海外向けネットショップ代行とは?サービスの費用相場や選び方も解説
海外向けECを成功させるには、各国のルールや商習慣を理解し、適切な体制を整えることが重要です。
自社だけで体制を構築するには、考慮する点が多くハードルが高いといえるでしょう。そこで頼りになるのが、海外向けネットショップ代行サービスの活用です。
本記事では、海外向けネットショップ代行サービスの基本的な知識やメリット、サービスの選び方を解説します。
海外向けネットショップ代行とは?
海外向けネットショップ代行とは、国内で運営しているネットショップを海外市場に向けて展開する際に必要な業務を代行するサービスを指します。
具体的には、商品販売、物流管理、関税対応、そして海外顧客への請求処理など、多岐にわたるサポートをしてくれます。
言語や商習慣の違い、関税や輸送手続きの煩雑さなど、国内運営にはない課題が発生します。
こうした業務を自社で対応するには時間とコストがかかりますが、代行サービスを利用すればスムーズに運営できます。
海外向けネットショップ代行サービスでできること
この章では、海外向けネットショップ代行サービスのサポート範囲について解説します。
商品販売サポート
海外向けネットショップ代行では、海外の消費者に商品を買ってもらいやすくするサポートを行います。例えば、多言語対応の商品ページの作成や、現地の人が興味をもつ販売戦略の提案などです。
現地の人がどんな商品をどのくらいの価格で買うのかを調べ、その情報をもとに価格の設定やキャンペーンの企画を行います。
また、SNS広告やインフルエンサーを使った宣伝も可能です。商品を必要とする人に届くよう、ターゲットを決めて効果的なプロモーションを行います。
発送手続きと物流管理
海外向けネットショップでは、商品をスムーズに海外へ届けるための物流管理が重要になります。代行サービスでは、輸送手段の選定や配送スケジュールの調整を行い、商品が確実に届くようサポートしてくれます。
海外配送では、関税の手続きや輸入規制など、日本国内の発送とは異なる対応が必要です。代行サービスを利用すれば、各国のルールに合わせた適切な対応ができ、トラブルを防ぐことができます。
また、配送中の商品の追跡や、破損・紛失時の補償手続き、クレーム対応までを一括して任せられるのも大きなメリットです。
関税への対応
関税や輸出入に関する手続きは、国ごとに大きく異なるため、代行サービスの専門知識が必要です。
各国の税制や規制に従って必要な書類を作成するだけでなく、輸出入時のトラブル防止策や現地税務当局とのやり取りも含まれます。例えば、関税免除対象の商品の場合、事前にFTA(自由貿易協定)を適用するための必要書類を準備することが求められます。
また、商品が関税免除の対象である場合、その適用手続きを正確に行い、コストを最小化することも可能です。
商品カテゴリーによって異なる税率や制限についても代行業者が対応するため、関税に関する専門知識がなくても、安心して海外向けECを展開できるようになります。
海外取引先への請求管理
代行サービスでは、各国の通貨や決済方法に対応した請求プロセスを構築し、未払いリスクを最小化するための仕組みを整備します。
例えば、現地の主要な決済サービス(PayPal、Alipay、Klarnaなど)を採用することで、顧客にとって使いやすい支払い手段を提案してくれます。
また、未払いが発生した場合には、現地の法律に準拠した督促業務を行い、必要に応じて専門の回収機関と連携します。
さらに、定期的な売上レポートや回収状況のフィードバックを通じて、事業者が財務状況を可視化できるようサポートしてくれます。
海外向けネットショップ代行サービスを利用する際の注意点
海外向けネットショップ代行サービスは効率的な海外向けECの運営を実現しますが、利用にあたって注意すべき点も存在します。
ここでは、具体的な注意点を解説します。
サービス内容と自社ニーズの不一致
自社のニーズと代行サービスの内容が一致しない場合、思わぬトラブルやコストの浪費につながる可能性があります。
提供されるサービスが包括的であっても、自社の業務フローや目標に合わない部分があると期待した効果が得られません。
例えば、特定の国や地域に強みをもつサービスであっても自社のターゲット市場に対応していない場合、別の方法で対応する必要が生じます。
また、特定の業務だけを依頼したい場合でもパッケージプランしか選べないことがあり、コストパフォーマンスが低下するリスクもあります。
サービスを検討する際は、対応可能な国・地域や特化している業務内容を確認し、自社の目標や運営フローと整合性があるかを慎重に検討しましょう。
また、サービスの柔軟性を事前に問い合わせ、必要に応じてカスタマイズ対応が可能かどうかを確認しておきましょう。
予算と実際にかかる費用に差が出ることがある
代行サービスには、初期費用や月額費用のほか成果報酬型やオプション料金など、さまざまな料金体系があります。表面的な費用だけを見て契約すると、後になって追加費用が発生するケースがあります。
特に物流費や関税対応にかかるコストは、契約時点では詳細が明確でないことが多く、結果として予算を大幅に超えてしまう場合も……。
こうしたリスクを軽減するためには、契約前に料金体系や追加費用の可能性について業者に細かく説明してもらう必要があります。
また、見積もり段階で総額を提示してもらうことで、予算超過を防ぐことができます。特に、オプション料金や成果報酬型の料金体系がある場合には、詳細を事前に把握しておきましょう。
海外向けネットショップ代行サービスの費用相場
海外向けネットショップ代行サービスの費用は、サービス内容や提供範囲によって大きく変わります。
主な費用項目には、初期費用・月額料金・物流費・関税関連費用などがあり、事前に相場を把握しておくことが大切です。
それぞれの相場観は以下のとおりです。
費用項目 | 費用 | 概要 |
---|---|---|
初期費用 | 10万~50万円 | ・サイトの多言語対応や商品登録などにかかる費用 ・対応する国やページ数が増えるとさらに高額になることも |
月額料金 | 10万~30万円 | ・販売支援やカスタマーサポートが含まれる ・業者によっては、売上に応じた 成果報酬型の料金プランを採用している場合も |
物流費用 | 2,000~5,000円(1件あたり) | ・配送エリアや商品の重量によって異なる ・特急配送や遠方への配送では、追加費用がかかる場合も |
関税関連の手数料 | 5,000~1万円 | ・輸出入に伴う税関手続きや関税計算の費用 |
広告・プロモーション費用(オプション) | 数万~数十万円 | ・現地向けの広告運用やマーケティング支援を行う場合の費用 |
代行サービスの選定時には、提供されるサービス内容と費用のバランスをよく比較し、自社の販売戦略に合ったプランを選ぶことが大切です。
自社に最適な海外向けネットショップ代行サービスの選び方
海外向けネットショップ代行サービスを選ぶ際には、自社のニーズや商品特性を正確に把握し、適切な業者を選定することが重要です。
適したサービスを利用することで、海外向けECの成功率を高めることができます。
ここでは、選び方のポイントを解説します。
取り扱い商品のジャンルに合ったサービスを選ぶ
代行サービスを選定する際は、まず自社の商品ジャンルに対応できる業者を見極めることが大切です。
業者によって得意とする商品カテゴリが異なるため、専門性を確認する必要があります。
特に食品や化粧品は輸出規制が厳しく、成分表示や現地規格の対応が求められるため、これらのジャンルに特化し、必要な書類や手続きに詳しい業者を選ぶことで、スムーズに運営できます。
業者の実績や提供するサポート内容を事前に調査し、自社の商品に適した物流管理やマーケティング戦略を提供できるかを確認しましょう。
取引実績や口コミ評価を確認する
業者の信頼性を判断するうえで、過去の取引実績や口コミ評価の確認は欠かせません。
実績が豊富な業者は海外向けECの課題に対応するノウハウをもっており、トラブルへの対処能力も高い傾向があります。
一方で、口コミは実際の利用者からのフィードバックとして、サービスの質や満足度を知る貴重な情報源となります。
公式ウェブサイトで公開されている成功事例や、独立した評価サイトでのレビューを参考にすることで、業者選びに役立つ情報を得られるでしょう。
特に、サポートの迅速さやトラブル対応についての口コミは、長期的なパートナーシップを築くうえで重要な判断材料になります。
契約前に費用や対応範囲を明確にする
契約前に、初期費用や月額料金のほか、物流費用、関税対応手数料などの詳細を把握し、見積もり段階で全体のコストを明確にしておくことがポイントです。
また、対応可能な地域やサービス内容が自社のニーズに合致しているかもチェックしましょう。
料金が安価に見える場合でも、追加費用が発生することがあります。
例えば、特別なマーケティング支援やアフターサポートがオプション扱いの場合、予算を超過するリスクがあります。
契約前には、費用構成やサービス提供条件を文書で明確に示してもらい、不明点があれば必ず確認することをおすすめします。
海外向けネットショップ代行サービス3選
ここでは、海外向けネットショップ代行サービスの中から、特に注目すべき3つのサービスを紹介します。
株式会社飛躍
株式会社飛躍は、東京と京都を拠点にECサイトの構築・運営を支援する企業です。特にShopify Plus パートナーとしての強みを活かし、国内外向けのECサイト構築や、越境ECの運営支援を提供しています。
越境ECのサポートでは、100件以上の実績があり、多言語対応や現地市場に適したデザイン・機能の最適化を得意としています。海外向けのECサイトをスムーズに運営するためのカスタマイズや、ローカライズにも対応し、グローバル市場での販売をサポートしてくれます。
また、EC運営の効率化にも力を入れており、Shopifyとスマレジのリアルタイム連携アプリの開発など、技術を活用したソリューションも提供しています。
現地の決済方法や物流対応など、海外市場特有の課題を解決する支援も行っています。
TOPPANクロレ株式会社
TOPPANクロレ株式会社は、ECサイトの構築・運営を支援する企業で、海外向けECの展開にも強みをもっています。特に、Shopifyエキスパートとして認定されており、多言語対応のECサイト構築や、現地市場に適したマーケティング支援が強みです。
越境ECでは、Web広告やSNS運用、物流管理、受注処理までトータルでサポートし、海外の消費者に合わせた販売戦略を提案しています。ECサイトの設計だけでなく、現地での集客やブランディングの強化にも力を入れています。
また、110年以上の企業支援の実績を活かし、リアルとデジタルの両方からビジネスの成長を支えています。「伴走型支援」をコンセプトに、企業と連携しながら海外市場での売上拡大を目指す企業です。
株式会社マイナビ
株式会社マイナビは、EC支援サービス「マイナビD2C」を通じて、自社ECサイトの構築から運営、物流、カスタマーサポートまでを包括的にサポートしています。
特に、ShopifyやBASE、ecforceなど多様なプラットフォームに対応し、ターゲットに合ったECサイトを構築するのに加え、ユーザー動向をリサーチし、SNSを活用した販促施策も組み合わせることで、戦略的な売上アップを提案してくれます。
また、倉庫の選定や物流管理の最適化にも対応し、安心して商品を海外へ届けられる仕組みも整えます。
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海外向けネットショップ代行サービスについての基本的な知識や選定ポイントを紹介しました。
海外の顧客に向けたECサイトを構築し運営していくには、多大な労力とコストがかかります。代行サービスや専門の事業者のサポートを受けることで、スムーズかつ安全な越境ECを実現できるでしょう。
ただし、各代行サービスの詳細を比較し、契約条件や費用体系を十分に理解するのは簡単ではありません。また、選定ミスによるコスト増加や運営トラブルは、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。
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