NTT西日本富山支店、冷凍中食の米国販路開拓事業と連携 水産業DXの推進へ 

ECのミカタ編集部

冷凍中食の米国販路開拓事業と連携した需給マッチングプラットフォームの実証を実施

西日本電信電話株式会社富山支店(以下:NTT西日本富山支店)は2024年10月9日、株式会社KKTエンタープライズ(以下:KKT-EP)と株式会社J・MADE(以下:J・MADE)が実施する冷凍中食(※1)の米国販路開拓事業と連携し、水産業DX推進の一環として、2024年9月19日、25日に需給マッチングプラットフォームの実証を実施したことを公表した。
※1:お弁当や惣菜などを購入したり、外食店のデリバリーなどを利用して、家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事。

米国バイヤーが使用感を確認

今回の実証では、J・MADEとKKT-EPが実施する「冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ」事業で実施される米国商談会において、NTT西日本富山支店が開発した需給マッチングプラットフォーム(ver.1.0)をデモ提供。商談会に出品される日本の商品を掲載するとともに、米国バイヤーに利用してもらい、その使用感等を確認した。

◆商談会の状況
▷ニューヨーク商談会:9月19日14:00~17:30(THE NIPPON CLUB)
▷ロサンゼルス商談会:9月25日14:00~17:30(JAPAN HOUSE LA)
▷出品数(出品者数):NY会場、22品(17社)/LA会場、22品(17社)
▷主な出品商品:鮨蒲(富山・河内屋)、蒸し牡蠣(三重・丸善水産)、魚生ハム(岩手・ゑん工房)等

◆参加者
▷海外バイヤー:NY会場、18社/LA会場、10社(ホールフーズマーケット、Hマート、ビバリーヒルズホテル、現地レストランオーナー、メディア関係者、インフルエンサー等)

◆実証項目と結果
▷プラットフォームの基本動作(表示、デザイン等)確認
▷言語翻訳表記の正確さ確認
▷プラットフォーム各機能動作の適正さ確認
▷外国人バイヤーの使用感確認
▷プラットフォーム開発コンセプトに対する外国人バイヤーの反応調査

※画像元:冷凍中食の米国販路開拓事業と連携した需給マッチングプラットフォームの実証を実施(NTT西日本)

儲かる水産業を実現する

現在の水産業フローは、水産物の国内需要が高く、鮮度を保てば適正価格がついた時代に最適化された仕組みであるとNTT西日本富山支店は指摘。

その特徴は「獲れた魚をどこに売るか?」というプロダクトアウト型ビジネスであり、販売は仲買事業者の既存販路が中心、かつ輸送方式の大半が生鮮輸送であるため、水産業をビジネスとして捉えた場合のリードタイムは24時間であることがあげられるという。

これに対し、NTT西日本富山支店がめざすバリューチェーンは、マーケットイン志向なオープンマーケットを構築し、儲かる水産業を実現するものである。

具体的には、需給マッチング機能を活用したマーケットイン志向の導入、冷凍機械・冷凍保管・冷凍輸送を繋げたコールドチェーンの導入で製品寿命を長延化。在庫型ビジネスや輸出ビジネスへの対応、越境ECによるボーダーレスなビジネスの実現を目指している。

◆バリューチェーンイメージ

※画像元:冷凍中食の米国販路開拓事業と連携した需給マッチングプラットフォームの実証を実施(NTT西日本)

ユーザーニーズを踏まえて機能追加を検討

今回、J・MADEが、全国商工会連合会の共同・協業販路開拓支援補助金活用プロジェクト「冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ」を主体として推進するKKT-EPとパートナーとして取り組むこととなったことから、当該事業での活用を通して、需給マッチングプラットフォームの実証の実施に至った。

本実証で使用した需給マッチングプラットフォームは、今後もアンケート結果等のユーザーニーズを踏まえて機能追加を検討し、将来的なサービス化を目指して開発が進められる。

生産者の商品と国内外バイヤーの需要をマッチングし、「生産者にとっては販路拡大」を「バイヤーにとっては仕入れ先拡大」を実現させる手段として期待が寄せられるだろう。今後の開発状況に注目だ。


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