「時間外労働上限規制」適用後、4分の1以上の事業者が「働きにくくなった」と回答 タイミー調査

ECのミカタ編集部

タイミー、物流2024年問題に関する実態調査レポートを発表

スキマバイトサービス「タイミー」を提供する株式会社タイミー(以下:タイミー)は2024年9月26日、「物流2024年問題」についてのアンケート調査結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査名:「物流2024年問題に関するアンケート」
◆調査期間:2024年9月13日〜17日
◆調査対象:タイミーに登録している事業者442社
◆エリア:47都道府県
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆出典元:物流2024年問題に関する実態調査レポート(株式会社タイミー)

約4割の事業者が「2024年問題」対応完了の目処立たず

「『2024年問題』への対応の度合い」について質問したところ、約7割の事業者が対応を行ったことが明らかになった。

また、対応が発生している事業者に対して「対応状況」について聞いたところ、以下のように8月時点までで対応完了している事業者が過半数を超えた。

◆24年3月時点で対応完了済み:35.6%
◆4月〜8月の間に対応完了:15.8%


その一方、約4割の事業者が「対応の目処が立っていない」ことも明らかとなった。

「時間外労働上限規制」適用によってコスト増

「時間外労働上限規制」適用後の変化について質問したところ、「燃料・資材価格」や「人件費」などコスト増が実態として浮き彫りになった。

一方、「減ったもの」として「残業時間」「荷量」「輸送距離」などがあげられた。各社が「2024年問題」の対応として、ドライバー等の「時間外労働」を発生させないよう、荷役分離を図り、「作業人員」だけでなく「給与」のベースアップなどの対応を進めていることがうかがえるだろう。

4分の1以上の事業者が「働きにくくなった」と回答

「時間外労働上限規制」適用後の働きやすさについては、「変わらない」との回答が67%と最多となるも、4分の1以上の事業者が「働きにくくなった」と回答。

「時間外労働上限規制」適用後の労働環境変化に関して、以下のような意見が寄せられた。

◆労働時間の意識改革が進み、ドライバー、事務職の間で意見交換がしやすくなった(運輸業・郵便業)
◆働きやすくなった点もあるが、激しく変化する業務内容や流通商品の変化と変更に対応することがとても困難である(卸売業・小売業)
◆以前より配送が遅くなったため、荷受担当のパートさんがいない時間に配送トラックが来るケースが増えた(卸売業・小売業)


配送が遅くなった、業務内容や商品の変化・変更などへの対応に苦慮している様子がうかがえる一方で、労働時間に対する意識改革が進み、限られた業務時間の中で作業効率を上げる意識が定着している状況も見受けられる。

本調査によって、「時間外労働上限規制」が各方面に大きな影響を与えている状況が明らかとなった。コスト増や対応の目処が立たないといった課題も存在するが、残業時間や輸送距離の減少といった成果も出ているようだ。今後も「2024年問題」への対応を注視し、最新の動向を追っていきたい。


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