年内の商品・サービス値上げ予定は7割以上に 東京商工リサーチ調査

ECのミカタ編集部

年内に商品・サービスを値上げ、7割を超す 「過剰債務」企業は26.0%、「返済に懸念」は16.4%

株式会社東京商工リサーチは2024年6月21日、「業績予想」「値上げ」「過剰債務」に関するアンケート調査結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2024年6月3日~10日
◆調査方法:インターネットによるアンケート調査
◆回答数:5526社
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義
◆出典元:「業績予想」「値上げ」「過剰債務」に関するアンケート調査(株式会社東京商工リサーチ)

宿泊業の80%が「増収」と回答

「今年度(2024年度)の業績はどのように見通しますか。1年間を通じた大まかな売上高と利益(経常利益ベース)の見通しをお答えください」について、最多は「増収増益」の23.3%(5526社中、1288社)という結果となった。

以降は「横這い横這い」の20.9%(1158社)、「減収減益」の18.1%(1005社)と続く。

業種別(業種中分類、回答母数10以上)では「増収」トップは「宿泊業」の80.0%(20社中、16社)、「減収」は「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の51.9%(52社中、27社)。「増益」は「ゴム製品製造業」の54.5%(22社中、12社)、「減益」は「非鉄金属製造業」の52.6%(19社中、10社)となった。

半数以上がすでに「値上げ」を実施

2024年に入ってからの「値上げ」実施については「(値上げ)した」の50.5%(5144社中、2602社)がトップに。加えて「今年中にする予定」は24.3%(1250社)と、合計74.8%が値上げに踏み切ることになった。

値上げに踏み切る企業を業種別(業種中分類、回答母数10以上)で分析すると、非鉄金属製造業など4業種で9割を超える。

一方、「今年中の予定はない」との回答は、電気業の83.3%(12社中、10社)がトップになり、ソーラー発電所や集合住宅向け配電業者などが目立った。以下、保険業や学校教育などが続く。

コロナ前後合わせて26.0%が「過剰債務」に

「債務(負債)の状況」については、26.0%が「過剰感あり」と回答した。

負債比率や有利子負債比率など定量数値に限定せず、債務の過剰感を聞いたところ、「コロナ前から過剰感」は10.7%(5283社中、568社)、「コロナ後に過剰感」は15.2%(808社)で、合計26.0%が「過剰債務」となった

「過剰感あり」を業種別(業種中分類、回答母数10以上)で分析すると、「宿泊業」が75.0%(20社中、15社)で最も多く、「飲食店」の57.1%(35社中、20社)などが続く結果となった。

原材料価格や人件費の高騰、エネルギー価格の上昇が止まらず、経営を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。より一層柔軟な対応、施策が求められるだろう。


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