SaaSの活用が進むも、9割近い企業がデータ連携に課題? BizteX株式会社調査

ECのミカタ編集部

【調査レポート】SaaSの活用が進むも、86.9%の企業がデータ連携に課題。専門知識やスキルが不要な連携ツールの導入が解決の鍵。

BizteX株式会社(以下:BizteX)は、企業におけるSaaSのデータ連携に関する課題についてアンケート調査を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査の目的:SaaSのデータ連携に関する課題の把握
◆調査対象:SaaSを利用している企業で、ITサービスの導入・選定にかかわる業務を担当している方
◆調査時期:2024年2月

▷スクリーニング調査:2024年2月16日〜19日
▷本調査:2024年2月21日〜22日
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査実施機関:BizteX株式会社
◆有効回答数:スクリーニング調査8638、本調査536

◆出典元:企業のIT担当者536名が明かしたデータ連携の実態(BizteX株式会社)

9割近い企業がデータ関連に課題を感じる

回答者の勤務先企業で、データ連携にどのような課題があるかを尋ねたところ「問題ない」8.2%、「わからない・答えたくない」4.9%は合わせて13.1%。86.9%もの企業が、データ連携に何らかの課題を感じていることが判明した。

具体的な課題として最も多かった内容は「部門ごとに異なるSaaSを利用しているため、部門間のデータ連携ができていない」で39.9%。以降、「データ連携が複雑化し、全体像を把握できない」35.4%、「異なるSaaS間でのデータやステータス管理の一元化・同期ができていない」35.3%と続いた。

3割程度の企業が手動でデータ連携を実施

データ連携の方法について、回答全体では、「iPaaSもしくは同様の機能」が47.9%、「スクラッチ開発したプログラム」が46.5%。「CSVのエクスポート/インポートなどによって手動で連携している」と答えた企業は26.7%にのぼった。

企業規模別では、従業員数が200名未満の企業と1000名以上の企業では「iPaaSもしくは同様の機能」が最も多い。

一方、200名以上500名未満の企業と500名以上1000名未満の企業では「スクラッチ開発したプログラム」が最多。また、200名未満の企業では、「データ連携をしていない」と回答した割合が、200名以上の企業よりも多くなった。

半数以上の企業がiPaaSの導入を検討

データ連携ツールとして注目されるiPaaS(※1)の導入状況については、「具体的に導入に向けて検討している」と「導入時期は未定だが検討している」が合わせて54.9%にのぼり、半数以上の企業がiPaaSの導入を検討していることが明らかになった。

企業規模別にみると200名未満の企業では「具体的に導入に向けて検討している」と「導入時期は未定だが検討している」の合計が39.7%にとどまる。

一方で「検討したことがない」は43.4%と多く、200名未満の企業に限ると、検討していない企業の割合が増えることが分かった。このことから、小規模企業ではiPaaSが選択肢に入っていない実態がうかがえるだろう。

※1:iPaaS(Integration Platform as a Service、アイパース)とは、複数のアプリケーションを連携するためのプラットフォームを提供するクラウドサービスを指す。

iPaaSの導入を検討していない企業が不安に感じていることとしては「スキルを持った人材がいない」「コストがかかる」などがあげられた。

データ連携の課題を解決には「専門的なスキルがなくても利用できる」「企業規模や目的、予算に沿った料金設定」といった条件が鍵になるはずだ。現場の業務効率化実現のためにも、スムーズなデータ連携は重要だ。事業規模に応じた、適切な連携ツールの導入を検討してほしい。


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