約4割が物流企業の内製化を検討中 KURANDO調査
株式会社KURANDOは2025年12月16日、「物流機能内製化への意識と障壁に関する調査」の結果を公表した。
調査概要
◆調査期間:2025年11月28日~12月2日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:物流機能を必要とする業種の中小企業の経営者(20代~60代の男女)
◆調査人数:830名
◆モニター提供元:RCリサーチデータ
◆出典:物流機能内製化への意識と障壁に関する調査(株式会社KURANDO)
4割以上が「コスト増大」を課題に感じる
「貴社の物流体制に最も当てはまるもの」をたずねたところ「戦略企画・設計、管理、オペレーション全てを内製化」が55.0%で最多となった。
続いて「戦略企画・設計、管理、オペレーション全てを外部委託」で19.2%、「戦略企画・設計、管理を内製化、オペレーションを外部委託」16.3%、「戦略企画・設計を内製化、管理、オペレーションを外部委託」で9.5%という結果に。

続いて、物流機能を外部委託している中小企業を対象に「現在の物流外部委託において、どのような課題を感じているか」を質問。「コスト増大」で45.3%と最多だった。

コスト削減のために内製化を検討
さらに、物流機能を外部委託している中小企業を対象に「物流機能の内製化の検討状況」を質問。「未検討」59.5%、「検討中」25.5%、「過去に検討」15.0%となった。
続いて、物流機能を外部委託しており物流機能の内製化を検討したことがある中小企業を対象に「物流機能の内製化を検討する理由は何か」を質問。1位が「コスト削減」48.3%、2位が「リードタイム短縮・スピード向上」38.4%、3位が「在庫管理や指示・統制強化」33.8%という結果になった。
この結果から「物流機能の内製化を検討している」または「検討した理由」で最も多いのは「コスト削減のため」であることが判明した。

初期投資や人材確保が障壁に
物流機能を外部委託しており、物流機能の内製化を検討したことがある中小企業を対象に「物流機能の内製化を進める上で、どのような障壁があると感じるか」を質問。1位が同率で「初期投資・運営コストの増大」と「専門人材の確保・育成の困難さ」で47.0%を占めた。

物流の「2024年問題」や燃料費・人件費の高騰を受け、物流機能の「内製化」への動きが大手小売チェーンなどの大企業を中心にみられている。コストコントロールとサプライチェーンの安定化を図るのが目的だ。
本調査の結果から、物流機能を外部委託している中小企業の4割以上が、物流機能の内製化を現在検討中か過去に検討した経験があることが分かった。そうした企業が物流機能の内製化を進める上で障壁と感じていることは主に「初期投資・運営コストの増大」や「専門人材の確保・育成の困難さ」であることが明らかになった。
自社の状況の振り返りや、今後の施策の参考にしたい。


