2023年以降に「商品を値上げした」EC事業者は8割 Eストアー調査
株式会社Eストアー (以下:Eストアー )は2024年8月27日、Eストアーショップサーブを利用する事業者を対象にした「商品の値上げ」についてのアンケート結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査実施期間:2024年8月5日~16日
◆調査方法:インターネット(アンケートフォームへの回答)
◆対象:Eストアーショップサーブご利用中のEC事業者様
◆有効回答数:646
◆出典元:Eストアーショップサーブ EC事業者の商品の値上げに関する調査(株式会社Eストアー)
80%の事業者が値上げを実施
本調査によって、80%の事業者が2023年以降に商品の値上げを実施していることが判明。理由としては「仕入れ価格・原材料費の高騰(98%)」「人件費など、事業運営に係る費用の上昇(35%)」となっており、事業環境の変化に対応すべく価格転嫁が広がっていることがうかがえた。
その他、値上げに至った理由として「円安の影響」「メーカー希望小売価格の改定」「メーカーからの価格改定要請」「配送料の値上げ」「光熱費の高騰」「最低賃金の引き上げ」などが並んだ。
半数以上が値上げ前後で販売個数が変わらないと回答
一方、2023年以降に値上げを実施していない事業者(※1)は、その理由について以下のように回答した。
◆値上げをすると売れなくなると思うから:27.9%
◆値上げをする必要がないから:21.7%
◆値上げをしたくないから:17.1%
値上げによる売上不振が不安視されている様子がうかがえるが、値上げをした事業者の56%は、値上げした商品の販売個数について「影響はない。(値上げ前と変わらない)」と回答。一部事業者は「他の商品をおすすめすることで一人当たりの単価向上を図る」など、減少分を補う何らかの取り組みを実施していることが判明した。
※1:9%の事業者は、2022年以前にすでに値上げを実行。
値上げ前後の反応を事前に想定することが重要
2023年以降に商品の値上げを実施している事業者、値上げを実施していない事業者双方に、今後の値上げについて質問したところ、以下のような回答となった。
◆値上げを実施した事業者
▷85%が「今後も必要に応じて値上げする」と回答
◆値上げを行わなかった事業者
▷38%が「今後商品の値上げを行う可能性は、大いにある」と回答
現在も様々な領域でコスト増が進んでおり、引き続き商品の価格見直しを検討せざるを得ない機会は増していくと考えられる。必要な値上げを必要な時にスムーズに実施するためにも、値上げした商品の販売個数の減少や既存顧客の反応などについて事前に想定し、対応を検討しておくことが重要となるだろう。