ECサイトでのかご落ちは平均60%も!対策はリタゲ?(ナビプラス調べ)
ECサイトで平均60%~70%がカゴ落ちしている
リターゲティングメールを導入しているECサイトは約7%
リターゲティングメールの開封率は通常のメルマガの3倍~5倍
リターゲティングメールでカゴ落ちユーザーの購入促進
ナビプラス株式会社(以下「ナビプラス」)はリターゲティングメールに関する市場調査を行った。調査対象は「2015年夏通販EC売上上位500サイト(参照:日本ネット経済新聞社公表)」。ユーザーがサイトを離脱したあとにECサイトがどのような目的・意図をもってメールを配信しているか調査した。
ECサイトでユーザーが商品を買い物かごに入れた後、購入に至らないことを「カゴ落ち」という。カゴ落ちはそもそもの購入意欲以外に、サイトの使いにくさ、他サイトを含めた商品選択肢の多さ、SNSなどで得られる商品情報の多さなどが原因で発生する。では、カゴ落ちはどのくらい発生しているのだろうか?リサーチ結果によると、平均60%~70%のユーザーが購入に至らずカゴ落ちしているのだ。
リターゲティングメールはこのようなカゴ落ちしたユーザーに対する販促施策として注目されている。リターゲティングメールは一度カゴ落ちした購入意欲が高かったはずのユーザーに向けてタイムリーに、かつOne to Oneで訴求するため、ユーザーが中断していた買い物を再開し、購入につながることが期待される。
実際にリターゲティングメールは従来のメルマガと反響の面でも大きな違いがある。従来のメルマガでは開封率(開封率:ユニーク開封率÷ユニーク到達数)が10~25%であるのに対し、リターゲティングメールでは30~90%、クリック率(クリック率:ユニーククリック数÷ユニーク到達数)に関してはメルマガで2~15%のところがリターゲティングメールで10~30%となる。また、完了率(完了率:ユニーククリック数÷クリックから2日以内の完了数)はメルマガで2~15%であるが、リターゲティングメールで15~45%、1通当たりの売り上げ単価もメルマガで10~50円のところがリターゲティングメールで100~800円まで上がる。
リターゲティングメールの導入状況は以下のようになる。まず、「カートに入れていた商品」の再訴求等、従来のメルマガとは異なるアプローチでリターゲティングメールを配信しているECサイトは全500サイトのうち34サイト(約7%)。それらリターゲティングメールを配信している34サイトの業界別導入は総合通販(8サイト/23.5%)、アパレル(6サイト/17.6%)、家電/PC(5件/14.7%)、スポーツ用品(4サイト/11.8%)の順となった。
また、リターゲティングメールの利用目的をメールの件名から分析すると、「買い忘れの商品はありませんか?」「カートに残っている商品があります」など、実際にカートに入れられている商品の再訴求が63.8%と多数を占めた。また、「商品は見つかりましたか?」「あなたへのおすすめ」など、離脱をきっかけとした単純な再訪問の促進が27.7%、「クーポンお得」などのプロモーション目的が5.5%となった。
リターゲティングメールを導入している企業はわずか7%であることが明らかになった。しかし今回の市場調査結果より、リターゲティングメールの効果の高さがうかがえる。約60%~70%のカゴ落ちへの対応施策として、今後リターゲティングメールの導入が進んでいくのではないだろうか。