ダイソー、2023年度売上が過去最高を記録 その背景とは?
株式会社大創産業(以下:大創産業)は2024年7月26日、前期(2023年3月~2024年2月末)における売上高が6249億円(前々期比:106.0%)となり、過去最高を記録したことを公表した。伸長の背景にはブランド戦力や出店の他、ECサイトの存在も大きいという。
ネットショッピングニーズに対応
大創産業は2020年に企業向けのECサイトを開設、2021年5月には、一般消費者向けにまとめ買いが可能な「オンラインショップ」、1個から購入できる「ダイソー・ネットストア」を開設。インターネット販路の拡充によって、コロナ禍を経て高まったネットショッピングのニーズにも対応してきた。
2024年2月末時点における、DAISO公式Instagramのフォロワー数は187万人を突破。商品をアピールし、ECサイトや店頭へ誘導することに貢献している。
また、顧客に対し店頭での商品撮影を容認しており、消費者がお気に入りのアイテムや、工夫した使い方を画像や動画で各種SNSに自由に投稿、共有することで、消費者から情報が広まり、共感を獲得することができているという。
2023年12月にはファンサイト「DAISOの輪」を開始し、ファンが商品開発の意見交換ミーティングなどを通し、より強い繋がりを持てる場を提供し続けている。
商品拡充、物流戦略なども売上をけん引
大創産業はECサイトの拡充の他、以下内容も売上をけん引した要因であると指摘する。
◆DAISO取り扱い商品の拡充
DAISOの商品開発においては、低価格での生活必需品の提供に加え、環境にやさしい素材を取り入れたほか、推し活グッズやコスメ、ガジェット、クラフトや釣りなど趣味趣向品を強化。「何度行っても楽しい」「行くたびに新たな発見がある」商品展開で、幅広い年齢の顧客のリピート来店に繋がっている。
◆Standard Productsの拡大
2021年3月に東京渋谷へ初出店したStandard Productsは、良質で心地よい商品やサステナビリティと環境問題を意識した商品をコンセプトに、それまでの100円均一の型を破り、7割を300円として、取り扱う商品の幅を大きく広げることに成功。地域産業とのコラボレーションによって生み出される商品は、社会課題を意識した製品作りとして消費者からの共感を獲得している。
◆物流戦略
2023年7月に神奈川県平塚市へ大型物流センターを開設、自動化を進めた最新の倉庫を整え、出店の増加により課題となっていた出荷キャパシティを拡大。2024年7月には、マレーシアに約12万㎡の大型自動倉庫「マレーシア新 GDC(広域へ配送する在庫保管型物流センター)」を着工、2027年春の稼働を予定している。
地域特性、規模に合わせたスタイルで出店を拡大
2024年2月末時点における「DAISO」「Standard Products」「THREEPPY」の国内店舗数は4341店と、前々期4129店から105.1%に拡大。2022年4月の銀座へのグローバル旗艦店出店を皮切りに、新規出店時にDAISOを含めた3ブランド、2ブランドを同時に出店する取り組みを進めており、より幅広い顧客層への訴求を推進している。
また、ホームセンターやスーパーマーケットへ出店し、店舗側のレジを活用する「レジ流し」など、地域特性や規模にあわせた多様なスタイルをとることで出店を拡大し続けている状況だ。
大創産業は「今後も多角的な戦略を通し、利便性に加え、わくわくするお買い物の場をご提供し、皆様の豊かな暮らしに貢献してまいります」とコメント。実店舗とECサイトの組み合わせによって業績を伸ばす大創産業の動向に注目だ。