2025年の値上げは3000品に? 来春にかけて「値上げラッシュ」再燃 帝国データバンク調査

ECのミカタ編集部

来年の値上げ、3千品目突破 今年を上回るペース 来春にかけて「値上げラッシュ」再燃の見通し

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は2024年11月29日、12月および2025年以降における食品の値上げ動向と展望・見通しに関する分析結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

来春にかけて断続的な値上げラッシュが再燃する見通し

12月の値上げでは、パックごはんやレトルトパウチ食品など109品目を数え、年内で最も少ない水準に。2024年通年の値上げ品目数は累計で1万2520品目となり、年間の平均値上げ率は17%となった。

主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2025年の飲食料品値上げは3933品目を数え、前年同時期に公表した2024年の値上げ品目見通し(1596品目)を大幅に上回る。

2025年1月には1年半ぶりとなるパン製品の一斉値上げに伴い、単月として3カ月ぶりに1千品目超の値上げが見込まれ、来春にかけて断続的な値上げラッシュが再燃する見通し。

値上げ要因では、2024年に続き「原材料高」(94.6%)などモノ由来の要因が多数を占める一方、サービス面のコスト上昇を要因とした値上げ傾向がみられた。なかでも「物流費」由来の値上げは89.9%を占め、「原材料高」との差は4.7ポイントに縮小。「人件費」は47.9%と24年通年(26.5%)から大幅に上昇し、最低賃金引き上げなどの影響を受けた賃上げ要因も目立つ。

※画像元:「食品主要195社」価格改定動向調査2024年12月/2024年(株式会社帝国データバンク)

2025年4月までの値上げは「酒類・飲料」「パン」で1千品目を超える

2024年12月はパックごはんを中心に「加工食品」(91品目)の値上げが最多となった。

食品分野別に2025年(4月まで)の値上げをみると、「パン」(1227品目)では年間を通じて断続的な値上げが発生した2022年(1494品目)・2023年(1663品目)と同水準で推移するとみられる。

「酒類・飲料」(1251品目)は、特に4月に缶ビールやチューハイなどアルコール飲料の一斉値上げが見込まれている。

また、「加工食品」(1040品目)は冷凍食品や餅製品などで値上げ予定となり、2024年内に急騰したコメ価格の上昇を価格に反映する製品も目立った。

※画像元:「食品主要195社」価格改定動向調査2024年12月/2024年(株式会社帝国データバンク)

2025年も値上げの継続が見込まれる

2024年の値上げは1万2520品目となり、過去3年間で最も少ない水準となるなど値上げの勢いは総じて弱まった。TDBは2025年の値上げについて「2024年のトレンドを引き継ぎモノ由来の値上げが多数を占める」とコメント。

一方、物流費・人件費由来の値上げ割合が判明する1〜4月分で2024年通年を大幅に上回るなど、値上げの主因はモノからサービスへと広がりつつある状況だ。サービス価格の上昇が企業努力で対処可能な範囲を超えつつあることが、2025年に再び値上げラッシュが発生する主な要因になったと考えられる。

2025年は包装資材、物流費、人件費も当面は上昇基調での推移が見込まれる。製品価格の引き下げや、価格据え置きを維持できる好材料は24年以上に乏しくなるとTDBは指摘した。

2025年は原材料高以外の要因による値上げの継続が見込まれ、品目数は2024年を上回って推移する可能性がある。事業者は今後の動向に注視しつつ、状況に応じた最善の対応を心がける必要があるだろう。引き続き本調査結果を追っていきたい。


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