eBay Japan Awards 2025最優秀賞は「ブランドストリート東京」のDiletto、「マップカメラ」のシュッピンが殿堂入り

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ECのミカタ編集部

イーベイ・ジャパン株式会社は2026年3月6日、2025年度に優秀な成績をあげた日本のセラー(販売者)を表彰する「eBay Japan Awards 2025」各賞の受賞企業(者)を発表した。セラー・オブ・ザ・イヤー<最優秀賞>は中古高級ブランド品を販売する株式会社Dilettoが授賞。2024年まで3年連続でセラー・オブ・ザ・イヤーを受賞したカメラ販売のシュッピン株式会社は、最高名誉賞である「殿堂入りセラー」を獲得した。

本稿では受賞結果とともに、授賞式にあわせて開催された「2026年 eBay 事業説明会」およびクロストークの模様、さらにDilettoほか受賞4社へのインタビューをお届けする。

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21社(者)の多彩なセラーが選出

eBay Japan Awardsは、日本のすべてのeBayセラーを対象に、販売実績やバイヤー(買い手)評価、年間での成長率、商品カテゴリーごとの成績などを選考基準に優秀なセラーを選定・表彰する、年に1度のアワード。2025年度は、前年度と同じく一部カテゴリー部門の表彰にファイナリスト方式が採用され、セラー・オブ・ザ・イヤー受賞枠を3つに広げて優秀賞と最優秀賞が設けられた。

「eBay Japan Awards 2025」の21の賞と受賞社(者)は下記の通り。

最も優秀なセラーに贈られるセラー・オブ・ザ・イヤー<最優秀賞>は株式会社Dilettoが、同<優秀賞>にはALLUブランドで知られるバリュエンスジャパン株式会社と、eBay販売歴20年を誇る株式会社GLIT同社が選出。新人賞のニューセラー・オブ・ザ・イヤーは中古ブランドバッグ販売の株式会社HIVE Collectiveが受賞した。また、3年連続でセラー・オブ・ザ・イヤーを受賞していたシュッピン株式会社は「殿堂入りセラー」を獲得し、同賞が設けられて以来2社目となる名誉に輝いた。

※画像元:「eBay Japan Awards 2025」受賞企業を発表(イーベイ・ジャパン株式会社)

「殿堂入りセラー」を獲得したシュッピン株式会社

米国の関税制度変更を契機に、越境ECに大きな変化

メディア向けに行われた事業説明会では、イーベイ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 岡田雅之氏が登壇し、「eBay Refurbished プログラム(※1)」や「eBay 真贋保証サービス(※2)」の提供、「eBay Live」を通じたライブコマースの強化といった同社の取り組みを紹介。続いて、ジャパンアカウントマネジメント部 アカウントエンゲージメント課 シニアマネージャーの市田良介氏が、同日発表された「2025年間 越境ECレポート(※3)」を解説した。米国の関税制度変更を契機に大きな変化が表れた同レポートについては、下記の記事を参照してほしい。

※1:イーベイ・ジャパン、日本の全セラーを対象に「eBay Refurbished プログラム」を提供
※2:「真贋保証サービス」を日本の全セラーに無料で開放 eBayが示すグローバルプラットフォームとしての責任
※3:ebay、2025年間越境ECレポートを公開 米国制度変更から販路拡大へ

逆境を乗り越えるバイヤーの“熱”

同会場では、同日に開催された「eBay Japan Awards 2025」で受賞が発表されたばかりのDiletto、バリュエンスジャパン、GLIT、HIVE Collectiveの4社が登壇したクロストークも行われ、各社の取り組みや日本国内と異なるeBayならではの売れ筋アイテムなどを発表した。

この日、岡田氏は日本のセラーにとって2025年は「米国の関税制度変更という『逆風』と、AI活用とライブコマースの本格化という『追い風』が両方吹いた1年」と振り返ったが、4社ともそうした状況に素早く柔軟に対応し、成果に結びつけたことが語られた。

「(米国の)新しい関税制度が始まって売上が減ったところもありますが、ヴィンテージアイテムに対する“熱”は米国をはじめとする全世界にあり、関税制度が変わっても、その“熱”が上回る状況だったと感じています。『ピンチをチャンスに変える』と言いますか、この状況を乗り越える新しい方法にどんどん取り組むことで、トレンドに乗ることができたのではないかと考えています」(株式会社Diletto 取締役副社長 松井和輝氏)

鍵は「挑戦と継続」。常に「お客様のため」を目指す

ここからはクロストークに登壇した受賞セラー4社への独占インタビューをお届け。2025年、各社がどのような施策でeBayで事業を伸ばし、アワード受賞に至ったのか。リアルな取り組みをお伝えする。

●セラー・オブ・ザ・イヤー<最優秀賞>
株式会社Diletto 取締役副社長 松井和輝氏

・取扱商材:中古ブランド(主にハンドバッグ)
・eBayストア:Brand Street Tokyo

──受賞の要因をどのように捉えていますか。また、特に力を入れた施策を教えてください。

新しい何かを始めたというよりも、常に「お客様のためになること」を考え続け、本当にコツコツと、できることを積み重ねた結果、ここにたどり着けたのだと考えています。具体的には出品数を増やすことであったり、お客様とのコミュニケーションを増やすことであったり。ヴィンテージへの需要が非常に高い中で、弊社は4万5000商品を扱っているので、お客様のニーズに合った商品を見つけていただけると思います。

──2015年からeBayでの販売をスタートし、どこで手応えを感じられましたか。

それまで日本国内のリユースマーケットで展開していたのですが、ハイブランドのヴィンテージアイテムは海外のほうが需要があると考えてeBayをスタートしました。当初から目の前に“宝箱”のような需要を感じていて、そのトレンドは現在も上昇していると思います。今後は米国をメインにしつつ、ヨーロッパやオーストラリア、カナダのマーケットも視野に入れてやっていきたいです。

──昨年、東京・原宿に実店舗もオープンされました。eBayとの相乗効果は?

基本的に実店舗で販売しているものとeBayに出品している商品は同じです。当社のeBayストアで買ったことのある海外のお客様が、日本を旅行中に来店いただけたときはすごくうれしいですね。反対に、そうとは知らずに来店いただき「ここが、eBayで知っている(Brand Street Tokyoの)お店なんだ」と認知していただくケースもよくあります。

──今後の展望をお聞かせください。

AIツールの活用やライブ販売といった新しいことに力を入れていくことは必須だと思っています。それにプラスして、当社の強みである「圧倒的な在庫数」を活かして商品数を増やしていくことで、リーチできる世界のお客様も増えていく。「とにかく試してやってみる」姿勢でチャレンジしながら、引き続き商品数をコツコツと増やしていくことが鍵になると考えています。

成長の基盤となる、リピーターとの関係構築

続いてはブランド品や時計などを扱い、セラー・オブ・ザ・イヤー<優秀賞>を受賞したバリュエンスジャパン株式会社。2020年からeBayを開始した同社は、特に「リピーター獲得」施策に力を入れていると語る。

●セラー・オブ・ザ・イヤー<優秀賞>
バリュエンスジャパン株式会社 統括責任者 前田賢人氏
同社 販売本部 オンライン販売部 UX課 任燁氏

・取扱商材:ブランド品、時計、貴金属、アパレル商材
・eBayストア:ALLU Japan

──今回の受賞の要因をどのように捉えていますか。

これまでCategory Growth Awardを受賞したことはあったのですが、セラー・オブ・ザ・イヤーは初めてです。当社では中古のブランドバッグやアパレル、ジュエリー、時計とさまざまなものを販売する中で「リピーター獲得」の施策を特に意識しています。初回購入から2回目、3回目としっかりつなげられたことがベースとなって、売上向上に良い影響を与えていると考えています。

──リピーターを増やすために、どのような施策に取り組んでいますか。

クーポンなどのキャンペーンに加えて、たとえば、特定ブランドのバッグを複数回購入いただいているお客様に「こういったものをお探しではないしょうか?」と当社からアプローチするといったこともしています。不特定の多数というよりも「一人ひとりのお客様」にリピーターになっていただくことで、長期的なベースを構築できます。

そのためにはお客様の解像度を上げる作業が必要ですが、その精度も年々上げられているので、オペレーション面を円滑に進めつつ、積み上げできた成果が出ていると感じています。

──2026年以降、力を入れていきたい領域は?

リピーターの獲得を継続するのと並行して、すでにつながっているリピーターの方と、もう一歩「踏み込んだ関係性」を築いていきたいです。eBayのさまざまなツールも活用しながら関係を深めることができれば、それを安定感ある基盤として、事業をさらに成長させられると考えています。

「ブランド品」と「米国以外の販路強化」に注力

セラー・オブ・ザ・イヤー<優秀賞>に輝いた株式会社GLITは、現在eBay販売事業の統括責任者を務めている杉村剛氏が2006年にeBayで事業を開始し、今年で21年目を迎えるベテランセラー。2025年は、すでに実績をあげているトレーディングカード(トレカ)に加えて、アパレル商材に注力し、売上を伸ばすことに成功したという。

●セラー・オブ・ザ・イヤー<優秀賞>
株式会社GLIT 統括責任者 杉村剛氏

・取扱商材:トレカ、ゲーム、フィギュア、アパレル
・eBayストア:GLIT Store

──今回の受賞の感想をお聞かせください。

これまでセラー・オブ・ザ・イヤーの受賞企業はカメラやハイブランドなどの高単価商材を販売するセラーが多かったこともあって、(最近ブランド品を扱い始めたものの)基本的には単価の低い商材の多い弊社には縁がないと思っていたので、今回の受賞は、驚くとともにすごくうれしかったです。

──eBayが発表した「2025年間 越境ECレポート」でもトレーディングカードは高い人気を保っています。この勢いは当面続きそうですか。

「ポケモン(ポケットモンスター)」は今年ゲーム誕生から30周年ですし、「ONE PIECE(ワンピース)」も人気です。最近では「ドラゴンボール」も世界的に人気があって、特にヨーロッパでの反応が良いですね。

──トレカ以外の商材についてもお聞かせください。

アパレルのブランド品に力を入れていて、当社で2025年で一番伸びた商材でもあります。実は、私自身はブランド品に詳しくないのですが、私と同じくらい長くeBayに携わっている土橋(代表取締役社長/CEOの土橋巧氏)を中心に、信頼できるスタッフに任せています。

流行やトレンドに乗るのも大切だと思うのですが、一つの商材に絞り込みすぎると何かあった時に怖い。リスクを分散させる意味でも、幅広く展開しています。

──続けてきたからこそ感じる、eBayの醍醐味をお聞かせください。

「海外の人とつながれる」喜びはもちろんありますが、長く続けているので、気合を入れて「よし、やるぞ!」というよりも、朝起きて歯を磨くのと同じ感覚で、まずパソコンをつけてeBayを見るのが日課のようになっています。今回ブランド品を加えたように、今後もどんどんリサーチして新しいジャンルを開拓していきたいです。

大手にはない「自分たちができること」を考え、新人賞を獲得

新人賞にあたる「ニューセラー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは株式会社HIVE Collective。「宝探しのような出会いを、唯一無二のセレクションで届けること」をモットーに、一点ものや希少性のある中古ブランドバッグなどを販売している。

●ニューセラー・オブ・ザ・イヤー
株式会社HIVE Collective 代表取締役 佐藤直樹氏

・取扱商材:中古品ブランドバッグ
・eBayストア:HIVE PRELOVED

──eBayをスタートしてからわずか1年半で今回の受賞となりました。eBayを始めたきっかけを教えてください。

もともと別のECプラットフォーム(マーケットプレイス)を使っていて、自社サイトも運用していたのですが、「米国市場に行くにはeBayが必要」と考え、2024年に本格的にeBayでの販売を開始しました。

──ほかのセラーとの差別化するための商品選びについて教えてください。

セレクトの基準については社内のスタッフともよく話しています。たとえばNYでフェイクファーのコートを着ている方を見かけて「この方は我々のお客様だな」と考えたり、「あのコートを着ている方は、バッグを購入してくれそう」と想像したり。ただ、目の肥えた方に一度“ダサい”と思われるとなかなか戻ってきていただけないので、そこは気を付けてセレクトしています。大手セラーと比べた時に「自分たちができることは何なんだろう」と考えた結果、ここにたどり着いたという感じです。

──今後の目標をお聞かせください

eBayではクレームや交渉を含めて、お客様から色々なメッセージをいただきます。一度売り切れた商品に対して「このバッグを買いたい」「これに似たバッグはないの?」といったメッセージをいただくこともあり、こうした“今買うお客様ではないポテンシャルカスタマー”ともやり取りできるのが、eBayの良いところです。

そのように私たちを“見込んで”いただいたお客様に、「ここなら、自分の好みのものが何かある」と思ってもらえる、お気に入りのセレクトショップのようなストアにしたいんです。今の個性やユニークさを薄めずに規模を拡大して、「日本では知られていないけれど、世界のヴィンテージラバーの間で一番有名な『日本のブランドセレクトショップ』を目指したいと考えています。

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日本から海外への越境ECを巡る状況は、アイテムのトレンドを含めて常に変わっていく。その中でも顧客に選ばれ、事業を成長させるにはどうすれば良いのか。マーケットプレイスとしてのeBayと、そこで挑戦を続けるセラーの今後に期待したい。