コールセンター業務に生成AIを活用している企業は約2割 NICE調査

ECのミカタ編集部

NICEが企業側、消費者側双方にCX調査を実施

ナイスジャパン株式会社(以下:NICE)は2024年8月2日、同社が実施したコンタクトセンターCX(カスタマーエクスペリエンス:顧客接点)調査の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆対象者
▷消費者調査:過去1年以内に、商品/サービスに関してFAQ閲覧、あるいはコンタクトセンターに問い合わせの経験あり
▷企業調査:コンタクトセンター機能を管理・運用部署に勤務、且つ、顧客対応方針の検討・決定、管理に関与、勤務企業/官公庁の従業員数50人以上、1日2件以上の問い合わせあり
※:2つの調査間でのサンプル重複は除外
◆回答方法:インターネット(Web)アンケート方式
※NTTコム リサーチが保有するアンケートシステムを使用
◆実査期間:2024年6月18日〜20日
※消費者、企業調査共通
◆有効回答数
▷消費者調査:スクリーニング調査(本調査の前):1218サンプル、本調査:250サンプル
・Young(18-29歳):50s
・Middle(30-49歳):100s
・Senior(50-69歳):100s
▷企業調査:スクリーニング調査:3459サンプル、本調査:250サンプル
・中小企業(50-300人未満):150s
・大企業(300人以上):100s
◆出典元:コンタクトセンターCX調査(ナイスジャパン株式会社)

17%が生成AIを導入している

企業のコールセンター業務における生成AIの導入状況は、すでに導入・運用している企業は全体では17%という結果に。中でも大企業においては21%と、その傾向はより高くなり、すでに約2割の企業が生成AIをコンタクトセンター業務に活用していることが明らかになった。

運用はまだ始めていないまでも導入を進めている企業を含めると、実に半数がAI活用にすでに着手しているという。また、すでに導入している企業によると、生成AIの導入効果は「コスト削減」が最も高く、続いて「正答率の向上」、「オペレーターの負荷軽減」などがあげられた。

9割以上は問い合わせ前に自分で調べる

9割の消費者が「WebサイトのQ&A閲覧」の利用を希望する中、それらを提供している企業は6割に留まることが明らかに。

また、Chat GPTに関しては全体で6割の企業が「利用したい」意向であり、大企業では76%とその傾向はより顕著となった。

また、昨年と比較して問い合わせの前に自分で調べる人が0.8ポイント増加。さらに、疑問点が解決しなかった場合にあきらめると回答した人も、約3割から約4割に増加している。解決方法を提示できないことが、消費者CXの低下に繋がっていることが明らかになったといえるだろう。

問い合わせのモニタリング、分析、改善が求められる

日本法人ナイスジャパン株式会社社長オリビエ・ジオレット氏は、本調査に対して以下のようにコメントしている。

「今後、AIの活用がオペレーターの負担を軽減しながらCXの向上を実現するカギとなるでしょう。また、今回の調査でも企業が提供するチャネルと顧客が求めるチャネルにギャップが引き続き存在することが明らかになりました。問い合わせ対応、サポート対応が、購買意欲に与える影響が大きく、すべての問い合わせをモニタリング・分析・改善することが求められるでしょう」

今年で4度目となった本調査によって、消費者の認識と企業側のギャップが浮き彫りになったといえるだろう。問い合わせプロセスやチャネルは、ユーザーと繋がることができる重要なポイントである。本調査結果を参考に、優れた顧客体験の提供を実現させてほしい。


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