SGホールディングス、中期経営計画「SGH Story 2027」を策定

ECのミカタ編集部

中期経営計画「SGH Story 2027」策定について

SGホールディングス株式会社は2025年3月27日、2026年3月期から2028年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2027」の策定内容を公表した。基本方針を「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」とした「SGH Story 2027」について、一部の内容を紹介する。

営業収益・営業利益ともに計画を下回って推移

SGホールディングスではまず、現中期経営計画「SGH Story 2024」の振り返りとして、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が収束に向かう中、エクスポランカ社の物量・運賃下落が想定以上に進行していること、また、国内消費の弱含みにより宅配便取扱個数が減少し、営業収益・営業利益ともに計画を下回って推移していることを示した。

インフレ定着に対し、適正運賃収受は計画以上で進捗も、営業収益減や2024年問題対応等により、コストが先行している状況であるという。

※画像出典:「SGH Story 2027 中期経営計画 2025年度-2027年度」(SGホールディングス株式会社)

重点戦略に「低温物流ソリューションの拡大」など

SGホールディングスは「SGH Story 2027」の基本方針の中で、「SGH Story 2024」で経営基盤は大きく強化されたとしたうえで、「2030年に向け、不足する部分は補いながら、投資効果の創出を図る」としている。

同じく、サービス領域の拡大、物流ソリューションの付加価値拡大によって「トータルロジスティクス」を高度化。グローバル物流では、トータルロジスティクスの一部として、顧客インダストリの拡大、エリア・物流領域の拡充により市場環境や顧客の荷動きに左右されにくい事業基盤の構築を目指すとした。

そのうえで、基本方針「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を実現するため、以下の重点戦略を設定した。

◆国内サービス領域とグローバル物流基盤の拡大
▷宅配便のサービス競争力の拡大と効率化による収益基盤の強化
▷低温物流ソリューションの拡大による国内屈指のコールドチェーン構築
▷国内ロジスティクスの付加価値向上とTMS事業領域の拡大
▷グローバル物流の顧客基盤拡大と収益性向上

◆成長を支える経営資源の拡充
▷パートナー企業との連携強化を含むサービスインフラの維持・強化
▷人的資本への投資による企業価値の最大化
▷DX、R&D、最新テクノロジーへの投資による事業競争力向上

◆持続可能な経営に向けた取り組み
▷脱炭素をはじめとする社会・環境課題への対応
▷企業価値の向上に向けたガバナンスの高度化

※画像出典:「SGH Story 2027 中期経営計画 2025年度-2027年度」(SGホールディングス株式会社)

グループシナジーの活用・最大化を目指す

重点戦略の一つとして掲げられる「デリバリー事業」においては、グループシナジーを活用して越境ECなどの成長市場を獲得し、取扱個数を拡大させる方針。「既存顧客の定着率向上とともに、適正運賃収受の取り組みを継続し、宅配便の持続的な成長を実現するとした。

さらに、継続的な成長が見込まれる観光・レジャー市場等(CtoBtoC領域)にも顧客基盤を拡張させるという。

一方、「ロジスティクス事業」においても、グループシナジーを最大化し国内屈指のコールドチェーンを構築することで、同事業の収益の柱とするだけでなく、 デリバリー事業の宅配便取扱個数の拡大にも寄与する方針を示している。

低温物流以外でも高付加価値サービスの提供と既存サービス拡大・効率化(拠点展開、省人化・効率化)といった取り組みによって、営業利益向上、増収効果を図るという。

※画像出典:「SGH Story 2027 中期経営計画 2025年度-2027年度」(SGホールディングス株式会社)。各数値は2027年度目標、2023年度比、 デリバリー事業に計上されるものも含む

SGホールディングスでは、SGHビジョン2030「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げており、今回策定された「SGH Story 2027」も、それに向けた取り組みと言える。物流を取りまく国内外の情勢が目まぐるしく変わる中、同社の動向を引き続き注視していきたい。

※参考:中期経営計画「SGH Story 2027」策定について(SGホールディングス株式会社)