「サンダル」流行の背景には猛暑と新型コロナウイルス? LINEヤフー調査

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ECのミカタ編集部

【ヤフー・データソリューション】ファッションアイテムの浸透に関する検索や購買ビッグデータの分析レポートを公開

LINEヤフー株式会社が提供する「ヤフー・データソリューション」は、2025年10月21日、ファッションアイテムの浸透に関する検索ビッグデータを分析したレポート「サンダルはなぜ普段履きに? LINEヤフーのデータから『ファッションアイテムが浸透していく背景』を分析してみた」を公開した。本記事ではアパレル商材を扱う事業者へ向けて、一部の内容を抜粋して紹介する。

「サンダル」は季節の定番キーワードとして定着

「Yahoo!検索」のデータによると、「サンダル」は毎年7月に検索数がピークを迎える傾向が見られた。

2022年7月を頂点に全体の検索数はやや減少傾向にあるものの、近年も検索規模は大きく、季節の定番キーワードとして定着していることが分かる。

※画像元:サンダルはなぜ普段履きに?LINEヤフーのデータから「ファッションアイテムが浸透していく背景」を分析してみた(LINEヤフー株式会社)

検索者の性年代別では40~50代の割合が高く、女性ユーザーの検索が同年代の男性の2倍以上を占めた。中高年層を中心に、幅広く浸透している様子がうかがえる。

※画像元:サンダルはなぜ普段履きに?LINEヤフーのデータから「ファッションアイテムが浸透していく背景」を分析してみた(LINEヤフー株式会社)

2023年を境に合計売り上げが急増

「Yahoo!ショッピング」における購買数の変化を確認したところ、7月に購買金額が増える傾向は、前述の検索推移と同様の傾向がみられた。また、2023年を境に、合計売り上げが急増していることが分かる。

※画像元:サンダルはなぜ普段履きに?LINEヤフーのデータから「ファッションアイテムが浸透していく背景」を分析してみた(LINEヤフー株式会社)

カテゴリ別の売上高においても5月〜8月はレディースのサンダル一項目で、前年度同月のサンダル全体の売り上げを上回った。

外的要因や社会的な背景により生まれるトレンド

サンダル市場が拡大した背景について、LINEヤフーは次の3点が挙げられると分析している。

◆気温の上昇による影響
日最高気温の月平均値が2022年から2023年において7月で+1.3℃、8月なら+1.7℃、9月は+2.3℃上昇した。ユーザーが「暑い」と感じる季節の長さが変化したことが、サンダルの購買数を押し上げている。

◆新型コロナウイルスによる影響
緊急事態宣言解除によって人々の外出が増えたことにより、購買需要が回復したことが1つの要因に。「サンダル」に限らず「スニーカー」も2023年以降、回復傾向にある。

◆普段着として浸透していったことによる影響
「サンダル」と一緒によく検索されるキーワードを確認すると、2021〜2022年においては、特定のブランドに対する検索が目立った。しかしながら、2025年では"サンダル レディース 疲れない"などの履き心地に関する検索がより多くなった。通常のファッションアイテムではなく、日常に浸透している様子がうかがえる。

LINEヤフーは今回の結果について、次のようにコメントしている。

「ファッショントレンドというと、企業戦略としてのトレンド訴求が主たる要因のイメージがありますが、サンダルの例のように新型コロナウイルスや猛暑などの外的要因や社会的な背景が合わさってできるものもあるのではないでしょうか」

アパレル商材の購買に、気温が大きく影響していることが可視化された本調査。季節性の高いアイテムの販促に、ぜひ参考にしたい。