クールジャパン関連分野の海外消費動向は? BEENOS調査

ECのミカタ編集部

アニメ、音楽、ゲーム等、クールジャパン関連分野の海外消費動向は?BEENOSが「越境EC×2024年上半期トピックス」を発表

BEENOS株式会社(以下:BEENOS)は2024年8月22日、2024年上半期(1~6月)の 「Buyee」における越境EC販売動向をまとめた「BEENOS越境EC×2024年上半期トピックス発表会」を開催した。本記事では一部発表内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査対象:2024年1月1日から6月30日の期間でBuyeeを通じて購入された商品データの購入件数を基準に算出
▷アニメ分野:2024年1月1日から6月30日の期間に放送開始したアニメ関連グッズの購入件数で算出
▷音楽分野:音声メディア、映像メディア、アーティスト関連グッズの購入件数で算出
▷ゲーム分野:モバイルゲーム発のタイトルを対象として関連グッズの購入件数で算出
▷マンガ分野:マンガ作品の単行本、文庫本、マンガ作品画集を対象に購入件数で算出
▷特撮分野:特撮カテゴリの商品購入件数から算出
▷食分野:飲食料品の購入件数で算出
▷アート分野:美術品、工芸品およびアーティスト関連グッズの購入件数で算出
ファッション分野:ファッション、ファッション雑貨から購入件数で算出
▷ビューティ分野:ビューティ、ヘルスケア商品の購入件数で算出
◆出典元:BEENOS越境EC×2024年上半期トピックス発表会(BEENOS株式会社)

「トレーディングカード」がトップに

2024年上半期に最も購入件数の多かった分野は「トレーディングカード」。国内外で人気が高まることで増刷や商品の多様化が進み、海外ユーザーにとっても買いやすい環境が整ったことで越境ECの流通増加に繋がった。

また、昨年同期比のカテゴリ伸長率では「アニメ・コミックグッズ」が1位に。様々な日本のアニメ作品が動画配信サービスを通じて世界に届けられることで各地にファンを生み、ファンがグッズを購入するための手段として越境ECを利用することで伸長している。

人気の高いサブカルチャー分野

新たなクールジャパン戦略関連分野の販売動向としては、それぞれ以下のような概要となった。

◆アニメ分野
「2024年上半期に放送開始したアニメ」を対象にランキングを作成し「鬼滅の刃 柱稽古編」が人気1位に。アニメ分野の商品は20代を中心に若い世代の男女がアニメグッズを購入しています。若年層へのアニメカルチャーの浸透がうかがえる結果となった。

◆ゲーム分野
家庭用ゲームのファミコンやゲームボーイなどレトロ消費が進む一方、モバイルゲームのグッズも海外ユーザーから購入されている。2024年上半期では「プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat 初音ミク」が最も人気の作品となり、メインユーザーは30~40代の男性であった。

◆マンガ分野
2024年上半期でもっとも人気が高い作品・作者は「ドラゴンボール・鳥山明」に。また、映画公開で注目される「ハイキュー!!」が2位を獲得し、メインユーザー層は20~30代の男性が多い結果となった。

基礎化粧品、ウイスキーなど幅広いジャンルにも注目

サブカルチャー以外のジャンルについての概要は以下の通り。

◆ビューティ
最も人気が高いジャンルは基礎化粧品に。各エリアのメインユーザーは20代の女性が多いが、コンタクトレンズやヘアケアなど男性ユーザーも購入している。

◆ファッション分野
20~30代の男女に人気の高いジャンルであり、女性ユーザーはバッグや小物、男性ユーザーはTシャツやジャケットを好んで購入していることが判明した。

◆飲食品分野
ジャンル1位のウイスキーでは、山崎や響などジャパニーズウイスキーが東アジア地域から購入されている。人気2位のお菓子ではチョコレートが人気であり、比較的安価なため、詰め合わせやまとめ買いの購入が多いことが特徴となった。

日本の商品の魅力を世界中に届ける

2024年6月に政府より発表された「新たなクールジャパン戦略」ではコンテンツ、インバウンド、食、ビューティなどの海外展開を現在の19兆円から2033年に50兆円まで拡大する方針が掲げられた。

現在、クールジャパン関連分野をはじめとする日本のコンテンツは、たとえばアニメや音楽であれば配信サービスなどを通じて世界中の人々が楽しむことができるようになり、関連するグッズや商品も越境ECで購入できるようになっている。こうした状況を背景に、今後も世界中のファンを増加させることが想定されるだろう。

2024年上半期は「トレーディングカード」を筆頭に「おもちゃ、ホビー」「ファッション」など様々なジャンルに人気が集まった。日本の商品の魅力を世界中に届け、越境ECをさらに拡大させるために、本調査内容を参考にした施策検討を進めてほしい。


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