「買いたいと思わせる言葉」とは?心理学や購買心理の観点から解説

ECのミカタ マーケティング部

「買いたいと思わせる言葉」とは?心理学や購買心理の観点から解説

自社でECサイトを運営しているなかで「アクセス数はあるが、コンバージョンにつながらない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。ECサイトでの販売では、商品紹介やキャッチコピーの作成に力を入れるべきです。

今回は、買いたいと思わせる言葉について、心理学やマーケティングの視点から解説します。また、実際に目を引くキャッチコピーの例も紹介するので、参考にしてください。

売り上げUPが得意なパートナーを探してみる

人が物を買いたくなる心理

買いたいと思わせる言葉を考えるうえで、購買意欲にはどのような思考や心理が働いているのかを知ることが大切です。

ここからは、心理学的視点とマーケティング的視点に分けて、購買心理についてくわしく説明します。

心理学的視点で考える購買心理

購買心理とは、人が商品やサービスを購入するまでの心の動きのことです。人が何かを購入するとき、さまざまな心理が働きます。ECサイト運営を円滑におこない、売上を立てるには、購買心理を知り活かすことが大切です。

商品の購入をうながすために活用する購買心理の例は、以下のとおりです。

心理 概要
カクテルパーティー効果 人間の脳は入ってくる情報を、
無意識のうちに取捨選択しているという現象。
興味がある話題や、自分の名前などを自然に聞き取れることをさす。
カラーバス効果 特定のことを意識すると、
それに関係のある情報が自然に目に留まるという現象。
たとえば「赤い車がほしい」と考えているときに、
街を走っている赤い車に無意識で目がいくことをさす。
認知的不協和 自分の考えと行動という認知に矛盾が生じたとき、
不安やストレスを解消するために、
元々もっていた考えを変え、行動を正当化する現象。
ツァイガルニック効果 達成できたことよりも、達成できなかったことや、
中断していることのほうをよく覚えている現象。
たとえば、伏せ字で重要な部分を隠すことで、
見る人の興味を引くことをさす。
バーナム効果 誰にでも当てはまる一般的な説明や特徴が
「自分だけに当てはまる」と感じる現象。
一貫性の原理 「自分の言動や態度、信念を一貫させたい」という心理。
消費者にチェックボックスの活用で
「自ら選択した」と認識してもらい、行動に一貫性をもたせられる。
リフレーミング効果 物事の枠組みを変え、異なる視点から見ることをさす。
視点を変えることで、短所が長所に変わることがある。
シャルパンティエ効果 イメージによって重さの判断が変わってしまう錯覚。
同じ重さや量でも、表現の仕方で受け取る印象は異なる。
権威への服従原理 専門家の話を聞いた場合、
実際に信憑性があるかどうかにかかわらず、
「正しい」と信じてしまう現象。
希少性の原理 希少性の高いものに価値を感じる現象。

ECサイトでの心理学の活用について、以下の記事でくわしく扱っています。
https://ecnomikata.com/blog/19804/

また、ECサイトの文字に買いたくなる色を使用することでも、購買意欲が上がる可能性があります。マーケティング業界では、以下の4つが「4大販売色」として知られています。

理由
購買意欲をそそる色。
商品価格や購入ボタンの色によく使われる。
知性や信頼を感じさせる色
清潔感、クリーンなイメージを抱かせる色
高級感、重厚感を抱かせる色

やみくもに商品に関するテキストやデザインを考えるよりも、購買心理を理解することで商品やサービスの購入率が上がりやすいです。

出典:広告によるマーケティングと消費者心理に関する研究-女性消費者をターゲットとする日産自動車の事例を通して-|東京家政学院大学紀要

マーケティング的視点で考える購買心理の7段階

マーケティング的な視点でみた購買心理について、さまざまなモデルが提唱されています。

たとえば、1920年代に提唱されたAIDMAの法則では、消費者が商品やサービスの購入にいたるまでに、以下の5段階を経るといわれています。

  1. 注意(Attention)
  2. 関心(Interest)
  3. 欲求(Desire)
  4. 記憶(Memory)
  5. 行動(Action)

また、インターネットの普及に合わせた消費者行動モデルであるAISCEASの法則では、購入までのプロセスを以下の7段階に分類します。

  1. 注意(Attention)
  2. 関心(Interest)
  3. 検索(Search)
  4. 比較(Comparison)
  5. 検討(EXamination)
  6. 行動(Action)
  7. 共有(Share)

ほかにも、購買心理を8段階や10段階にわけた法則なども提唱されています。

マーケティングでよく使われる「購買心理の7段階」では、以下の7つにわけられています。

  1. 注意
  2. 興味
  3. 連想
  4. 欲望
  5. 比較
  6. 確信
  7. 決断

ここからは、それぞれの段階についてくわしく解説します。

出典:
アイドマの法則|日本経営心理士学会
AISCEASの法則とは|有限会社アンヴィコミュニケーションズ
平成23年版 情報通信白書 第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて|総務省
背景色が商品イメージに与える影響|東京未来大学研究紀要

1)注意

消費者が商品を認識する段階です。消費者はSNSや雑誌、TVのCM、広告などを通してサービスや商品を認識します。

2)興味

消費者が商品やサービスに興味を持つ段階をさします。広告のクリックや、SNSへの反応が例として挙げられます。キャッチコピーや広告で興味をもってもらうために、カクテルパーティー効果やカラーバス効果、ツァイガルニク効果などをうまく活用しましょう。

3)連想

商品やサービスを利用しているシーンをイメージしてもらう段階です。ECサイトでは、商品を利用している場面の画像や動画を用意するとよいでしょう。

4)欲望

商品やサービスを利用している場面をイメージし魅力を感じた人のなかでは、程度は違えど「ほしい」という気持ちが発生します。見込み客が抱く欲望を見極め、さらに購買意欲を搔き立てる工夫をおこないましょう。

連想や欲望の段階にある人には、一貫性の原理やシャンパンティエ効果、リフレーミング効果などが有効です。

5)比較

商品やサービスの購入を検討し始めた消費者は、ほかの商品やサービスとの比較を始めます。似た商品やサービスにお金を出すなら、低価格で高品質、口コミが高い商品を選びたいと思うのは当然ですよね。

自社の商品を選んでもらうには、他社にはない強みを強調したり、口コミを集めたりすることが大切です。

6)確信

6つ目は、購入を迷っている消費者の気持ちを確信に変える段階です。消費者は比較検討したとしても「損したくない」という心理から、最後まで決断を迷います。

消費者の購買意欲を後押しするために、権威への服従原理や希少性の原理をうまく活用しましょう。

7)決断

最後は、商品やサービスの購入を決断する段階です。ショッピングカートからの離脱を防ぐために決済方法を工夫し、購入につなげましょう。

以上のことから、購買心理の段階に応じて必要な対策が異なることがわかるでしょう。また、商品ページだけでなく、SNSや広告を活用したり、口コミを充実させたりすることも大切です。

「自社だけですべてを完結させるのが大変」と感じる方は、自社に合うECサイト運営代行に依頼するのがおすすめです。

ECのミカタでは、代行業者とのマッチングサービスを無料でおこなっているので、自社サイトのコンバージョンが伸び悩んでいる方はお問い合わせくださいね。

画像リンクの例 画像リンク

人が物を(思わず)買いたくなる・購買意欲をかき立てられる言葉とは

ここからは、人が物を思わず買いたくなる言葉の特徴をみていきましょう。キャッチコピーや商品紹介ページに活用してくださいね。

具体的な未来の価値を提示する

商品やサービスを購入した先に得られる価値を提示すると、当事者意識が芽生えやすくなります。購入した未来の姿を具体的にイメージできるような文章を作成しましょう。

限定感や特別感をアピールする

限定感や特別感をアピールされると、購買意欲がかき立てられます。比較から確信の段階に移る際に、希少性の原理が働きやすいためです。損したくない心理を刺激すると、消費者は必要・不要とは別軸で購入を検討し始めます。

商品への信頼度を高める

専門家や著名人が推薦することで、商品の信頼性が高まります。なぜなら権威性への服従原理が働くためです。

【キャッチコピー・テキスト編】「買いたいと思わせる言葉」一覧

ここからは、実際に買いたくなる売り文句やキャッチコピーの例をみていきましょう。

具体的な未来の価値を提示する

具体的な未来の価値を提示する言葉の例は、以下のとおりです。

  • これを使えば、毎日がもっと快適に
  • もしあなたが〇〇をしているなら、〇〇のチャンスです

自社の商品やサービスの効果を謳うのではなく、消費者に手に入れた先の未来を意識してもらいましょう。

限定感や特別感をアピールする

限定感や特別感をアピールするには、以下の例文を参考にしてください。

  • 夏季限定
  • 〇〇様だけに限定のオファーです
  • 限定、先着〇名様
  • 〇時までのタイムセール
  • WEB限定、店舗限定

「今を逃したら二度と手に入らないかもしれない」と、消費者の購買意欲をかき立てます。

商品への信頼度を高める

商品への信頼度を高める言葉の例は、以下のとおりです。

  • 〇〇研究50年の専門家が開発
  • 美魔女が開発した〇〇

権威のある人が開発に関わっていることを示唆すると、思わず買いたいと思ってもらいやすいです。

【営業トーク編】「買いたいと思わせる言葉」一覧

営業トークでも、買いたいと思わせる言葉を使うことが大切です。ここからは、実際に使える言葉の例を紹介します。

顧客が求める理想・価値基準を明確にする

営業トークでは、顧客が求める理想や価値基準を明確にしましょう。

  • 目指したいゴールやビジョンはございますか?
  • 理想を実現する際に、お困りのことは何がありますか?
  • 商品を購入する際に、外せない要素はありますか?

理想や悩み、価値基準を顧客が言語化できない部分まで掘り下げていくことで、信頼を獲得できます。

また、価値基準は必要・不要を決める材料であり、購入時の判断に大きく影響します。

理想や価値基準に訴えかけられれば、人の心を動かせるでしょう。

購買意欲を購入につなげる

自社のサービスや商品の使用で、顧客が抱えている課題を解消できることを伝えます。

  • 弊社の商品では、〇〇の解消にお役立ていただけます
  • デメリットは△△ですが、〇〇で補うことが可能です

商品やサービスのメリットだけでなくデメリットも提示し、デメリットを補う方法があることも伝えると、顧客の安心につながります。

否定や反論は受け止めて肯定する

顧客からの否定や反論は、商品やサービス自体を否定しているわけではなく、意見を述べているととらえて、受け止めて肯定しましょう。

  • 確かにおっしゃるとおりです。私も同感です
  • 実際にほかのお客様にも、同様のことで悩む方がいらっしゃいます

顧客の不安や疑問は、商品やサービスを利用するのを想定したからこそ湧くものです。傾聴と共感を意識したコミュニケーションで、顧客の心を軽くすることに目を向けましょう。

ECサイト運営でも「買いたいと思わせる言葉」は重要

人が物を購入するまでには、さまざまな心理が働いています。ECサイトの購入率を上げるためには、利用者の購買心理に着目して「買いたいと思わせる言葉」を考えましょう。この記事で紹介した売り文句を参考に、自社の商品の魅力が伝わる文章を作成してみてくださいね。

「買いたいと思わせる言葉を自社だけで考えるのは難しい」と感じる方は、ECサイト運営代行の利用もおすすめです。

ECのミカタでは、ECサイト運営代行とのマッチングサービスを提供しています。ECサイト特化メディアの専門コンシェルジュがヒアリングし、最適な会社を紹介します。

相談や会社の紹介は無料でおこなっているので、ECサイトのコンバージョンが伸び悩んでいる方は、気軽にお問い合わせくださいね。

ECサイトの運営代行を完全無料で探してみる


記者プロフィール

ECのミカタ マーケティング部

ECのミカタマーケティング部です。
日々、EC事業者様に役立つノウハウやサービスを模索
しております。こんな、いいサービスがあるよ!などの情報がありましたら
ぜひ、ご連絡下さい!

ECのミカタ マーケティング部 の執筆記事