ECサイトの「決済承認率」平均値85.4%、中央値88.0% YTGATE調査

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ECのミカタ編集部

YTGATE、EC事業者200社の決済環境を診断。決済承認率の平均値は85.4%、中央値は88.0%

株式会社YTGATEは2026年3月26日、全国の自社ECを運営する企業200社の「決済環境」を可視化した結果を発表した。

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調査概要

◆対象企業:全国の自社ECを有するEC事業者200社
◆評価方法:各社の決済データをYTGATEが独自に分析・集計。決済承認率を以下の8段階で評価
▷A:100~95%、 B:95~90%、 C:90~85%、 D:85~80%、E:80~75%、 F:75~70%、 G:70~65%、 H:65%未満
◆出典:全国の自社ECを運営する企業200社の決済環境の可視化(株式会社YTGATE)

決済承認率の全体平均値は85.4%

「決済承認率」とはオンラインショッピングでクレジットカード決済を試みた件数のうち、実際に決済が完了した割合を指す。今回、200社を診断した結果は以下の通り。

◆全体平均値:85.4%
◆全体中央値:88.0%


平均値と中央値の間には2.6ポイントの乖離が生じている。この結果についてYTGATEは「承認率が極端に低い事業者が一定数存在し、全体平均を押し下げていることを意味します」と解説。実際、Hランク(65%以下)に該当する9社の平均承認率は42.3%と、全体平均を40ポイント以上下回った(※1)。

年商規模が同等の事業者であっても、承認率には最大62.7ポイントの格差が存在している。決済の設計・運用の違いが、これほどまでに大きな差を生んでいることが今回のデータで明らかになった。

業種別の平均承認率

業種別の平均承認率について、一部を抜粋して紹介する。

◆アパレル・服飾雑貨:85.3%
▷高単価ブランドほど与信枠・本人認証の影響を受ける。返品率の高さがリスクスコアに影響する可能性。

◆ギフト・贈り物:86.9%
▷発送先と決済者が異なる構造上、不正利用スクリーニングに引っかかりやすい。祝祭シーズンの急増により承認率が季節変動しやすい。

◆デジタルコンテンツ・サービス:83.7%
▷継続課金型のサービスが多く、初回エラーがLTV(顧客生涯価値)に直結する。PSP設定や3DS運用により、バラツキが最も大きいカテゴリの一つ。

◆家電:76.1%
▷高額・高単価商材が多く全業種で最も低い水準。3DSや不正検知の強化が承認率を押し下げるトレードオフが生じやすく、運用設計の見直しが急務。

◆食品・飲料:89.9%
▷日常的に利用される商材のため承認率は高水準で安定。ただしギフト需要の高まる時期は高額決済が増え、一時的に低下するケースも見られる。

◆美容・健康:88.2%
▷D2C・定期通販が主流で構造は食品と近い。ただし高単価商品や初回特価オファーが多く、初回3DSエラーや転売目的の不正利用により承認率が下がるリスクがある。

95%以上を目指すべき水準と設定

本結果について、YTGATEは次のようにコメントしている。

「高水準である『食品・飲料カテゴリ(89.9%)』と低水準である『家電(76.1%)』の業種間には13.8ポイントの差があり、同じEC事業者であっても業種・商材・決済設計によって承認率に大きな差が生まれることが明らかになっています。承認率の差が生じる背景には、商品単価や不正リスクの高さ、3Dセキュアの運用設計、PSPの設定、カード発行会社(イシュアー)ごとの審査方針など、複数の要因が複雑に絡み合っています。同じ業種内でも、設計と運用の違いによって承認率に差が出るケースが今回のデータでも確認されています」

同社は、平均承認率95%以上を「目指すべき水準」としている。決済承認率は「見えない機会損失」であり、数%の改善が売上に数億円規模の影響を与えるケースもある。高額商材やサブスクモデルを展開する事業者は特に、自社の決済承認率がどの水準にあるかを把握し、改善に取り組みたい。

※1:Hランク(承認率65%以下)に該当する企業については、決済承認率の構造的な課題に起因するものだけではなく、システム不備や運用上の問題、クレジットマスターアタック等の外部要因による影響を受けた外れ値である可能性が考えられる。