J.D. パワーが「法人向け通販サービス顧客満足度調査」2025年版を発表
株式会社J.D. パワー ジャパン(以下、J.D. パワー)は2025年7月22日、「2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査」の結果を発表した。同調査は法人向け通販サービス利用者の勤め先事業所のタイプに応じて、<オフィス部門><製造/現場部門><医療/介護部門>の3部門に分けて顧客満足度を測定するもので、今回で13回目となる。
調査概要
◆実施期間:2025年5月中旬~5月下旬
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:従業者数3名以上規模事業所における法人向け通販サービス利用者(※1)
◆調査回答者数
▷オフィス部門:3226人
▷製造/現場部門:1512人
▷医療/介護部門:1514人
◆出典:2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査(株式会社J.D. パワー ジャパン)
総合満足度スコアはオフィス部門がトップ
総合満足度ランキングは下記の通り。
◆オフィス部門(対象9ブランド)
▷第1位:Amazon Business(681ポイント)
▷第2位:ASKUL(674ポイント)
▷第3位:イー・クイックス(672ポイント)
◆製造/現場部門(対象6ブランド)
▷第1位:ASKUL(668ポイント)
▷第2位:モノタロウ(659ポイント)
◆医療/介護部門(対象7ブランド)
第1位:たのめーる(691ポイント)
第2位:Ciモール(674ポイント)
第3位:モノタロウ(668ポイント)
総合満足度スコア(1000ポイント満点)は、オフィス部門が669ポイントで最も高く、続いて、医療/介護部門で658ポイント、製造/現場部門は656ポイントとなった。
J.D. パワーは本結果について、「オフィス部門は、特に『サポート対応』『配送対応』『料金/請求』といったファクターで他部門を上回るスコアとなっており、昨年に続き、顧客サポート面や納期対応、価格設定等で高い評価を得ていることがうかがえる」と分析する。
半数以上がSDGsやサステナビリティを意識
同調査で、法人向け通販サービス利用時におけるSDGsやサステナビリティへの意識について質問したところ、「意識して利用している(常に意識して利用している/意識して利用することがよくある/意識して利用することがたまにある)」という回答は、オフィス部門で計56%、製造/現場部門で計60%、医療/介護部門で計59%となり、半数以上のユーザーが何らかの形で意識していることが明らかとなった。
一方、「特に意識して利用はしていない」とする回答も約4割あり、SDGsやサステナビリティに対する関心が薄いユーザーも少なくない点も注目される。
事業所規模別では、いずれの部門においても従業員数の多い大規模事業所ほど、SDGsやサステナビリティを意識して利用しているとする回答が高まる傾向が見られており、SDGsやサステナビリティに関するニーズは大企業を中心に高いようだ。
「リサイクル活動(資源回収サービス)」に注目
法人向け通販サービス事業者におけるSDGsやサステナビリティに関する取り組みについて、どのような項目に関心があるかを複数回答形式で質問したところ、全体で最も関心が高かったのは「リサイクル活動(資源回収サービス)」で、オフィス部門(48%)、製造/現場部門(39%)、医療/介護部門(42%)のいずれでも最多となった。
また、「環境対応商品の取り扱い・品揃え」「物流問題や配送におけるCO2削減への取り組み」も、いずれの部門においても関心の高い項目として挙げられ、環境配慮商品(エコロジー商品)や持続可能な物流に対するニーズ、関心の強さも明らかとなった。
J.D. パワーは本調査結果を受け、「今後益々、物流の高度化やカスタマーサポートの自動化・多様化が進むことが予想される中、『利便性』や『顧客対応品質』のさらなる向上が競争力の鍵となっていくであろう」とコメントしている。
法人向け通販サービスを提供する事業者としては、今後利便性や価格優位性に加えて、環境への配慮や持続可能性といった観点からの商品・サービス改善がより一層求められていくことになりそうだ。
※1:2024年までは事業所における物品調達の管理・事業者選定関与者を対象に実施していたが、本年より、物品の調達に法人向け通販サービスを直接利用している人のみを対象としている