盛況!日本通販CRM協会セミナー〜リピーター獲得を指南
第二回定例セミナー開催
一般社団法人日本通販CRM協会は、東京都港区のEストアセミナールームで第二回定例セミナーを開催した。
日本通販CRM協会は、2015年3月に発足され、日本初となるEC・通販に特化したCRMの普及と研究を目的とし、活動を行っている。CRMとは「Customer Relationship Management」の頭文字をとったもので、情報システムにより顧客の属性や行動履歴などを記録管理し、個々それぞれに対し適切な行動を取ることで、優良な関係性を築くとともに顧客満足度を高める取り組みのことである。ECにおいては「WEB上のおもてなし」などと表されることが多い。
代表理事による開会挨拶
基調講演の二部構成でアジェンダの組まれた同セミナー。一部は「メーカーの通販進出とCRM」をテーマに発表する、ライオン株式会社の特販事業本部 通販事業部、乗竹史智氏の講演。二部は、株式会社ダイレクトマーケティングゼロ 代表取締役 田村雅樹氏が「LTV最大化のためのゴールデンルート戦略」をテーマにした講演を行った。
第二回の定例セミナーも日本通販CRM協会代表理事 向氏の挨拶から始まった。「前回は台風の影響で中止になってしまい、申し訳ありませんでした。今回改めて第二回セミナーということで、大変多くの皆様にお越しいただき、心より感謝しております。乗竹様、田村様と、素晴らしい方からのご講演のお時間頂戴しております。私自身も非常に楽しみにしています。皆様も、お役立ちできる情報をお持ち帰りいただけましたら幸甚です。」
その後、第一部講演の講師である乗竹氏を向い入れ、定例セミナーは開始された。
単品通販で大切にしていること〜ライオン 乗竹史智氏
第一部講演は、「メーカーの通販進出とCRM~ライオン流 通販事業立ち上げと顧客との関係性構築について~」をテーマに、ライオン株式会社特販事業本部 通販事業部の乗竹史智が登壇し、講演が始まった。
「物づくりの成果をお客様に」と、ライオン株式会社(以下「ライオン」)はハミガキや柔軟剤、目薬やサプリメントなどの商品開発を行ってきた。従来は、「物づくり」に重点化した体制で消費者とのコミュニケーションが一方通行でなりがちだったが、「物づくりの成果を最大限、お客様に提供していきたい」と思うようになり、「お客様」を重点に適するようにするとコミュニケーションが双方向になったのだ。
ライオンは単品通販を主としており、単品通販とは、たとえ同じ商品であっても消費者の興味を失わさせず、何度も買っていただくように促していくことである。何度も買ってもらうためには、消費者とのコミュニケーションが必要であり、それがリピーターに繋がる、とした。また、多くのリピーターを獲得するためには、消費者のことを第一に考え、喜んでもらえるようなサービスを提供する必要があるとも。
乗竹氏は、具体的な施策についても特別に披露し、「WEB広告の改善」「誕生日施策」「節目プレゼント」などについても触れていたが、そこはセミナーにお越しになった方の特権として当記事では割愛させていただく。
確実に顧客を獲得するための4つのSTEP 〜DM0田村雅樹氏
第二部講演は、「LTV最大化のためのゴールデンルート戦略」をテーマに、株式会社ダイレクトマーケティングゼロ(以下、DM0) 代表取締役 田村雅樹氏が講演を行った。
インターネット通販の売上を拡大するために必要なことは「新規顧客を優良顧客へと育成し、LTVを最大化させること」と田村氏は提唱する。優良顧客の把握と育成を一気に行える戦略が「ゴールデンルート戦略」だ。
これは顧客の購入ルートを、購入時期・商品・金額など様々な因子で分解したときにLTVの高い群が初回購入時から通ってきたルートのことを意味する。顧客をこの「ゴールデンルート」に導くためには「期間内購入の有無」と「期間内経験商品数」を把握する必要があるとしている。
また、LTVを最大化するためには「F2」の存在が鍵となり、新規顧客を引き上げるためには、「F2転換プログラム」が必要だとした。ここで言う「F2」とは、2回目購入者という意味である。
田村氏は下記のようなクイズを出して、来場者の興味を引く。
《問題》AとB、どちらのほうが効率が良いでしょうか?
A:CPO 5,000円 転換率30%
B:CPO 6,500円 転換率40%
CPO=顧客獲得単価
この答えについて、セミナー内で明らかにされると、会場全体の盛り上がりは最高潮となった。
田村氏は、更に、F2転換率を上げるために必要な4STEPに関しても、当セミナーではつまびらかにした。スピードがたとえゆっくりでも、この4Stepを意識し、1つ1つ確実に解決していくことが大切であることを強調し、講演を締めた。
実際に、セミナー参加者に話を聞くと「他ではなかなか聞けない情報も入手できる」といった声は勿論、「ライオンのような大企業の話を聞いて、自分たちのやるべきことが見えた。これで、新たな目標が立てられそうだ」とか、そこに集まる企業同士の意見交換などを通して「同じ規模の事業者の悩みや解決法が聞けた」等の話もあった。それは、皆一様に、このセミナーがそれだけ有意義であった、ということだろう。セミナーに参加することは、会社の明日をきっと変えることになるだろう。
そして、次回の開催も決定しており、
2015年9月11日 金曜日 16:00〜19:00 で、
会場は、株式会社サイバーエージェント セミナールーム 13階
東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号 渋谷マークシティ となっている。
今回のセミナーは、3部構成となっており、
・【1部】 「CRMとLTV ~事業者が理解すべきLTV概念にもどづくCRMとは?~」
株式会社ディノス・セシール 相談役 上田 昌孝氏
・【2部】「機能性表示健食とサイコCRM理論でLTV10万円」
株式会社 薬事法ドットコム 創始者 林田 学 氏
・【3部】「デジタル時代のCRMのこれから」
株式会社サイバーエージェント ECRMソリューション事業部 部長 稲益 仁 氏
ぜひ、受けてみたいところだ。
これからの通販・ECにとってお客様との関係構築は重要になっていく流れの中で、日本通販CRM協会の役割は一層、大きくなるだろう。日本通販CRM協会でも、こうした姿勢に共感する企業を募っている。少しでも気になった企業の方がいれば、下記に問い合わせてみるのもいいだろう。
http://japan-crm.org/