越境EC事業者の9割以上が昨対比成長を実感 ウルロジ調べ

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ECのミカタ編集部

【実務者700名が回答】昨対比150%以上成長企業や5ヶ国以上進出企業の戦略とは?ウルロジが「越境EC事業の運用手法に関する実態調査」を公開

EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズ株式会社(以下、DMソリューションズ)が、越境EC事業を運営する担当者・責任者を対象に「越境EC事業の運用手法に関する実態調査」を実施し、その結果を公表。同調査で越境EC事業の売上状況について尋ねたところ、9割以上が「昨対比で事業成長している」と回答したという。

調査概要

◆調査対象:20〜50代の会社員男女
◆調査人数:700名
◆調査条件:越境EC事業を運営している責任者・担当者
◆調査対象エリア:全国
◆調査期間:2025年4月2日~4月5日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査元:ウルロジ調べ
◆出典:越境EC事業の運用手法に関する実態調査(ディーエムソリューションズ株式会社)

越境ECの売上状況、9割以上が昨対比で事業成長していると回答

「越境EC事業の売上状況について昨対比で教えてください」と質問したところ、合計で9割以上が昨対比で事業成長していると回答した。もっとも多かった回答は「100~109%で成長」の40.7%。「150%以上の成長」を達成した企業も12.7%にのぼった。

DMソリューションズは本結果について、「単に成長率が高いだけでなく、9割以上の事業者が成長を実感しているという事実は、一部の成功事例に留まらない、市場全体の底堅い成長を示していると言えるでしょう」と分析する。

特に150%以上の高成長を達成している企業が存在することは、適切な戦略と実行によって大きな成果が得られることを示唆しており、これから越境ECに参入する、あるいは既存事業を拡大しようとする事業者にとって、有益なデータになりえると続けた。

最初の進出先はアメリカと中国が人気

「越境ECで最初に進出した国について教えてください」と聞いたところ、アメリカ(28.1%)と中国(27.1%)が最初の進出先として高い人気を集め、次いで台湾(18.6%)、韓国(12.0%)と続いた。

市場規模の大きさや経済的な結びつきの強さが、最初の進出先としてアメリカと中国が選ばれる主な理由であると考えられる一方、地理的な近さや文化的な親和性から、台湾や韓国といった隣国も比較的容易に参入しやすい市場として認識されていることもうかがえる。

しかしDMソリューションズは、アメリカは“トランプ関税”によって今後ランキング変化の可能性があると指摘。「EC事業者は常に最新の情報を収集し、リスクと機会を評価しながら進出戦略を柔軟に見直す必要がある」とした。

”勝ち組”企業の施策、クラウドファンディングが支持集める

「実際に越境ECを運用する中でやってよかったマーケティング施策について教えてください」と聞いたところ、昨対比で150%以上成長していると回答した高成長企業では、「クラウドファンディング(46.1%)」が最も多くの回答を集めた。

この結果についてDMソリューションズは「高成長企業でクラウドファンディングが重視されていることは、単なる資金調達に留まらず、製品のプレローンチやブランド認知度の向上、熱心なファンコミュニティの形成など、多角的な効果を期待できるためかもしれません」と分析する。

すでに成功している企業の戦略や、多くの事業者が直面している課題を把握することで、戦略立案や意思決定に活かすことができるだろう。本調査結果も参考に、今後の施策を検討してほしい。