「置き配の紛失・盗難」1.3%が経験、平均損害額は約4万円 日本PCサービス調査
日本PCサービス株式会社(以下:日本PCサービス)は2025年1月8日、デジタル機器利用に関する生活者の実態とサポート・ニーズの把握のために実施した、「デジタル機器サポートサービスの利用実態把握調査」の結果を公開した。その中から本記事ではECにも関係の深い、「置き配の紛失・盗難」に関する項目を中心に紹介する。
調査概要
◆調査主体:⽇本PCサービス株式会社
◆調査⽅法:インターネット調査
◆調査実施時期:2024年6⽉4⽇〜6月10⽇
◆調査対象:20〜89歳(全国)
◆サンプル数:スクリーニング8万1497名、本調査921名
◆出典元:ネット・デジタル機器トラブルの調査発表(日本PCサービス株式会社)
「置き配の紛失・盗難」は1.3%が経験
本調査によれば、通販注文の商品等の「置き配の紛失・盗難」について、回答者の1.3%が経験しており、平均損害額は4万2876円であったことが判明した。
「置き配の紛失・盗難」の経験者は、男女の年代別で以下の通りとなり、若年層ほど置き配の被害に遭う確率が高い傾向が見受けられる。日本PCサービスでは「ネット通販などに抵抗がなく、普段から利用している若年層は多く、自宅にも不在になりがちな生活スタイルから被害が発生しやすいと考えられる」と考察しており、EC事業者としてもユーザーへの注意喚起を呼び掛ける必要がありそうだ。
◆男性
▷20~39歳:3.6%
▷40~59歳:1.5%
▷60歳以上:0.7%
◆女性
▷20~39歳:1.8%
▷40~59歳:1.1%
▷60歳以上:0.5%
「ネット詐欺被害」の平均損害額は7万2820円
デジタル機器のお困りごとについての設問では、「ネット詐欺被害」の経験者が4.8%いることも判明。男女年代別では「男性60歳以上」が5.7%と最も高かったものの、「男性20~39歳」で5.0%、「男性40~59歳」で4.1%、「女性20~39歳」で4.7%、「女性40~59歳」で4.3%、「女性60歳以上」で4.9%と、いずれの年代性別でもほぼ変わらない結果に。被害を受けた経験者のうち35.2%は実際に金銭的な損害が発生しており、平均損害額は7万2820円と、決して少額ではない被害が発生しているという。
日本PCサービスはこうした状況に対して、「『デジタル』に日頃からなじみがあっても『自分はダマされない』という心がけだけでは防ぐことは困難。事前に対策を立てておき、知識をつけておくことがとても大切」といった提案を示している。
「置き配の紛失・盗難」への対策を呼び掛けたい
今回の調査結果では、「置き配の紛失・盗難」は1.3%が経験しており、うち42.1%に金銭的被害が生じている事実が明らかとなった。特に、男女ともにネット通販などに抵抗がなく、普段から置き配を利用している若年層に被害が集まっているようだ。
現在、「物流の2024年問題」対策、再配達を減らすための取り組みとしても注目度の高まる置き配の活用。このような状況下で「紛失・盗難」といった被害が拡大すれば、普及し始めた置き配を敬遠する消費者が増加しかねない。
EC市場の発展には、持続可能な物流構築が不可欠。消費者に対して、置き配利用のメリットと同時に、「紛失・盗難」対策の呼び掛ける必要性を感じさせる調査結果と言えるだろう。