消費者のクレカ不正利用被害、対象商品トップは「家電類」 かっこ調査
かっこ株式会社(以下、かっこ)は、ネットショッピング利用者でクレジットカード不正利用被害にあったことがある400人を対象に、その被害に焦点を当てた最新の調査結果を発表した。
調査概要
◆調査主体:かっこ株式会社
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査対象:ネットショッピング利用者でクレジットカード不正利用被害にあったことがある全国の20歳以上 男女
◆調査人数:400人
◆調査実施期間:2025年4月
◆出典:クレジットカード不正利用、食品の不正購入が増加傾向に。20代では補償されないケースも3割に(かっこ株式会社)
不正利用で購入された商品、「家電類」がトップ
本調査において、クレジットカードの不正利用により購入された商品の内訳を見ると、最も多かったのは「家電・電子機器・パソコン」(22.5%)となり、次いで「食品・飲料・酒類」(16.8%)が高い割合を占めた。
かっこによれば、家電類は高額で換金性が高いため、不正利用の対象になりやすい傾向がある。一方、食品類は保存性や換金性の低さから、従来は不正利用の対象になりにくいと考えられていたが、近年、日本酒や日本産ウイスキーといった高級嗜好品の海外からの需要増加や、2024年の米不足に伴う買い占めによる転売などが影響していると、同社は推測している。
不正利用による被害額では、「1万円~3万円未満」が22.0%、「1000円~1万円未満」が20.8%と、1000円~3万円未満の被害が全体の42.8%を占め、前回調査(47.1%)と同様に、比較的少額な被害が多数を占める傾向は変わらなかった。
20代の3割が「補償されなかった」と回答
不正利用被害に対する補償については、全体の86.25%が「補償された」と回答した一方で、20代では「補償されなかった」とする回答が30.0%に達し、他の世代(10%台)と比較して顕著に高い割合となった。
Caccoはこの背景について、「20代がキャッシュレス決済を日常的に利用していることで、利用明細の確認が疎かになり、不正利用に気づかず補償期間を過ぎてしまうケースが増加している可能性があります」と述べる。
不正利用対策のトップは「カード明細の確認」
不正利用対策としては、「カード明細の確認」が61.0%で最多、次いで「利用通知サービスの登録」が37.0%、「EMV3-Dセキュアの登録」が28.5%となった。「EMV3-Dセキュア」は、2025年3月を目途に導入が推奨されていたこともあり、前回調査と比べて登録率は4ポイント増加したが、依然として3割未満にとどまっている。
本調査では、食品などの生活必需品が不正利用の対象となるケースが増加していること、若年層で補償を受けられないケースが多かったことなどが明らかになった。
消費者側で不正利用の被害を防ぐためには、日頃からのカード明細の確認や、EMV3-Dセキュアの登録などの対策が重要となる。かっこでは今回の結果を受け、「EC事業者側ではEMV3-Dセキュアの導入が着実に進んでいる一方で、消費者側での登録・活用については、なお一定の啓発や支援の余地があると考えられます」と指摘している。
◎参考記事不正検知サービス「O-PLUX」がリニューアル セキュリティガイドライン【6.0版】対応で不正対策を包括的に支援