2025年「物価高でも売れたもの」トップは「米」 インテージ調査
株式会社インテージは2025年12月9日、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2025年、売れたものランキング」を発表した。
※データは2025年10月分までを使用。
米が前年比162%でトップに
2025年の金額前年比の上位ランキングは、以下の図表の通り。

※画像元:物価高の中で新需要も 「2025年、売れたものランキング」(株式会社インテージ)
※データ:SRI+ 集計期間:2025年1〜10月、指標:販売金額の前年同期比、2019年比(1〜10月)、対象:食品・飲料・日用雑貨品などのインテージ標準カテゴリー、小数点以下も加味したランキング、100以上を青色で表示
物価上昇を象徴するように、1位は国民の主食ともいえる「米」となった。
販売金額は前年同期に比べ162%となり、コロナ禍前の2019年に比べると2倍近くまで上昇している。
※画像元:物価高の中で新需要も 「2025年、売れたものランキング」(株式会社インテージ)
※データ:SRI+、集計期間:2019~2025年(各年1〜10月)、指標:販売金額の2019年比
コーヒーの値上げも販売金額を押し上げ
米と同様に、コーヒーも値上げの流れが販売金額を押し上げた。気候変動や輸送コストの増加などさまざまな要因が複雑に絡み合う中、3位・インスタントコーヒー(119%)、5位・レギュラーコーヒー(117%)がトップ5に入った。
※画像元:物価高の中で新需要も 「2025年、売れたものランキング」(株式会社インテージ)
※データ:SRI+、集計期間:2025年1~10月、指標:販売金額・数量・価格の前年同期比、数量は容量(グラム)単位、価格は容量当たり平均単価
ランキングでは食品・飲料が強い中、2位に入ったのがカルシウム剤(123%)となった。2015年頃に訪日した外国人旅行客による電化製品の爆買いによりお菓子や医薬品、雑貨などさまざまな商品が急激に売れることがあったが、今年はカルシウム剤が人気を集めた。
また猛暑の紫外線対策にメイクの上から塗り直せる商品が人気となった。6位・おしろい(116%)などの化粧品や、8位・リップクリーム(114%)などの雑貨も、国内のセルフケア需要とともに海外からのニーズもつかんで人気だった。
14位の使い捨てカイロ(112%)は、気温が急激に下がった月に需要が伸びたほか海外からの旅行客にも受け入れられて伸長した。
少雨型の梅雨で「防水・撥水剤」が販売苦戦
今年、販売が苦戦したカテゴリーでは「検査薬」「オートミール」「防水・撥水剤」「マスク」「体温計」が上位にランクインした。
3位の「防水・撥水剤」は全国的に少雨型の梅雨であったことなどが影響。7位に入った乳酸菌飲料もコロナ禍に需要を取り込んだ睡眠に訴求する商品のブームがひと段落し前年比では数字を落としたものの、販売金額は2019年を大きく上回っている。
※画像元:物価高の中で新需要も 「2025年、売れたものランキング」(株式会社インテージ)
※データ:SRI+、集計期間:2025年1〜10月、指標:販売金額の前年同期比、2019年比(1〜10月)、対象:食品・飲料・日用雑貨品などのインテージ標準カテゴリー、小数点以下も加味したランキング、100未満を赤字で表示
インテージは「物価高・値上げの1年ともいうべき、世相を反映したランキング。景気や為替、国際情勢など、生活者の趣向の変化だけでは説明がつかない状況が続いています」とコメントしている。国内外の情勢や気候など変化が目まぐるしい時流ではあるが、最新の情報を注視しながら柔軟な対応を心がけたい。


