2023年のAmazonブラックフライデー、購入者の64%がセール前に商品ページを閲覧 ウブン調査

宮地彩花【MIKATA編集部】

株式会社ウブン(本社:東京都港区、代表取締役社長:森岡健太郎)は、2023年11月24日から12月1日に実施されたAmazonブラックフライデー期間中のユーザー動向を調査し、その結果を公表した。

購入ユーザーの64%がブラックフライデー前にサイトを閲覧

株式会社ウブン(以下、ウブン)が公表したデータによれば、ブラックフライデーで購入したユーザーの約64%は、ブラックフライデー前日までにサイトを初回閲覧していた。これは他のセールと比較しても高い数字だという(プライムデー:48%、プライム感謝祭:30%)。この結果について、ブラックフライデー自体が小売業界全体で実施される大規模なセールとしての知名度が高いことが要因の一つではないかとウブンは分析している。

2023年ブラックフライデーの初回閲覧タイミングと購入タイミング(※BF:ブラックフライデーの略)

※画像元:11/29(金)〜12/6(金)Amazon「ブラックフライデー」!昨年のブラックフライデーユーザー動向をウブンが調査(株式会社ウブン)

またジャンル別のサイト閲覧タイミングについても発表。特にGrocery(食品・飲料・お酒等)では、他ジャンルと異なり、ブラックフライデー前に閲覧をした上で、ブラックフライデー期間で購入するユーザーが目立つ。ユーザーが日常的にAmazonで商品を見る機会が多いことから、事前に商品を閲覧する割合が高いと想定。ブラックフライデーのタイミングで備蓄も含めて、お買い得なうちに買ってしまおうというユーザーが多いと推測した。

購入ユーザーの2023年ブラックフライデー前〜期間中までの商品ページの来訪タイミング

セール前は回遊性の増加、10回以上の閲覧数獲得が鍵

2023年ブラックフライデー期間前の閲覧回数とCVR(コンバージョンレート:購入に至った割合)について、ウブンはブラックフライデー期間より前に多く閲覧したユーザーほど購入につながった割合が高いと分析。ジャンル別で見ると、HPC(ヘルス&パーソナルケア)・Hard Line(家電・PC周辺機器等)は概ね13回程度の閲覧で伸びが緩やか、もしくは鈍化。Beauty(化粧品)・Grocery(食品・飲料・お酒等)に関しては30回まで閲覧数に比例してCVRが伸びる結果となっている。

この結果から、購入へ繋げるためには1回のみの閲覧ではなく、いずれの商品も商品同士の回遊性を高めてブラックフライデー前に10回以上の閲覧数を獲得していく必要性を指摘した。

2023年ブラックフライデー期間前の閲覧回数とCVR

またブラックフライデー期間中の閲覧回数とCVRの関係については、下記グラフの通り。HPC(ヘルス&パーソナルケア)は14回付近まで閲覧数に応じてCVRが上昇し、Beauty・Groceryでは微増ながら直線的に推移。Hard Lineでも1ユーザーあたりの閲覧数とCVRは10回付近までは相関するようだ。期間中においても、4回ほど閲覧させるとCVRは約5倍に跳ね上がるので、リターゲティング広告等を駆使し1ユーザーあたりの閲覧数を伸ばすことが推奨されるとした。

2023年ブラックフライデー期間中の閲覧回数とCVR

ブラックフライデーは大きなチャンスに

セールごと、カテゴリごとの購入回数によれば、ブラックフライデーのみで購入が全体、ジャンル問わず割合が高い。10月の感謝祭から日は経たないものの、ブラックフライデーでは獲得できるユーザーが異なり、購入ユーザーも多いことから可能な限りブラックフライデーのセール参加には注力していくといいだろう。

購入ユーザーの各カテゴリでの割合

そしてブラックフライデー期間に、カートに商品を入れたものの購入していない割合は83.4%。広告インプレッションとの相関を見ると、広告(Amazon DSP)に接触することで35%ほど離脱率を改善できる可能性があるようだ。

広告インプレッション数に対するカートに商品を入れた後の離脱率

ウブンの調査から、ブラックフライデーは購入ユーザーの割合が高いこと、売上拡大のためには回遊性をあげるための施策や離脱率を防ぐ広告活用が重要なことが分かった。セール本番まで約1週間と残りわずかだが、本調査内容を参考に今後の施策を検討してほしい。