東南アジアでの越境ECを展開している企業の多くが価格設定に苦心 Shopee Japan調査
ショッピージャパン株式会社(以下:ショッピージャパン)は2024年9月25日、東南アジア越境ECでの販売商品に関する実態調査の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名称:東南アジア越境ECでの販売商品に関する実態調査
◆調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
◆調査期間:2024年9月3日〜4日
◆有効回答:東南アジアの越境ECで商品を展開している/展開予定の企業の経営者・役員、担当者507名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にはならない
◆出典元:東南アジア越境ECでの販売商品に関する実態調査(ショッピージャパン株式会社)
半数以上がすでに「越境EC」を実施していると回答
「お勤め先では東南アジアへの『越境EC』を実施、または検討していますか」(n=507)という質問に対して、「実施している」が63.9%、「実施していないが、今後実施する予定」が36.1%と半数以上がすでに実施していると回答した。
「実施している」と回答した方に、「お勤め先で行っている東南アジア越境ECで、展開している商品のカテゴリーを教えてください(複数回答)」(n=324)と質問したところ、「衣料品」が32.1%、「食品(健康食品を含む)」が31.5%と上位に並んだ。
日本製品は「信頼性」「高品質」が評価
「東南アジアの越境EC市場において、日本製品が有利だと感じる点を教えてください(複数回答)」(n=507)と質問したところ、「信頼性」が56.8%、「高品質」が54.6%、「ブランドイメージ」が43.6%という回答が上位に並んだ。
「メイドインジャパン」ブランドは東南アジアにおいても有利であり、その品質が評価されている状況がうかがえるだろう。
続いて「お勤め先で行っている(検討している)東南アジア越境ECで、商品の価格設定の際に重視している(重視したい)ことを教えてください(複数回答)」(n=507)と質問したところ、「現地の消費者の購買力」が50.9%、「競合他社の価格設定」が41.8%、「原価と希望利益率」が39.1%という回答が並んだ。
価格設定に多くの企業が苦心
「お勤め先で行っている(検討している)東南アジア越境ECで、価格設定の際に苦労した(している)点を教えてください(複数回答)」(n=507)については、「ブランドイメージと価格のバランス」が41.0%、「為替変動への対応」が38.9%、「現地の購買力に合わせた価格設定」が37.9%という回答が上位に並ぶ。
ブランドイメージを維持しつつ、現地の購買力に合わせた価格設定に多くの企業が苦心している様子が見受けられるだろう。
本調査では東南アジアでの越境ECにおいて、「衣料品」「食品」「家電カテゴリー」などでの高い利益率が注目される一方で、適切な価格設定が課題となっていることが明らかとなった。
海外展開を成功させるためには、信頼性や高品質といった日本製品の強みを活かしつつ、現地の消費者ニーズに合わせた価格設定やプロモーションを行うことが重要となるだろう。今後の施策検討に、本調査内容を参考にしてほしい。