・パスワードの使い回しを控える」といった対策が求められる。
事業の信頼性を高めるためにも、ユーザーに対する注意喚起と同時に、サイトのセキュリティ強化、詐欺専用ソフトの導入を検討するといいだろう。
※3:情報処理推進機構(IPA)情報セキュリティ安心相談窓口公開レポート