日本の今後10年のキャッシュレス決済の動向は? Stripe調査

ECのミカタ編集部

日本の今後10年のキャッシュレス決済の動向は?Stripe 、「デジタル決済の未来」に関する消費者調査を発表

ストライプジャパン株式会社は2024年9月9日、「デジタル決済の未来」に関する消費者調査を実施し、結果を公表した。本記事では一分内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査方法:インターネットアンケート
◆調査実施機関:YouGov
◆調査実施期間:2024年6月18日~25日
◆対象地域:オーストラリア、シンガポール、日本
◆対象者:18歳以上の男女(N=3048人)
※日本: N=1022
◆出典元:「デジタル決済の未来」に関する消費者調査を発表(ストライプジャパン株式会社)

「スマートフォン/デジタルウォレット」決済が増す予想

10年以内の対面決済の意向変化について調査したところ、「現金」の使用について3カ国平均で44% が「やめていると思う」、そして「クレジット/デビットカード」については、32%が「やめていると思う」と回答した。

一方で、「現金」と「クレジット/デビットカード」以外で、10年以内にどんな決済方法を選んでいくことになるかを聞いたところ、3カ国平均で以下が上位にあがった。

◆スマートフォン/デジタルウォレット(45%)
◆QRコード決済(26%)
◆リアルタイム決済(25%)


「スマートフォン/デジタルウォレット」は現状の36%から45%と9ポイント上昇し、「クレジット/デビットカード」に次いで存在感がさらに増してくることが予想されるだろう。

決済前の手間に不満を感じる

3カ国平均で94%が「オンライン上で買い物をする」と回答した中で、71%の人がオンラインでの購入体験に不満を持っていることが判明した。

しかし、オーストラリア81%、シンガポール78%と比較して、日本の不満率は55%と大きく差があることから、不満が低めであることが明らかとなった。

不満の理由として一番多かったものが「購入前にアカウント作成が必要(42%)」「配送コストが分かりにくい(32%)」「決済情報の手動入力(26%)」と続き、ECでの購入において、決済前にかかる手間の多さが不満となっていることがうかがえる結果となった。

また、3カ国平均として79%が「オンラインで商品やサービスを購入する際に抵抗を感じることがある」と回答。その理由については上位に以下内容があげられた。

◆オンラインで購入前に実物を見たいから(46%)
◆不正利用が心配だから(40%)
◆返品/返金対応が難しいから(32%)

不正利用に対してAIの利用を期待

「ECや決済においてAIは役立っているか」という質問に対して、3カ国全体で72%の人が「役立っている」と回答。役立っているAI機能については、「不正利用の防止(51%)」をはじめ、「頻繁に購入する商品のクーポンやお得情報のおすすめ(37%)」「AIチャットボットツールを利用した購入時における問題解決(28%)」などが挙げられた。

また、3カ国全体の59%が、商品の購入やサービス利用で決済の際にAIがもたらす潜在的なメリットとして、「AIによる詐欺や不正利用の防止」を挙げており、他にも「個人情報の保護(56%)」に続いて、同率の48%で「質問の解決」や「決済プロセスのスピード向上」などが回答としてあがった。

このことから、AIを単なるECでの購入や決済体験の向上だけでなく、増加傾向にある不正利用や詐欺に対しての解決方法として、期待している人が多いことが明らかになったといえるだろう。

ストライプジャパン代表取締役のダニエル・へフェルナン氏は本調査について「今後10年で、デジタルウォレットや生体認証決済、ウェアラブル決済など、様々な決済方法が市場を占めていく事が想定されており、この変化を非常に興味深く感じています」とコメントしている。

決済手段の多様化に伴い、国やユーザーごとの需要も多岐にわたりつつある。想定するターゲットに応じた決済方法やサービスの拡充を進める必要があるだろう。国内外へ展開する事業者は本調査内容を参考に、今後の施策を検討してほしい。


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