西日本鉄道株式会社（以下：西日本鉄道）は動画のライブ配信と電子商取引を組み合わせたライブコマースビジネス「OMAKASE Live（オマカセライブ）」を、2024年度中に開始予定だと発表した。

福岡・九州の魅力を発信し、日中両国の架け橋に

「OMAKASE Live」は、西日本鉄道初となる中国人総合職社員である方玉華（ホウギョクカ）氏が、「福岡・九州の魅力を発信し、日中両国の架け橋になりたい」という想いのもと、新規事業創出プログラム「XDream（クロスドリーム）」（※1）に提案し、事業化したサービス。

サービス概要は以下の通りだ。

◆ライバー、物流の手配、コンサルティング等の業務を提供
◆出品者は、初期費用なく低リスクに中国への販路拡大が可能
◆消費者は、中国にいながら福岡・九州の上質な商品を丁寧な説明付きで購入可能

※1：西日本鉄道グループの第16次中期経営計画において「成長事業の拡充と新たな稼ぐ力の創出」の実現に向け、イントレプレナー育成を目的として推進するプログラム。

※画像元：中国向けライブコマースビジネス「OMAKASE Live（オマカセライブ）」始動（西日本鉄道株式会社）

納得感のある購買体験を提供

「OMAKASE Live」では、ライブコマースの先進国である中国のユーザーへ、福岡・九州の自治体や企業の優れた商品を販売。取引に必要な業務は西日本鉄道が一気通貫で請け負うほか、本サービスの専属ライバー（KOL）（※2）が自治体・企業と中国ユーザーの間に立ち、双方とのコミュニケーションを図りながら地域や商品の魅力を伝えるサポートを実施する。

中国の人気SNS「小紅書」内の「OMAKASE Live」公式アカウントにて、出品された「いいモノ」を動画でプロモーション。本事業専属ライバーが、視聴者とリアルタイムで双方向コミュニケーションを取りながら商品の魅力を伝えることで、海外ユーザーにも納得感のある購買体験を提供する。

商品はアパレル、ジュエリー、工芸品などが対象であり、今後は食品や化粧品など取扱商品を拡大する見込みだという。

※2：Key Opinion Leaderの略。特に中国のライブコマースにおいて消費者の購買意思決定に影響を与える、専門性を持ったインフルエンサーやライブ配信者を指す。

※画像元：中国向けライブコマースビジネス「OMAKASE Live（オマカセライブ）」始動（西日本鉄道株式会社）

地域の魅力的な商品ラインナップが期待

西日本鉄道は本件について、「良質な地域コンテンツの発掘や商品の販路拡大につながり、福岡・九州の魅力発信や認知度向上、さらには中国からのインバウンドの増加に貢献できればと考えております」とコメントしている。

「OMAKASE Live」は、“中国向けライブコマースのことなら、なんでも我々にお任せください”というメッセージを込めて名付けられた。また、“おまかせ”というフレーズは、日本人が寿司屋などで「おまかせ」と注文する文化が中国では日本独特のものとして知られているなど、日中両国で馴染みのある表現となっている。

2024年度中に大分県産業構造機構協力のもと、アパレル、工芸品等の販売を実施し、2025年春以降にも福岡アパレル合同展W'sから、アパレル等のライブ販売が予定されている。

西鉄グループが培ってきた自治体や企業との関係性を活かした、地域の魅力的な商品ラインナップが期待されるだろう。中国への越境ECを加速させる存在として、これからの動向に注目したい。