コールセンターの電話対応マニュアルの作り方。例文やフローチャートも紹介

ECのミカタ マーケティング部

コールセンターの電話対応マニュアルの作り方。例文やフローチャートも紹介

企業の顔としての役割も担う電話対応。新人からベテランまで、誰が対応しても質の高い対応ができるようなコールセンターを構築するためには、電話対応マニュアルを活用すべきです。

本記事では、電話対応マニュアルを作成する方法や、基本・クレーム対応に分けたフローチャート・例文、言葉遣い一覧をまとめています。電話対応マニュアルを作成する際の参考にしてください。

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コールセンターの電話対応マニュアルの作成方法・手順

電話対応マニュアルを作るにあたっての作成方法と手順を見ていきましょう。

大まかな流れは下記のとおりです。

  1. 全体構成・レイアウトを決める
  2. 細かな情報の洗い出し
  3. フローチャート・トークスクリプトの作成
  4. マニュアルに不備がないか確認

1つずつ解説します。

1)全体構成・レイアウトを決める

電話対応マニュアルの全体構成やレイアウトを検討します。以下、マニュアルに記載する基本項目です。

  • 会社情報
  • 商品・サービスに関する情報
  • ツール・アプリの操作方法
  • 電話応対フローチャート
  • トークスクリプト
  • 言葉遣い一覧

これら基本項目をベースとし、自社の電話対応に必要な情報を過不足なく盛り込みましょう。

また、電話対応はリアルタイムでの素早い対応が求められるため、必要な情報がすぐに見つけやすいレイアウトでなければなりません。よくある問い合わせをカテゴリーでまとめたり、関連する情報を調べやすくしておくと、スムーズで顧客満足度の高い電話対応につながります。

2)細かな情報の洗い出し

マニュアルの全体構成・レイアウトが決定したら、各項目ごとに必要な情報をさらに細かく洗い出していきます。特に、ツール・アプリの操作方法は、誰が見てもわかるようにしておきましょう。

また、フローチャートやトークスクリプトは顧客対応の核となるため、漏れがないように慎重に情報の整理をしましょう。ベテランオペレーターに業務内容などをヒアリングをすることで、質の高いオリジナルのマニュアルが仕上がります。

なお、新規事業で電話対応の知見がない場合には、商品・サービスのペルソナをもとに想定しうる問い合わせ内容を洗い出します。

3)フローチャート・トークスクリプトの作成

細かい情報を洗い出したら、情報を整理・カテゴリー分けして電話対応の流れを示すフローチャートや理想のトークスクリプトを作成します。スキルの高いオペレーターのトークを参考にすることで、経験の浅いオペレーターでも質の高い顧客対応ができます。

4)マニュアルに不備がないか確認

マニュアルが完成したら、現場の実務とかけ離れた内容になっていないか、ロールプレイングをおこなって確認します。違和感や不明瞭な対応になってしまう場合には、適宜修正をおこない、現場で使えるマニュアルになるようブラッシュアップしていきます。

また、実際にマニュアルを使い始めたあとも、現場の声を反映させながら改善を繰り返す、情報の更新があれば必ず反映させるというように、一度作って終わりにならないよう気をつけることも大切です。

【基本の対応】コールセンターの電話対応マニュアル

基本的な電話対応の流れとトーク例を紹介します。自社の体制に合わせて適宜アレンジしてご活用ください。

基本のフローチャート

ここでは、顧客から問い合わせがあった場合のフローチャートを紹介します。そのほかにも、商品・サービスの申し込みやキャンセルなど、よくある基本対応の流れをフローチャートで俯瞰的に確認できるようにします。

基本の例文・トークスクリプト

前述したフローチャートをベースに、例文を紹介します。

オープニングトーク

「お電話ありがとうございます」
「〇〇(会社名)の△△でございます」
「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「本日はいかがされましたか?」

メイントーク

「〜についてのお問い合わせでございますね」

  • 解決できる場合
    「こちらは・・・(お問い合わせへの回答)」
  • 解決できない場合
    「申し訳ございませんが、・・・の対応はできかねます。〜でしたら、ご対応できるのですが、いかがでしょうか」

クロージングトーク

「ほかにご不明点やご要望はございませんか?」
「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。ご質問やご要望がございましたら、いつでもご連絡ください。失礼いたします」

【クレーム対応】コールセンターの電話対応マニュアル

続いて、顧客からクレームがあった場合のフローチャート・例文を紹介します。

クレーム対応のフローチャート

クレームの電話は顧客の感情が昂っている状態のことが多いため、慣れていないと緊張してしまいますが、慌てずに冷静に対処できるよう、一定のフローを決めておくと安心です。

クレーム対応の例文・トークスクリプト

前述したフローチャートをベースに、クレーム対応の例文を紹介します。

オープニングトーク

「お電話ありがとうございます」
「〇〇(会社名)の△△でございます」
「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「本日はいかがされましたか?」
「この度は、ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」

クレームの電話を受けた場合、自社の責任の有無が明確でない、自社に非がない場合でも、まずは謝罪します。ただし、謝罪で全面的に非を認めたことにならないよう、不快な気持ちを抱かせてしまったことに対するお詫びとすることがポイントです。

メイントーク

クレーム対応では、状況を正確に把握することがポイントです。顧客の情報や問題が発生した日時、クレーム詳細、クレームが発生した経緯をヒアリングします。このとき、誠意を込めて、共感をしながら聞く姿勢を見せることが大切です。顧客の話を遮ったり、反論したりすると、顧客がヒートアップしてしまいかねません。

  • 自社に落ち度がない場合
    「こちらは・・・(状況説明をおこない、納得いただく)」
    「(返品やキャンセルを要求された場合)大変申し訳ございませんが、そのような対応はできかねます」
    悪意のあるクレームで、その場で対応しきれない、長々と執拗に責められ続ける場合には、折り返しの対応にするのがおすすめです。一度電話を切り、対応策を用意したうえで再度連絡をすると、顧客の気持ちも落ち着き、解決しやすくなることもあります。
  • 自社に落ち度がある場合
    「この度は、・・・(クレームが発生した原因)のためにご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした」
    「・・・のような対応をさせていただけたらと思いますが、いかがでしょうか」
    「今後このようなことがないよう、再発防止に努めます」

クロージングトーク

「この度は、ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。また、貴重なお時間をいただきありがとうございました」

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【一覧】コールセンターでの電話対応に役立つ言葉遣い

コールセンターの電話対応で役立つクッション言葉や使ってはいけないNGワードを紹介します。オペレーターが参考にできるよう、マニュアルに組み込んでおきましょう。

電話対応に役立つクッション言葉一覧

そのままストレートに伝えると相手が不快に感じてしまう内容の前に「クッション言葉」を入れることで、印象をやわらげ、相手に受け入れてもらいやすくなります。使いやすく、覚えておくと便利なクッション言葉を一覧にまとめました。

活用シーン クッション言葉
お願いするとき 恐れ入りますが
お手数をおかけいたしますが
ご面倒でなければ
ご足労をおかけいたしますが
もし可能でしたら
尋ねるとき 差し支えなければ
もしよろしければ
失礼ですが
お断りするとき (ご期待に添えず/お役に立てず)
申し訳ございませんが
心苦しいのですが
あいにくですが
残念ながら
反論するとき 申し上げにくいのですが
お言葉を返すようですが

電話対応で使ってはいけないNGワード一覧

普段何気なく使用している言葉でも、フォーマルな場には適さない言葉や、使い方を誤っているものがあります。電話対応で使ってはいけない、間違いやすいNGワードを抜粋して一覧にまとめました。

NG表現 正しい表現 補足説明
お名前を頂戴してもよろしいですか?
お名前をいただいてもよろしいでしょうか?
お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
お名前を教えていただけますか?など
NG表現は「名前をもらう」の尊敬語・丁寧語。
「名前を聞く」という表現が正しいです。
なるほど、なるほどですね 左様でございますか
ごもっともです
一般的に「なるほど」は相手を評価する表現のため、
ビジネスシーンでの使用は控えます。
とんでもございません とんでもないことです
とんでもないことでございます
「とんでもない」は1つの形容詞のため、分解せずに使用します。
〜させていただきます 〜いたします 「〜させていただく」は
“相手の許可を得る“自分が恩恵を得る”場合に使用します。
一見丁寧な表現に見えますが、乱用に注意しましょう。
〜になります
(担当は〇〇になります。など)
〜でございます コンビニ・ファミレス等で聞き慣れた表現ですが、
正しい言葉遣いではありません。
〜のほうでしょうか、〜する形でよろしいでしょうか 〜でしょうか、〜でよろしいでしょうか
〜でよろしかったでしょうか? 〜でよろしいでしょうか?

そのほか、二重敬語や社内でしか通用しない言葉、難しい専門用語も使わないように意識しましょう。

コールセンターでの電話対応で心がけること

最後にコールセンターの電話対応で心がけることを3つ紹介します。

会社の代表として対応する

電話に出た方が、新人でもベテランでも、電話をかけた相手にとっては関係ありません。電話対応が悪いと会社自体の印象が悪くなってしまうため、会社の顔として、責任を持って対応しましょう。

すぐに解決できない対応が難しい問い合わせでも、声のトーンや言葉遣い、スマートな対応を心がけることで、好印象を与えることができます。

3コール以内に電話に出る

3コール以上待たせてしまうと、電話をかけた顧客が「長い」と感じてしまいます。商品・サービスの利用を検討している見込み顧客の場合、連絡がつながりにくい会社での購入は見送られてしまう可能性が高くなります。

万が一、3コール以上かかってしまった場合は、「大変お待たせいたしました」と謝罪の気持ちを伝えましょう。

最初の3秒で良い印象を与える

対面で会うときと同様、電話対応でも最初の3秒で相手の印象が決まります。「お電話ありがとうございます。〇〇(会社名)の◻︎◻︎です」と名乗るのに必要な時間が3秒程度のため、最初の挨拶で声のトーンや大きさを意識しましょう。また、電話では表情や姿勢は見えませんが、口角を上げ、姿勢を正して話すことで声が通りやすく、明るい印象を与えられます。

対面で話すよりも電話越しのほうが気持ちが伝わりづらいため、社内で電話対応の練習をおこない、お互いにどのように感じたかを共有し合って改善につなげるのがおすすめです。

コールセンター業務は外部委託を検討するのもおすすめ

以上、コールセンターを運用するにあたって用意したい電話対応マニュアルの作り方や対応の流れ、役立つ言葉遣いなどを紹介しました。企業ごとに商品・サービス内容や対応方法、方針が異なるため、オリジナルの電話対応を確立させることで、顧客満足度を高めることができます。

とはいえ、ネットショップのような顧客対応が頻繁に発生するような事業形態の場合、電話対応にかかる時間・労力は計り知れません。また、コールセンターのようなチームを自社で構えるのは大変ということもあるでしょう。そのような場合には、コールセンターを外部委託する方法があります。

ECのミカタでは、企業とコールセンター代行事業者のマッチングサービスを無料で提供しています。専任のコンシェルジュがお悩みに合わせて適切なお相手を厳選しますので、電話対応でお困りでしたら、ぜひご相談くださいね。

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