持ってて当たり前化?飽和に近づくスマホ需要をEC事業者はどう見るべきか

ECのミカタ編集部

徐々に注目が集まらなくなっているスマートフォン、その市場をユーザー動向から分析

株式会社カカクコムが運営する「価格.com」は、市場調査を支援するマーケティングサービス「価格.comトレンドサーチ」で、スマートフォン市場をユーザー動向から分析し、「価格.comレポート」として3月19日に発表した。
レポート項目は、「徐々に注目が集まらなくなっているスマートフォン」「凋落するアップルと、現在一人勝ちのソニー。追い上げる新興・ASUS」「ガラケーに復活の動き!? auのガラスマが市場を牽引」の3つ。デジタル製品の中でももっとも注目されてきた製品と言っても過言ではないスマートフォン。しかし、相次ぐモデルチェンジによって端末の高機能化が進み、製品の差別化が難しくなっており、また、今年は通信キャリアへのSIMフリー化が義務づけられることもあり、スマートフォンが大きな曲がり角にさしかかっているとしている。

現スマホPVはピーク時の半分以下と右肩下がり。ガラケー新モデルがじわじわと人気に?

「価格.comレポート」によると、スマートフォンのアクセスは180万PV/週。これは2年前のピーク時に比べると半分以下へ落ち込んだ数字。「iPhone」や「Xperia」など、人気ブランドが新モデルを出した時は、ユーザーが敏感に反応するものの、半月ほどでその波が引いてしまうとのこと。行き着くところまでスペックアップしたスマートフォンは、進化として驚きがないことが関心低下につながっているのではと分析している。
また、同レポートでは、ガラパゴスケータイ(ガラケー)のアクセスの伸びに着目している。auの発売した「AQUOS K SHF31」は、ガラケーの体裁を取りつつ、スマートフォンの要素も加わった「ガラスマ」。このガラスマを中心に携帯電話カテゴリーへのアクセスも増加し、1月上旬には10,000PV/日だったアクセス数が20,000PV/日になったことをレポート。今後も携帯電話カテゴリーへのアクセスは上がっていくと予想している。

「みんな持ってるスマートフォン」EC事業者はどうアプローチすべきか

同レポートは、スマートフォンの今後の普及率の低下を意味するものではない。逆に、ある程度平均的にスマホが普及しきった故の数値現象という見方はできないだろうか。総務省が情報通信白書で発表した普及率を見てもスマートフォンは62.6%(前年比13.1ポイント増)と急速な増加を見せている。黎明期と比べユーザーが新情報に飛びつかなくなったのは、スマホが生活の中で別段珍しくない「あって当然のアイテム」にまで浸透しかけているから、ということも考えられる。
ガラスマの登場により、これまで頑にガラケーからスマートフォンへ移行しなかった層の人達が、ガラスマに移行しECサイトを閲覧する機会も増えていくだろう。どちらにせよEC事業者は、ただのスマホ対応だけではなく、よりユーザビリティの高いスマホ対応が求められるようになっていくのではないだろうか。激動の潮流にある今だからこそ、自社にしかできない「工夫」でユーザーに驚きと喜びを提供するEC事業者は、自ずと勝ちに近づいていくだろう。


文:ECのミカタWEB編集部


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