メルカートとCROSS MALLが連携開始 人手不足時代のOMO戦略を加速
株式会社メルカートは2025年12月5日、提供するクラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」と、株式会社アイルが提供する複数ネットショップ一元管理クラウドサービス「CROSS MALL(クロスモール)」が連携を開始することを発表した。
OMOの基盤構築を支援
本連携により事業者は自社ECサイトと主要モール(楽天市場・Amazonなど)における、在庫・受注データを一元管理することが可能となる。
深刻化する「人手不足」や「物流課題」に対し、バックヤード業務の自動化で応えるとともに、実店舗とECの在庫を統合する「OMO(Online Merges with Offline)」の基盤構築を支援する。
◆連携概要

※画像参照:メルカート×CROSS MALLが連携開始(株式会社メルカート)
「EC運営のDX」5つのポイント
本連携で実現する「EC運営のDX」ポイントについて、メルカートは次の内容を挙げている。
◆在庫管理の自動化
CROSS MALLをハブとして、全チャネルの在庫数を同期。「A店で売れたらB店の在庫も即座に減る」仕組みにより、タイムラグによる売り越しリスクを排除する。
◆OMO戦略の加速
ネットとリアルの垣根を超えた在庫管理が可能となる。実店舗の在庫情報をEC側に反映させるなど、チャネル横断的な販売戦略(OMO)をスムーズに実行。
◆バックヤードの無人化
注文データの取り込みから出荷指示までをシステム間で自動連携。手動でのCSVアップロード等の作業を廃止し、受注処理にかかる工数を削減する。
◆商品マスタの一元化
CROSS MALLの商品データをメルカートへ取り込むことで、商品登録作業を一本化。新商品発売時のリードタイムを短縮する。
◆リカバリ機能の実装
万が一の通信エラー時も、未取得データを自動で補完・再連携する「EC注文リカバリ機能」を搭載。システムトラブルによる業務停止リスクを最小限に抑える。
「人」が介在しない、データ連携体制を構築
EC市場の拡大に伴い、多くの企業が多店舗展開(マルチチャネル戦略)を推進している。その一方で、チャネルが増えるほど「在庫・受注情報の分断」が発生し、現場では手作業によるデータ更新が常態化している。
これについてメルカートは「『在庫ズレによる機会損失』や『売り越しリスク』だけでなく、貴重な人的リソースを単純作業に奪われるという経営課題を引き起こしていました。特に、労働力不足が叫ばれる『2025年問題』以降、EC運営においても省人化・効率化は待ったなしの状況です」と指摘する。
こうした課題を解決するため、同社は「CROSS MALL」との自動連携により、「守りのバックヤード業務」をDX化。人が介在しないデータ連携体制を構築し、事業者が本来注力すべき「マーケティング」や「顧客体験向上」へのリソースシフトを実現。人手不足時代のOMO戦略を加速させる連携として、今後の展開に期待が寄せられる。


