重要視される「真贋保証」の付加価値 イーベイ・ジャパンが「2024年 年間越境ECレポート」を公開
イーベイ・ジャパン株式会社(以下、イーベイ・ジャパン)は2025年3月7日、日本とヨーロッパのEC市場に関する調査と2024年の1年間において日本セラー(販売者)から出品されたアイテムの販売動向を発表した。越境EC取引が伸長する中で、海外ユーザーが日本の商品に求めるものとは? 本記事では公開されたレポートから、一部内容を抜粋して紹介する。
真贋保証の強化と不安解消の仕組み作りで、さらなる信頼獲得を
eBayの調査(※1)によると、越境EC取引(クロスボーダートレーディング。以下、CBT)における日本への購買に対する期待度は、ヨーロッパと同等に高いことが明らかとなった。しかし、イーベイ・ジャパンでは「アジア市場全体に対する信頼度への偏見もあり、日本からの出品には『真贋保証』の付加価値が特に重要視されている」と分析する。
※1:eBay USインサイトチームが実施した調査結果より。米国在住者に対し、過去12か月以内に外国(越境EC)にて高級ファッションアイテムを購入した顧客からのデータ
※画像元:「2024年年間越境ECレポート」を公開(イーベイ・ジャパン株式会社)
日本は厳格な偽造品対策により信頼を得ているが、CBT購入者は依然としてヨーロッパ市場を好む傾向があるという。同社はこれについて「日本が中国や一部の南アジア市場に対する不信感の影響を受けているため。日本がさらなる信頼を獲得するためにも、真贋保証の強化や購入者の不安を解消する仕組みが求められる」と指摘している。
最も高い成長率を見せたのは「デジタルカメラ」
イーベイ・ジャパンでは「2024年 Q1~4 越境ECレポート ハイライト」として、日本の商品が海外で注目された要因を下記ようにまとめている。
◆Q1(1月~3月):円安と配送サービスの影響
◆Q2(4月~6月):インバウンド需要の増加とその影響
◆Q3(7月~9月):米国経済の回復と円高の影響
◆Q4(10月~12月):真贋保証への需要の増加、新たなカテゴリーへの注目
また、「2024年年間カテゴリーランキング」も発表され、最も高い成長率を見せたカテゴリーは「デジタルカメラ」。中でもCanonの「PowerShotシリーズ」とSonyの「Cyber-shotシリーズ」が売れ筋に。SNS投稿がしやすい点も、最近のデジタルカメラの人気の理由の一つだと分析している。
成長率2位は「メンズ アパレル&バッグ ブランド小物」、3位の「自動車パーツ」は昨年に引き続きTOP3にランクインし、着実に成長している。
※画像元:「2024年年間越境ECレポート」を公開(イーベイ・ジャパン株式会社)。eBayにおける日本からの「越境EC」取引に関するデータ(期間:2024年1月~12月) 前年同期 売上対比
なお、2024年年間カテゴリーランキングにおいて、取引額が最も高いカテゴリーは「レディースアパレル&バッグ ブランド小物」となり、トップ3は昨年と同様の結果となった。
※画像元:「2024年年間越境ECレポート」を公開(イーベイ・ジャパン株式会社)。eBayにおける日本からの「越境EC」取引に関するデータ(期間:2024年1月~12月) 前年同期 売上対比
米国以外への販売も強化
今回のレポートでは「2025年注目のアイテム」として以下カテゴリーがあげられている。
◆ハンドバッグ、腕時計、ジュエリー(真贋鑑定対象アイテム)
◆鑑定トレーディングカード
◆リファービッシュ製品(整備済み品)(主に電化製品、その他、楽器やゴルフ(スポーティンググッズ)カテゴリーが対象)
日本のトレーディングカードは世界的に需要が高く、コレクターや投資家にとって注目のアイテムだ。2024年、eBayでの日本から販売された鑑定済みトレーディングカードは、前年比98%と大きく成長。イーベイ・ジャパンでは「2025年もその勢いは衰えず、さらなる拡大が予想される」と見ている。
今後の施策について同社は、「日本のコンテンツや商材は引き続き世界中で高い需要を誇っており、このトレンドは今後も続くと考えています。(中略)具体的には、真贋サービスの拡大やRefurbプログラムの導入を通じて、より安全で安心、そして使いやすいマーケットプレイスの実現を目指します。またSpeekPAKとeBaymagの強化によりアメリカ以外への販売も強化します。これにより、日本のセラーが世界市場でより一層の活躍ができる環境を整え、持続的な成長をサポートしていきます」としている。
海外ユーザーの求める「信頼性」を高め、eBayにおける日本セラーのさらなる成長につながることを期待したい。
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