シルバーエッグ・テクノロジー、大規模言語モデルを利用した画像分析レコメンドサービス「V-レコ」を発表
シルバーエッグ・テクノロジー株式会社(以下:シルバーエッグ・テクノロジー)は2024年9月11日、AI搭載レコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」の機能強化オプション「V-レコ」を発表し、提供を開始した。
レコメンドがより効果的に実施可能
EC市場の発展とサービスの多様化に伴い、ユーザーごとにパーソナライズされた最適な商品やコンテンツを提案する「レコメンド」技術へのニーズが急速に高まっている。
すでにシルバーエッグ・テクノロジーは、AIによるリアルタイムレコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」を提供しているが、さらなる精度向上と顧客体験の強化を目指し、生成AIなどで利用される大規模言語モデルを応用した新しいサービス「V-レコ」を開発するに至った。
本サービスは、企業の持つ商品画像データを、インターネットから収集し学習した膨大な画像・テキスト情報をもとに解析し、サイト上でユーザーが見ている商品に似た商品をレコメンド。従来のレコメンドエンジンの課題であったコールドスタート問題(※1)を緩和し、新商品やロングテール商品のレコメンドがより効果的に実施可能となる。
※1:AIシステムがまだ情報を十分に持たない新規ユーザーや新規商品に対してレコメンドが難しいという課題
心地よいサイト内体験を提供
「V-レコ」導入による、主な効果は以下の通りだ。
◆初回訪問ユーザーへの購入促進、リピートユーザー化の推進
初回訪問ユーザーの関心に沿った商品をいち早くレコメンドし、閲覧・購買行動を活性化。ユーザーが抱える「商品が見つけづらい」という課題を解決し、心地よいサイト内体験を提供することで、リピートユーザー化を支援する。
◆「新商品」「ロングテール商品」の販売促進
サイトに登録されたばかりの新商品や、ユーザーに注目されていない(=閲覧されていない)商品も、類似度の高い他の商品ページで積極的にレコメンドし、ユーザーに発見されやすくする。
◆AIによる自動化で、サイト管理者の運用工数を削減
アイジェント・レコメンダーの商品データベースとの自動連携で、個別設定なしに商品の分析・レコメンドが可能。新商品も自動的に学習するため、サイト管理者による都度のチューニングなどの運用作業を必要としない。
初回訪問顧客に対するレコメンドを強化
「V-レコ」は、インターネットから集めた多様な画像と関連するテキストから成る大規模言語モデル(LLM)を用い、画像の分析を行う。この手法は、従来の画像認識型レコメンドエンジンと異なり、単に画像の色や形の似ているものを推奨するだけでなく、その画像が持つ意味や概念を理解し、似た商品をレコメンドすることが可能。また、新しい商品に対しても、事前学習された知識を活用し、類似商品を素早く見つけ出し、レコメンドすることができる。
ユーザーの行動データを基にレコメンドを行う「アイジェント・レコメンダー」と組み合わせることで、新規ユーザーや閲覧回数が少ない商品に対しても、より適切なレコメンドが可能になるとしている。
ニーズ予測の難しい初回訪問顧客に対するレコメンドを強化する存在として、多くの現場で「V-レコ」が活用されるはずだ。