就労継続支援事業所の商品を取り扱うECサイトを開設へ 手作りによる質の高い商品を全国へ紹介
北海道札幌市で社会福祉事業に関わるシステムソフトの開発・販売を手がけるプロテック株式会社(以下:プロテック)は2024年9月2日より、精神疾患や知的・身体に障がいのある人たちが働く就労継続支援事業所が生産した商品を取り扱うECサイトを開設する。
革・布製品やコーヒー、お菓子を取り扱う
本ECサイトでは、札幌市内にあるB型を中心とした9つの就労継続支援事業所が生産した革・布製品をはじめ、コーヒーや焼き菓子など約30種類を取り扱う。
◆ECサイト概要
▷オンラインストア名称:Omusubi(おむすび)
▷開設日時:2024年9月2日9:00〜
▷取扱商品:札幌市内9つの就労継続支援事業所が生産した、革製品、布製品、コーヒー、焼き菓子など約30種類(商品は順次増加予定)
「B型事業所」の平均時給は275円
障がいがあり一般企業での就労が難しい人が利用する「就労継続支援事業所」において、北海道の2022年(令和4年度)の工賃(賃金)実績のうち「B型事業所」の平均時給は275円であった。
B型事業所は障がい者とのあいだで雇用契約を結ばないため、障がいの程度や心身の状態に合わせた柔軟な就労が可能となる一方で最低賃金の保証がない。
プロテックはこうした福祉事業所の給与システムを取り扱う中、運営母体より「この平均時給をどうすれば上げていけるか」と各事業所の悩む姿を数多く見てきたという。こうした状況を背景に、社会福祉事業専門のシステムの開発会社として、事業所が生産した商品を販売する「Omusubi」を開設するに至った。
※画像元:就労継続支援事業所の商品を取り扱うECサイトを開設(プロテック株式会社)
イメージを変え、工賃の向上に繋げる
「Omusubi」開設について、プロテックは以下のようにコメントしている。
「事業所では障がい者の機能訓練として手先の細かな作業も行っており、丁寧に作られた良品にも関わらず販売手段が少なく売れ残ることが大きな課題でした。今回のECサイト開設により販路を広げ、商品の良さや作り手の思いも紹介し消費者へ届けてまいります。さらに、消費者が求めている“売れる”モノづくりにも今後は取り組み、福祉の現場で生産された商品への“何となく古めかしい”や、“おしゃれ感が少ない”といった”イメージを変え、工賃の向上に繋げたいと考えております」
「Omusubi」という名称は地域と福祉を「結ぶ」という意味が込められている。本ECサイトによって生産者が正当な対価を受け取り、社会的繋がりを自覚するきっかけになることが期待される。開設以降の動向、今後の商品展開に注目だ。