2024年上半期、道路貨物運送業者の倒産は最多ペースに TDB調査

ECのミカタ編集部

道路貨物運送業者の倒産、最多ペースで推移 燃料価格の高騰と人手不足背景に増加

株式会社帝国データバンクは2024年7月5日、トラック運送業者など「道路貨物運送業」の倒産動向に関する調査・分析結果を公表した。

調査概要

◆集計期間:2024年6月30日まで
◆集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
◆集計機関:株式会社帝国データバンク
◆出典元:「道路貨物運送」倒産動向(2024年上半期)(株式会社帝国データバンク)

上半期の倒産件数は4年連続で増加

2024年上半期(1〜6月)の道路貨物運送業者の倒産件数は186件にのぼり、前年同期(133件)から39.8%増、4年連続で増加する結果となった。

上半期としては2009年(218件)に次ぐ2番目となり、このままのペースで推移すると年間最多となった2009年(374件)を上回る可能性がある。

一方、負債総額は227億8800万円と前年同期(250億6800万円)を下回り、1社あたりに換算すると約1億2300万円に。10億円を超える倒産は発生せず、倒産件数は1億円未満の小規模な業者が54.8%を占めた。

下半期も高水準で推移が予想

倒産要因としては「燃料価格の高騰と人手不足(人件費負担)」が最も多くなった。軽油価格は燃料油価格激変緩和補助金導入後でも1リットル155.2円(7月3日時点、資源エネルギー庁)と、10年前の147.4円(2014年7月7日時点)に比べると7.8円も高い。

小規模事業者としては、収益確保のために荷主に対して値上げ交渉を進めたいが、安値の同業に流れて失注しかねず、継続的には交渉がしづらいという現状も経営悪化を招いてる状況だ。

時間外労働の上限規制の開始による深刻な人手不による、傭車コストの増加が営業損失の要因となっている。また、コロナ後の荷動き回復で増車したものの、燃料費や部品の値上げで収益を圧迫、車両リース料や借入返済など金融債務が負担となるケースもあったという。

年下半期も引き続き、道路貨物運送業者の倒産は高水準で推移することが予想される。EC事業者は常に最新の動向に注視しながら、物流環境の維持に努める必要があるだろう。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事