北海道内各地の名産品を道外へ ヤマト運輸とHACが輸送ネットワークを組み合わせた実証を開始

ECのミカタ編集部

北海道エアシステムとヤマト運輸の輸送ネットワークを活用した 離島を含む道内各地の特産品・名産品の道外への実証輸送を開始

ヤマト運輸株式会社(以下:ヤマト運輸)と株式会社北海道エアシステム(以下:HAC)は2024年7月31日より、離島を含む北海道内各地の特産物・名産品を北海道外へ輸送する実証を開始した。

小型旅客機と貨物専用機の輸送ネットワークを組み合わせる

本実証はHACの小型旅客機(ATR-42型)の貨物スペースを活用した北海道内の輸送ネットワークと、ヤマト運輸のトラックや貨物専用機(以下:フレイター)を活用した全国の輸送ネットワークを組み合わせたものである。概要は以下の通り。

◆実証輸送フロー
▷ヤマト運輸が奥尻島内の生産者から集荷し、奥尻空港にトラック輸送
▷HACが小型旅客機の貨物スペースに搭載し、奥尻空港から函館空港を経由(※1)して、札幌丘珠空港に航空輸送
▷ヤマト運輸が札幌丘珠空港から新千歳空港にトラック輸送
▷ヤマト運輸がフレイターで新千歳空港から羽田空港に航空輸送(※2)
▷ヤマト運輸が羽田空港から国内・海外にトラック・航空輸送

◆例:奥尻島から首都圏への輸送

※画像元:北海道エアシステムとヤマト運輸の輸送ネットワークを活用した離島を含む道内各地の特産品・名産品の道外への実証輸送を開始(ヤマト運輸株式会社 他)
※1:金・日曜日(一部期間を除く)は函館空港を経由せず、奥尻空港から札幌丘珠空港に直行。
※2:新千歳空港-羽田空港間はフレイター深夜便を活用するため、北海道内の各空港発-札幌丘珠空港着の最終便との当日接続が可能。

北海道内の物流課題解決を目指す

本実証は、ヤマト運輸とHACが2024年7月12日に北海道航空港湾局航空課と契約を締結した「航空貨物輸送網強化事業委託業務」の一環として実施。北海道内を運航する小型旅客機の貨物スペースを活用し、北海道内の航空輸送ネットワークの維持・拡充や、北海道内を取り巻く様々な物流課題の解決を目指すものである。

本取り組みには、主に以下のようなメリットがあげられる。

◆輸送手段の多角化による将来的な輸送力不足や災害などへの対応
◆現在運航している北海道内各路線の積載率を高め、経済性・環境性向上による航空輸送ネットワークの維持・拡充
◆日持ちがしない生鮮品などを主とした北海道内各地の特産物・名産品の北海道外・海外への商流拡大による地域経済の活性化

その他空港へも順次拡大予定

第一弾として、離島からの新たな物流網構築に向けて、奥尻島発の実証輸送を実施。また、新千歳空港-羽田空港間のフレイター深夜便を活用したスピード一貫輸送によって、北海道内各地の特産品・名産品の販路拡大による地方創生に貢献するとしている。

今後、実証輸送を行う空港を利尻空港や女満別空港などへ順次拡大が予定。また、小型旅客機に適した輸送資材の開発・オペレーション体制の構築や、自治体や事業者などとの連携強化による札幌丘珠空港と新千歳空港のさらなる活用などを通して、北海道内の航空輸送ネットワークや地域経済の持続的な成長を目指すとしている。

貨物専用機の深夜便活用によるスピード一貫輸送によって、道内事業者の販路拡大、売上向上にも貢献するだろう。今後の実証動向に注目、期待したい。


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