中国格安オンラインショッピングサイト、世界8都市での印象は? トランスコスモス調査

ECのミカタ編集部

トランスコスモス、「世界8都市オンラインショッピング利用動向調査2025」結果を発表

トランスコスモス株式会社は2025年4月7日、自主調査「世界8都市オンラインショッピング利用調査2025」の結果を公表した。

調査概要

◆調査手法:グローバルパネルを利用したオンライン調査、現地語によるアンケート
◆調査地域:東京(日本)、上海(中国)、ソウル(韓国)、ムンバイ(インド)、バンコク(タイ)、ジャカルタ(インドネシア)、ロサンゼルス(米国)、ロンドン(英国)
◆調査対象者:15歳から49歳の男女、直近1年以内のオンラインショッピング利用(購入)経験者
◆回収サンプル:320サンプル×8都市、計2560サンプル
◆調査実施期間:2025年2月17日~2月25日
◆調査委託機関:クロス・マーケティング
◆出典:世界8都市オンラインショッピング調査2025(トランスコスモス株式会社)

東京とソウルでは品質面への懸念が多く

本調査では、SHEINやTemuなどの中国格安オンラインショッピングサイトの購入経験は全体的に高く、特にロンドン(70%)とロサンゼルス(63%)、バンコク(60%)の3都市が顕著であることが明らかとなった。一方で、東京とジャカルタでは利用率が低く3割程度にとどまる。

「中国格安オンラインショッピングサイトの印象」については、8都市共通して「国内で買うよりも安価に購入できる」が1位にあがっており、価格以外では購入のしやすさもポジティブな印象を持たれる要素となっている。

一方、東京とソウルでは、他都市と比べて品質面への懸念が多くみられ、「思ったほど商品の品質は高くなかった」や「正規品ではないものが届く」などの回答が多くあげられた。

ソーシャルメディアは8都市共通で「買い物をするため」に利用

ソーシャルメディアの利用目的は、8都市共通で「買い物をするため」に利用しているという回答が上位にあがった。

その中でもジャカルタ、上海、バンコクでは買い物目的でソーシャルメディアを利用する割合が高く8割以上を超える。

ソーシャルコマースの利用経験が東京を除く7都市で過半数を超えており、特にジャカルタ、上海、バンコク、ムンバイでは高い割合で利用されていることが明らかとなった。

ソーシャルコマースの主な購入先として、特に高い利用率がみられたのは「TikTok(抖音)」となり、中でも上海とジャカルタ、バンコクでの利用率が高く7割を超える。

また、「Instagram」や「Facebook」などのプラットフォームもよく利用されているが、東京では「YouTube」が最も利用されている。

グローバル消費者はより多様な購買体験を求めている

全体的にショッピング体験を向上させる新しいテクノロジーへ関心は高く、中でも上海とムンバイでは全体的に回答率が高い傾向にある。一方、東京とロサンゼルスでは、新しいテクノロジーを試したくない利用者が一定層みられ、特に東京の関心は低く過半数を超えた。

関心の高いテクノロジーとしては、試着や試し置きが可能な没入型体験や画像認識やレコメンドなどAI活用、仮想空間でのウィンドーショッピングなどがあげられる。ライブコマースは、ジャカルタと上海、対話型コマースはムンバイでは高い関心を寄せられ、各都市で5割を超える結果に。

トランスコスモス グローバル事業統括 アナリストの萩原雅之氏は本結果について、「今回の調査結果は、グローバル消費者が安さだけでなく、即時性、手軽さ、体験価値といった複合的な要素を重視しながら、より多様な購買体験を求めていることを明らかにしています」とコメントする。

アジアの新興国ではTikTokやInstagramが検索窓のように機能し、ECへのエントリーポイントとなっているなど、購買行動は次のフェーズに移行しつつある。事業者は常に最新の情報を注視し、適切な施策を打ち出せるよう心がけたい。