通販事業へのAI導入は12.7%、2年前より4ポイント増加 エルテックス調査

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ECのミカタ編集部

通販事業へのAI導入は12.7%(2025.7)

株式会社エルテックス(以下、エルテックス)は2025年8月29日、EC・通信販売事業者を対象に実施した「通販事業者のAI導入実態調査」の2025年版を集計・分析し、その結果を発表した。なお、今回の調査は2023年にも実施した「通販事業者関与者のAI導入実態」の、2年後の定点観測となる。

調査概要

◆調査エリア:全国
◆調査対象者:楽天インサイト保有の調査パネル(ビジネスパネル)(※1)
◆調査方法:ネット方式による、アンケート調査
◆調査期間:2025年6月30日~7月2日
◆回収サンプル数:300(マーケ:100、業務:100、情シス:100)
◆調査主体:株式会社エルテックス
◆調査実施機関:楽天インサイト株式会社
◆出典:通信販売に関する定期調査の2025年版(株式会社エルテックス)
※1:年商規模1億円以上(1~10億円未満:75、10~50億円未満:172、50億円以上:53)の通販事業に携わる、「マーケティング・広告・宣伝」「業務(受注、決済、配送、その他の業務)」「情報システム」職種の、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主

AIを導入済みの事業者は約10%

「通販事業全般(EC:エレクトロニック・コマースを含む)で、あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」について、もっともあてはまるものをひとつだけお選びください」と質問。通販事業へのAI導入済みは12.7%で、2023年7月時点から4.0ポイントの増加となった。

「AIを導入済み」と「AI導入が決まっている」を合算しても、2025年と2023年は同スコアの32.7%にとどまる。

一方、「AI導入を検討・情報収集中」については数値が伸び(2023年比で8.5ポイント増加)、「特に何もしていない」「関心がない・導入予定がない」といった数値が減少。興味関心はかなり高まっていることが見受けられた。

興味のあるAIへの聴取は2023年よりも低下

「あなたご自身やあなたの会社で『AI(人工知能)』に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください」という質問では、2025年の回答比率が2023年に比べ全項目で低下。特に減少が目立ったのが「コールセンターでの業務サポート」となった。

2025年では「ECストアでのサイト内検索(49.3ポイント)」がトップ、「ECストアでのチャットボットや接客ツール」「通販・ECマーケティング分析」が同スコア(47.2ポイント)で次点となった。

※本質問は複数回答のため、複数の項目に対して選択が可能。2025年はその選択数が少なかったことになる。

ECサイトフロントでのAI活用に期待

「あなたご自身やあなたの会社で『AI(人工知能)』に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください。そのなかで一番だと思うものをひとつだけお選びください。(単一回答)」については、「ECストアでのサイト内検索」がトップとなった。

「ECストアでのチャットボットや接客ツール」が上位2項目となり、2023年に2番手だった「通販・ECマーケティング分析」はスコアを大幅に下げた。

エルテックスは本結果について、「ECサイトフロントでのAI活用に『効果がありそう、興味ある』という結果となっている」とコメントする。

同社は本調査を通して、中核顧客である通販企業の実態を把握したうえで、通販ビジネスの強化、通販サービスの質向上に向け、製品やソリューションサービスの改善につなげるとした。今後もEC事業における、AI導入の動向を追っていきたい。